山菜  男のアバウト調理法

 山菜を美味しく食べるためにはアク抜きが大切ですが、逆にアクを一緒に食べる事で排泄される時に
人間のアクが抜けるなどと言う人もいます。本当にそうなのか・・・人にもよると思いますが・・・是非試し
ていただく価値はあると思います。私の場合はアクも食べるようにしていますが中々抜けず、むしろ蓄
積されているようでかなり
“アクの強い人間”です。また女性の方は便秘になりやすくなる方も結構多い
ようです。ワラビなどは発がん性も取り立たされています。

 健康面ではどちらとも言いがたいのですが、多くの方がアク抜きをしたほうが美味しいと感じるでしょう
から、簡単アク抜き法を幾つか知っておくといいでしょう。山で山菜を採ってすぐ調理が出来たら、濡れ
落ち葉のようなお父さんでも株は一気に上昇すること請け合いです。例えば玉川温泉の湯治では必ず
採りに出かけます。山の中ですから時季のものがいくらでもあります。自炊部の台所で調理しているとす
ぐに話題になります。少し鼻が高くなったような気がします。

      簡単アク抜き法

        流水にさらすだけでかなりのアクが抜ける。例えばウドなどは取ったら直ぐに沢水に石
    でも重りにしてつけて置くと良い。フキのように茹でたあとに沢水に着けておいても良い。

        そのまま天ぷらにしてしまう。中温でゆっくり上げる。かなりアクの強いものでもこれで大
    丈夫。

        茹でる際に塩を適量加える。塩もかなり効果が期待できるので、常に塩を持ち歩くと良い。
     私は山では何時も塩を使っている。

        同じように茹でる際に重曹を適量加える。今は本当に便利になって薬局に行くと分包に
    なった重曹が売っている。ビニール系のもので分包されているので山歩きで少々水に濡
    れても大丈夫。
重曹を多く入れすぎるとやわらかくなりすぎる。

        木灰をまぶしておいて置く。例えばワラビなどは昔からこのやり方で食べられてきた。もっ
     とも簡単に重曹が手に入らなかったほどの山奥だった。

  アクの強いもの、そうでないものなどそれぞれに応じたアク抜きを組み合わせることによって、素材
  の美味しさを百パーセント楽しめるのだと思います。折角の山の恵ですから無駄にせず美味しくい
  ただきたいと思います。

      実践食べ方教室 (アイウエオ順)

食べ方は様々ですが素材の特性に合わせて楽しめばいいのです。一般的には『茹でる』『天ぷら』
『汁の具』『焼く』『炒める』『生食』『炊き込みごはん』・・・普通の野菜と同じと考えていいと思います。
自分なりに工夫した調理法を見つけるのも楽しいことだと思います。身近のものからやってみましょう。

キノコもそうですが山菜にも似ている毒草があるので注意が必要です。例えば『ウルイ』と『バイケイ
 ソウ』は新芽の時季はよく似ています。判るものは【○△▲◇】で付記しておきます。

アケビの新芽】 春の新潟魚沼地方の宿では宿泊客に必ず出される

天ぷら

苦味が強い。少し厚めの衣をつけて揚げる。

お浸し

茹でて水に晒し、鰹節などをかけて醤油でたべる。

アサツキ】 白馬大雪渓の“葱平(ねぶかっぴら)”は昔アサツキが採れた事に由来する。

酢味噌和え

水で洗ってからさっと茹でて酢味噌で和える。

生で

そのまま細かく刻み鰹節をのせて食べる時に醤油をかける。ラッキョウのような鱗茎は皮をむいて、味噌をつけて食べる。

薬味

ねぎと同用に使う。

【イタドリ】 葉がまだ開かない、付け根からポキッと折れるものを選ぶ。東北地方では広く食べられている。

塩漬け

塩漬けにして保存しておけば、使いたいときに生の風味が楽しめる。

生で

子供の頃は皮をむいてそのまま食べた。酸味が美味しい。

煮物

茹でてから醤油やみりんで味を調える。

和え物

塩茹でして水に晒し白和え・くるみ和え・ゴマ和えなど。

南蛮漬け

皮をむいてスライスし軽く塩茹でしてザルに上げ、小麦粉をまぶしてサッと揚げる。だし汁に酒・醤油・みりん・酢で味をつけ煮立たせてから、イタドリを加え軽く煮て火を止める。

サラダ

皮をむき塩もみしたものを水に晒し、ドレッシングやマヨネーズで。

ウワバミソウ・・・ミズナ 私の田舎では茎が青いものを白みず、赤いものを赤みずと呼ぶ

天ぷら

そのまま天ぷらにできる。

お浸し

洗って熱湯で茹で、水に晒す。

卵とじ

1醤油、みりんなどで味をつけ、切ったみずを入れ、煮たててから溶き卵を入れる。

とろろ

洗って熱湯で茹で、細かく刻み包丁の背などで叩くと粘りが出てくる。

【オオバギボウシ・・・ウルイ 【バイケイソウ・・・葉が広がると区別できるが新芽の時は似ている】

天ぷら

はかまはかたいのでとってよく洗い、そのまま天ぷらに

お浸し

茹でて水に晒す。醤油・マヨネーズなどが良い。ねぎに似てぬめりがあり、ほろ苦さがある。

和え物

茹でた物を白和え・くるみ和え・ごま和えなど

みそ汁

あくが無いので生のまま刻んでそのまま入れる。

浅漬け

独特の食感もありおいしい。

【山ウド】

塩漬け

塩漬けにして保存しておけば、使いたいときに生の風味が楽しめる。

生で

白い部分を短冊に切り、水に晒す。あくが抜けたら酢味噌などで食べる。

天ぷら

葉の生をそのまま180℃で揚げる。茎も短冊に切って揚げる。

和え物

短冊切りにし、水に晒してアクを抜く。茹でて水をきり白和え・くるみ和え・ごま和えなど。

油いため

うどを太いものは二つに割り食べやすい長さに切り、水に晒してアクを抜く。熱した油で炒め、きのこなどのほかの具を入れて、醤油、酒、みりんで味を調える。

皮のきんぴらは鷹のつめなどで味を引き締めるとおつまみとして最高だ。

カタクリ】

天ぷら

花の色が解るようにさっと揚げる。

お浸し

熱湯で全草をさっと茹で、醤油マヨネーズが良くあう。

酢の物

茹でて三杯酢がよい。

保存方法

全草茹でてカラカラになるまで天日で干す。

戻し方

水に浸して戻す。ぜんまいと同じように油いためにする。

【ギョウジャニンニク・・・少し葉が広がったものが旬【スズラン・・・猛毒と似ているがニンニク臭いで違いが判る】

生で

生で食べられる貴重な存在。味噌をつけてかじると絶品。

天ぷら・炒め物

天ぷらや炒め物など油にも良くあう。

茹でて

茹でて酢醤油・酢味噌和えなど。細かく刻んで玉子焼きに入れるのも喜ばれる。

クサソテツ・・・コゴミ 商売では頭の部分しか使わないが、下の方の柔らかい部分はコリコリ感が同じように美味しい。

天ぷら

茶色の皮をよく洗い流してそのまま天ぷらにする。癖がなく食感もいい。

お浸し

熱湯でさっと茹でて水に晒す。癖がないので醤油マヨネーズなどの濃い味付けでもOK。

和え物

白和え・くるみ和え・ゴマ和えなど。

【クレソン・・・オランダガラシ】 日当たりが良ければ多少汚れた環境でも育つ。茎先の新芽や若葉を摘む

生で

新鮮なものはサラダ、塩をふって一夜漬け。そのまま天ぷら。

牛肉で

薄切りの肉を広げ醤油などで下味をつけ、クレソンをくるくる巻いて油をひいたフライパンで転がしながら焼く。マスタードが美味しい。

茹でて

サッと茹でて水にさらしお浸しにすると苦さが生きる。和え物はゴマやカラシ、マヨネーズなど。

コシアブラ】

天ぷら

はかまを取って、衣を付けてカラッと揚げる

混ぜご飯

若い葉を葉脈が入らないように扱いて油炒めにする。醤油などで味を調えご飯に混ぜる。

和え物

茹でてゴマ和えが美味しい。

お浸し・サラダ

熱湯で茹で冷水に晒してアクを抜く

ゴマナ】 【キオン・・・新芽の時期に間違う、夏に黄色い花を沢山つける】

天ぷら

そのまま天ぷらに。

お浸し・和え物

茎を塩茹でにして、よく水に晒してからくるみ和え、白和え、ゴマ和えなどにする。

【シオデ】まげて無理なく折れるところから。苦味や癖もなくいろいろな料理を楽しめる

茹でて

塩を少々入れた熱湯でサッと茹で、そのままマヨネーズで。

和え物

ほのかな甘みとシャキッとした感じを生かすため、簡単にささっと調理するほうが良い。

シャク・・・やまにんじん・・・葉がよく似ているし、せり科特有のにおい 【ドクゼリ・・・せり科特有の香りがない】

天ぷら

先端の葉が柔らかく、花の咲く前のものを食べる。低めの温度でゆっくりあげる。

お浸し

塩少々の熱湯でさっと茹でて水に晒す。醤油マヨが美味しい。香りと歯ざわりを楽しむ。

和え物

茹でた物を適当に切って、白和え・くるみ和え・ゴマ和え・など

【乾燥ゼンマイ

もどし方

@     鍋に水を入れ、一晩ほど戻す。

A     戻したぜんまいを茹でる。 どのぐらいの時間茹でるかは何度か失敗して覚える。

B  茹でた水は一旦捨てる。何度か水を替えアクを抜く。
C 好みの長さに切っても良いし長いまま調理しても良い。

油いため・煮物

熱した油で炒め、油揚げ、人参、こんにゃくなどを入れ醤油、ミリンなどで味を調える。

最後に好みでゴマ油を数滴、こくが増す。

タラノメ

天ぷら

遅くなったものは棘が硬くなるので口を傷つけないよう注意が必要。

油いため

熱した油で他の具在と炒め、醤油、みりんなどで味を調える。

お浸し

大きい物は二つか三つに割って熱湯で茹でる。鰹節で食べるのが良い。

和え物

いくつかに割って熱湯で茹でたらくるみ和え・白和え・ゴマなどの和え物にする。

ツクシ】胞子の穂が開く前のまだ緑色がかったものを根元から摘む。開いたものは茎だけを使う

天ぷら・素焼き

堅いはかまを取ってそのまま。

和え物・油炒め・佃煮・三杯酢

重曹をいれたお湯でサッと湯がいてアク抜きをする。味噌やゴマの和え物など。醤油・酒・みりんで煮る。ごはんの上に煮付けたツクシを置いて蒸らすと、ツクシご飯。

【ツワブキ】 綿毛に覆われた若い葉が良い。日影に生えるものが柔らかい。アクが強い

佃煮・煮物

木灰を入れた熱湯で茹でてアクを抜き皮をむいて調理する。甘口の煮物にもあう。

天ぷら

花や蕾は天ぷらに良い。

【ニハトコ

天ぷら

新芽は塩茹でして一晩置いて開く抜き。蕾は低温の油でじっくり揚げてアクを抜く。毒の成分を持っているので、多く食べてはいけない。

ネマガリタケ】 私には山菜の王様的存在

天ぷら

全く癖がないので皮をむいて、そのまま天ぷらにする。

ホイル焼き

焚き火の脇に置いておく。薪と間違えて燃やしてはいけない。

みそ汁等の具

硬い部分も薄い輪切りにして使える。

何でも

一旦茹でてから煮物、卵とじ、油いため。レンジでチンとやって醤油マヨも非常に良い。

【フキ

併せ炊き      

山採りの太いものは割ってから茹でてアクを抜く。更に水に晒すと完全にあく抜きが出来る。鰹のフレーク缶詰などと併せて炊くと良い。油揚げも良くあう。

味噌汁等の具

あく抜きをしたものを使う。

ムニエルの具

イワナなどをムニエルした残り汁で、味がしみるまで炒めて付け合せにする。

フキノトウ 【ハシリドコロ・・・若葉の脇に1個づつ蕾をつけるがフキノトウは茎の先端に沢山の小花の蕾をつける】

天ぷら

土が中に入っていたり中が腐っている事があるので半分に割ってみると良い。衣を着けて高温でカラッと揚げる。また、葉と蕾を刻んで掻き揚げでも美味しい。ほろ苦いがそれを楽しむ人が多い。

油味噌

洗って大きめに裂いて油で炒め、味噌、砂糖で味を調える。

ふきのとう

味噌

熱湯に重曹を少し入れて5分程茹でる。水に浸しアクを抜き、細かく刻み味噌と和える。砂糖、みりんを好みで加える。やどろく仲間に名人あり。

みそ汁

フキノトウを塩で揉み、アクを出して更に塩を抜いて、細かく刻み味噌汁に入れる。

土佐煮

熱湯に重曹を少し入れて茹でたあと、水に浸しアクを抜く。大きな物は裂いて出汁、醤油、酒、砂糖と鍋に入れ、弱火で煮る。汁が無くなったら好みで鰹節などで。

水煮

硬めにゆでてアクを抜き、保存用ビンに水と一緒に入れたら加熱し、蓋を閉め密閉する。

【マタタビの芽

天ぷら

よく洗いそのまま天ぷらにする。実は薬用酒をつくる。

モミジカサ・・・シドケ】 まだ葉の開ききっていないものが良い。東北では古くから代表的な山菜

あらゆる調理法

塩を少し入れたお湯で茎が緑色になるまで茹でる。水に晒して長い時間おくと、折角の香りが飛んでしまうので注意。お浸し・和え物・酢の物・汁の具・天ぷら・炒め物などどんな料理にもあう。

ヨブスマソウ・・・変形にイヌドウナ 塩漬けにして風味を長く楽しめる

天ぷら

よく洗い、うすい衣でそのまま天ぷらにすると、ボリュームがあり香りと苦味が美味しい。

お浸し・煮物

熱湯でさっと茹で、水に晒す。さっぱりしていて万人向き。

和え物

茹でた物を白和え・くるみ和え・ごま和えなど。

【ワラビ 生のまま塩漬けしておくと保存が出来る

あく抜き

@        ワラビがゆったり入る大きな鍋にワラビを入れる。

A  木灰(重曹でも可)を適量ワラビに振りかけ、熱湯を注ぎ箸で混ぜる。

ワラビが浮き出ない様に、落し蓋をして重しをかねて一晩おく。

塩漬け

塩漬けにして保存しておけば、使いたいときに生の風味が楽しめる。

お浸し

あく抜きしたものを熱湯でさっと茹でて水に晒す。
柔らかくぐちゃぐちゃになってしまうので、茹ですぎないことが大切。


          野草のトップへ