古希の祝いに記念登山 ・・・早池峰

  登頂日  18.6.08   天候   晴れ   百名山登頂順   再登頂
  標 高    1.917b     登山口 小田越  同行者        単独 
  温 泉    日高見温泉 《霊泉の湯》   ア単     600円  

タイム  
- - - 
   場所・地点      着     発     着      発
 河原坊   6:00
 小田越    6:40   6:45
 山頂    8:45   9:15
 小田越   10:25  10:25
 河原坊     1100 - -
   所要時間 5:00    歩行時間  登り 2:45   下り 1:45

まだ70歳には1年以上も間があるのに、岩手で古希祝いの同窓会が開催。次はいつになるか

分からないし、私に参加できるだけの体力・体調が温存されている保証は無く、何としても今回は

参加しておこう。

きつい言葉でいえば友の顔が見納めかも知れないし、私の冥途の土産かもしれず・・・いずれに

してもあまり喜ばしい年齢とは言い難い。

本来、こうした祝い事や厄払いなどは数え年で行うのが通例で、数えで70歳は実際には69歳。

4月生まれの人などは確かに歳祝いをしてもいいが、私はまだ68歳での古希祝には抵抗感もある。

まあそうではあるが、友達に会うのがメインの目的。そして口実にして岩手の山にも登頂したい。

今回は姫神山、早池峰、五葉山に登る予定だった。

天候の影響で五葉山には登る事が出来なかった。


前日、二百名山の姫神山に登り、そのまま早池峰登山口の河原の坊に移動すれば良かったの

だが。

あまりにも早すぎる時間で紫波町のラフランス温泉でくつろいだ後、紫波町に住む実の姉のところ

に寄った。

そしたらおかずやら酒やらを沢山持たせてくれて、結局、姉の家を出たのが6時半。

河原の坊に着くころにはとっぷりと日も暮れて、真っ暗な山道を延々と走る。何度『迷ったのではな

いか、引き返した方が良くないか?』と思ったことか。

最後の集落、シャトルバスの発着所付近からでも30分以上、暗闇の中を走行した。

河原の坊に到着すると、明かり一つなく・・・真っ暗な駐車場があるのみ。夜中にトイレなど

・・・とてもいけない。

熊なども確かに怖いが、それよりはるかに人間が怖い。金品目的に暴漢にでも襲われたら、年寄は

ひとたまりもない。

誰がが来るのを期待したが、翌朝までその期待は実現しなかった。当然夜中のトイレも我慢。



翌朝、やっと一台やってきたが、身支度を整えてそそくさと出発していった。私はそれから食事を

して、トイレを使って6時に出発した。

ところが、何と河原の坊からのコースは崩落で通行止め。前回と同じコースにするか、それとも

小田越から登るか・・・前日まで迷っていたが、これで選択肢は無い。小田越えまで林道を歩く。

途中、数台の車に追い抜かれたが、地元の人は小田越にも車が止められとと知っているようだ。

私は知っていたとしても、歩きたいので歩いたと思う。

40分ほど舗装された道をゆったりと登ると、小田越に到着。仮設のトイレが10基ほどある。

夕べここに3・4台が泊まっていたそうで、ここまで車で入っていたら恐さでおびえる事も無かっ

たろうに・・・。

 
河原の坊登山口は崩落で通行止め    小田越登山口の登山届ポストと案内板

環境指導員(?)がいたので挨拶をする。すると『歩いてきたの?  こっちにも10台ぐらい停められた

のに・・・』と。

『歩くのが好きなので、歩いてきました』と。

トイレを使って出発。6時50分になろうとしていた。

ゲートのところには使用済みトイレシートの回収箱がある。利尻などにもあって、便利だなあ・・・と思った

ものだ。回収してくれるなら協力者も増えるだろう。

樹林の中を進むと、所々に一斗缶がぶら下げてある。何だろうと思ったが、2個目の一斗缶で気が

付いた。バチが一緒にぶら下がっているので・・・これを叩いて熊除けにしろ・・・ということらしい。


 
使用済みトイレシート回収ボックス            随所に設置された熊除けの一斗缶

20分も進むと登山道は岩場のゴーロ帯となる。すると樹林帯を突き抜けて・・・目の前には蛇紋岩の

岩峰が立ちはだかる。

圧倒されるような・・・覆いかぶさるような急峻の嶺。本当に登れるのだろうかと不安になってくる。

 
岩が現れると樹林帯を抜ける  いきなり蛇紋岩の岩峰が立ちはだかる

途中には合目を表示する石が設置されていて、これには自信のない私も精神的に後押ししてもらった

感がある。振り返ると前回はガスの中で見ることができなかった薬師岳が。

 

前回はガスの中だった薬師岳         二合目の表示

ふと気が付いたが・・・五合目付近から見下ろすと河原の坊が眼下に展開し、意外に近くて驚く。1時間も

歩いたはずなのに裾野としてみたら同じ方角と理解できる。

白い車が我が愛車。実際には朝やってきたもう一台が停まっているが、樹林の影になっている。

建物はビジターセンター。右の小さい屋根は水場のようだ。さらには車の左手にトイレがあるが、それも

木に隠れて見えていない。

こんな中に・・・そして月明かりもない真っ暗闇の中に、山開き前の登山口に。

最近はそんな山旅が嫌になってきた。



五合目手前で振り返ると、河原の坊の白い我が愛車。建物は左ビジターセンター、右水場。

五合目あたりは本格的な登りとなり岩場を進む。花はちらほらで思ったほどではない。

花の百名山は訪れる時期が大切だ。だから何時登っても登ったと言える日本百名山の方が完登しやす

いと思う。

難しいけど・・・花の無い花の百名山に登ってもなあ・・・と思って、なるべく花の時季にしているのだが。

八合目手前では前回下りで使った2スパンのほぼ垂直に近い梯子が有る。

前回は垂直に近いと思ったものだが、やはり山に慣れていなかった時代だったようで、今、この程度では

逆に安心し過ぎて事故になりそうだ。

 
五合目                八合目手前の梯子場、2スパンで20bほど

梯子を越え緩やかに登って行くと八合目に到着。後はほぼ稜線を移動するだけ。

山頂の
小屋の赤い屋根が見えている。

 
六合目              八合目



山頂の神社と小屋が見えてくる

途中に雪渓が残っていた。先週岩手山に登った人と話したら、岩手山の雪渓の方が小さかった・・・

との事。

茨城から来たというご夫婦に写真を撮ってもらう。前回と同じポーズ・・・剣の前に座って足を

投げ出したポーズで写した。

山開き前とはいえご夫婦と男性が一人という寂しい山頂。途中下山していく3人の人に出会った。

環境指導員の方が言っていた、夕べ小田越えに泊まった方だろうが、早々と下山していった。

 
腐ってはいたが、かなり広い雪渓が残る    山頂

前回はガスの中で何も見えなかった早池峰。岩手山や鳥海山、焼石や栗駒まで望めたので、

リベンジ達成とする。

珍しく30分も山頂からの眺望を楽しんだ。


岩手山。早池峰から望むと片富士。左奥は冠雪の鳥海山か?

前回は9月だった早池峰登山。この日本庭園さながらのロケーションは紅く萌えていた。

同じ場所で同じアングルで写してみる。

悠久の大自然は20年近い年月を全く感じさせず、反対に人間はその年月で老いを感じる。

さながら日本庭園。15年前は紅葉。

下山時には数人の方が登ってきた。山開き前とはいえ20人ぐらいは登っていたのではないか。

河原の坊まで再び歩く。前回も小田越えに下山したので、このコースを歩いた。

あまり暑い日ではなく、水分の摂取が少なくて済んだ。おかげでトイレシートを使用することは無かった。




早池峰登山のこの時代は人生の転機と言える大きな事柄が続いた。だから普通の思い入れの単に

百名山の一座として受け入れることはできない。

娘が東北大に合格したり、妻の病状に変化があったり・・・思い入れ一入の山なのだ。





花の種類が豊富で、まだまだ多くの種が咲いていたが、他の山でも見かける花だったので、写真は

あまり写してこなかった。

まだまだ雪解け時季の花が盛りで、特に山頂近くではショウジョウバカマなどが多く咲いていた。

固有種の宝庫で、ハヤチネと頭につけた種も多いが、今回は固有種とも言われているヒメコザクラ

に巡り合えたのが収穫だ。

文献によっては固有種とあり、他の文献では蛇紋岩の岩場に咲くので固有種と特定していないもの

もある。

ヒメコザクラは今回初めて目にした種で、このめぐりあいは私にとって大きな経験であった。

エーデルワイスに一番近いとされるハヤチネウスユキソウは、早池峰を代表する固有種であるが

6月後半から7月でないと観られない。今回も目にすることはできなかった。


ヒメコザクラ

 
ヨツバシオガマ             ミヤマオミナエシ

 
アズマギク            ツツジだけど・・・種類は不明。ツツジにうとい

 
スミレだけど種類は不明       ミツバオーレン?

 
キンポウゲの仲間だけど       ミネザクラがまだ盛り

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