10年ぶりに寒河江川流域を訪ねて【山形・西川町】  10.09.11

 10年以上昔になりますが寒河江川領域の沢は毎年2・3回は訪れていました。懐かしい場所です。

大桧原川・大井沢・根子川・見附川・・・これらの沢でしたら堰堤の位置から滝の場所などほとんど頭の中に残って

います。寄る年波で多少忘れている部分もありますが、現地に入ると記憶が甦ってきます。



 昔は大桧原川の大堰堤の真下まで車が入りましたから、アクセスが非常に楽でした。そこから大桧原左岸に続く

秘密のルート(ナタメ道)を通って源流部に到達します。滑落すると確実に200メートルも転落する山の斜面をヘツル

のですから、普通の釣り師は入ることが出来ない世界なのです。竜門滝にザイル一本で下降したりと、今考えれば

背筋が寒くなるような行動でした。でもチョット怖いぐらいが刺激があってむしろ楽しいものでした。



 ある日のこと名前も無いような小さな流れを釣っていました。そこそこの型がでる面白い沢です。ゴルジュの中に

ポイントが続き、あっという間に【魚止の滝】に着いてしまいました。滝ツボに相棒が竿をいれ尺上(30a超え)を釣

り上げたその途端でした。晴れていた空が一転俄かに掻き曇り、雷鳴が轟くと大粒の雨が落ちてきました。雨の勢い

は激しさを増し釣りを止めて沢を走り下る二人と競争するように、沢の水かさは増して行きました。とうとう沢の流れは

膝上までに達し、しかも濁流と化した流れは何処に足を着けば良いのかすら解らない状態でした。

 まさに危機一髪で難を逃れましたが、転倒していたら流されてい岩の角に頭を打ち付けられて、水死していたに違

いありません。こんな小沢でも朝日の渓はなめてはいけないのです。

 事故から自分を守る三か条は【知識・体力】と【経験】そして【沢に対する畏敬の念】だと肝に銘じています。



 昔から釣り師の間では『【魚止めの主(ぬし)】を釣ってはいけない、祟りがある』と言い伝えられています。まさしく

魚止めの主を釣り上げてしまったようです。それ以降この沢には入っていませんでしたが、今回は特別な思いを持っ

て訪ねてみました。ところが今回も沢から出たとたんに土砂降りになってしまいました。山の精がまたあの一件を忘

れていなかったのかもしれません。一番下の写真がこの【幻の沢】の写真です。

 今回訪れた沢  【大桧原川】【根子川】【幻の沢】

 根子川は最終の堰堤より下流を釣りました。魚はいるのですが活性が低く釣果はありませんでした。鼻先を流して

も興味を示す事はありませんでした。完敗です。少し雨が降ってくれれば勝負になったかもしれません。

  
身支度を整え出発、ここから4`ほど歩きました。            いよいよ入渓です。必死の形相で魚が怖がっています
                                     わが会の紅一点は腕前がビカイチ

 
 良いポイントも渇水で反応がありません


やっと食べごろサイズが来ました。


  
こんなブッシュの中を歩きます。                  ブッシュの中に突然目印の【ナタメ】が現れました。
背中に我が会の名称【やどろくのかい】が見えます           職猟師や山菜採りたちのルートということが解ります。


 
こんな水量では魚の警戒心が強く普通は釣りになりません。       大桧原源流にはこんな林道を歩きます。


 
林道にそって秋の花が満開です。 メタカラコウとミゾソバ          群生するツリフネソウとキツリフネ


   
メタカラコウが群生です。帰路はこんな花を楽しみながらの林道歩きです。         ミゾソバ


   
ゲンノショウコー                キンミズヒキ                ミソハギ


 
 幻の沢を釣る素人氏                           同じく幻の沢に立つ【山の女紙】
               
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