花に見とれて生死が紙一重・・・【高妻山】
登頂日 17.6.18 (日) 天 候 曇り 百名山登頂順 57番目 (再登頂)
標 高 2.353b 登山口 戸隠牧場〜弥勒尾根 同行者 単独
温 泉 なし
タイム | ||||
- | - | - | ||
場所・地点 | 着 | 発 | 着 | 発 |
戸隠牧場登山口 | : | 7:50 | : | : |
一不動 | 9:30 | 9:40 | : | : |
五地蔵 | 10:30 | 10:40 | : | : |
高妻山山頂 | 12:20 | 12:50 | : | : |
六弥勒 | 14:00 | 14:05 | - | - |
戸隠牧場登山口 | 15:55 | : | : | : |
所要時間 8:05 |
戸隠山を予定していたので、戸隠牧場を目指す。長野インターからはナビに頼って進むが、何と住宅街の細い道に誘導さ
れてしまう。それでも早朝なので予定通りに戸隠に到着。
思いでの蕎麦屋さんなどを横目に見て、戸隠牧場高妻山登山者駐車場へ。
着いてみると駐車場は数十台の車。これだけ車があれば戸隠山であれ高妻山であれ、先行者は沢山いるはずだ。
ここまで来て再び・・・どっちにするか迷う。がっ何となく厳しい戸隠に怖気づいて、先行者が多いと思われる高妻に変更した。
牧場から仰ぐ戸隠山の威容には圧倒されてしまう。誰か同行者がいてほしいが、ローンウルフにはとうてい無理な話だ。
牧場の中を通り抜けて登山口へ向かう。牧場は多くのキャンパーのテントが設営されていて、家族連れが朝食の準備中
だった。牧場も家畜の飼育ではなく、新しい業態に活路を見出したようだ。
登山口では弥勒尾根の案内表示があるが、私の山地図にはそんなコースは乗っていない。やはり地図だけは新しいのを
揃えないと事故に直結する。
沢沿いにはまだ分厚い雪渓が登山道をふさいでいて、割れた雪渓の隙間を潜って進む。
滑滝は前回滑って怪我をしているので、今回は慎重に登った。
ちらほらと花が目につく。まだまだ雪解けの時季で、サンカヨウがきれいだ。タツナミソウやシラネアオイも彩りを添える。
登山者を威圧する戸隠山の威容 登山道に残る雪渓
このあたりから一不動までは一気に高度を上げていく。そして最も難関の帯岩に到着。帯岩は鎖が付いているので心配は
無い。がっ、渡り終えて一段上に移動するのが結構厄介だ。むしろこっちに鎖が欲しいと思う。
一不動が近くなると一気に高度を上げる 鎖が着いた帯岩。超えた後が怖い
そこからさらに5分ほど急登を登ると、一不動避難小屋が目に入る。ザックを下ろして確り休憩する。
ここまでの間に戸隠を縦走してきた数人に話を聞いたが、ここから九頭竜山を越えて戸隠まで危ないところは無いらしい。
危ないのはその先だから、戸隠山で引き返すコースは安全との事。次の機会には安心して挑めそうだ。
お腹が空いてきたので朝食で残ったパンをお腹に入れる。足に再びエネルギーが充填された気がする。
一不動が祭られているのは分岐から高妻山側に5bほど藪の中になる。一応刈り払いがされていて、目に入るはず。
一不動避難小屋 小屋の右わきの木陰にひっそり。見落としそう
途中一株だけハクサンチドリが、そしてグンナイフウロも僅かに見える。それに反してシラネアオイは登山道を飾っている。
この日は山頂の近くまでシラネアオイが主役だった。
前回もそうだが・・・二釈迦が祭られている個所を見落としてしまう。急登を必死で頑張るから、わき目も振らず・・・見落とし
てしまうのだろうか。前回もだから祭られていないのかもしれないなあ。いつも見落としてしまって・・・縁が感じられない。
(家に戻ってネットで調べた。そしたら確り祭られていて、写真がアップされていた)
山頂が隠れた飯縄山(?) 二釈迦を見落として三文殊へ
四普賢と五地蔵は登り一辺倒だから、辛いもののそれはそれで耐えられる。がこの先は幾つものピークから下って登るを
繰り返す。容赦なく足にダメージを押し込んでくる。
五地蔵からは2時間を要すると有るので、五地蔵山山頂で腹ごしらえと休憩を確りとる。
先ほど追い越してきたパーティが『五地蔵から周回して帰る』と言っていたので、別ルートがあるのは確かだし、登山口に
は看板もあったからと思って探してみた。
ところが見つからない。どこにあるんだろうとは思ったが、六弥勒を通る時にはすっかり頭から抜けていた。
四普賢 五地蔵は地蔵山山頂、山頂標は別に立っている
早速、六弥勒までは一旦下って登る一度目のアップダウン。小さなアップダウンだ。本来、ここで別ルートを探すべきだった
のに、変なオジサンがいたので、かかわり合いたくないのでついついそのまま通り過ぎてしまった。
帰りに知るが・・・このオジサンが座っていたところから弥勒尾根のコースは下っていた。本当に変なジジイで・・・そんなとこ
に座ってんじゃないよ!
写真はジジイが写らないようなアングルなので、当然、弥勒尾根コース入り口も写っていない。しかし看板が木にぶら下が
っていたので下りの時には必ず目に入る。
六弥勒。弥勒尾根コースの表示に気が付かず 七薬師。帰路の登り返しが辛い
七薬師からはちょっとおおごとで、かなり下る。かえりが不安になる程だ。
しかしこのあたりには一段と花が増えてきた。ツバメオモトやイワナシなど他の山であまり見ない花も多く咲く。
何よりシラネアオイの群生がすごい。登山道を確り彩ってくれている。そして赤いコイワカガミと白いオーレンなどの彩も
また綺麗。花の百名山ではないが、それに匹敵する。いやそれ以上かも!
急峻な山であるためお花畑と言えるような広い場所がないのが、花の百名山に入らない理由なのだろうか。
種類・株数ともに十分な花の百名山である。そんな山は結構多い。
登山道を飾る花々 シラネアオイが群生
八観音辺りも花は多い。このあたりには雪渓も残っていて、帰路ではここで滑って岩から滑落してしまう。とっさに身を
反転させて受け身の態勢を取ったが、僅かに打ったようだ。
家に戻って痛みだし、くしゃみが出ても辛い痛みに3日間ほど苦しんだ。骨折は無かったようで、救われた。
遠くの雲間から黒い山が覗いているが、方向的に黒姫山なのだろうか。だとすれば標高が低いのにダイナミックな山で
ある。
八観音 黒姫山(?)
九勢至に到着するといよいよ最後の厳しい登りが始まる。1時間ほどの恐ろしい急登だ。
すれ違う人が口々に厳しいと言う・・・登り。あまりに皆さんに言われると怖気づきそう。でもこんなに厳しかったかなあ?
厳しくないと思っていたので、戸隠を止めてこっちにしたのに。戸隠にしとけばよかったのかも。
実際,十阿弥陀に着いた時には足を前に振りだすのも辛かった。
九勢至。ここから最後の厳しい登りが始まる。
それにしても本当につらかった。外国人ファミリーと一緒だったから、気がまぎれて最後まで歩みを止めずに歩けた。
子供たちに負けまいと・・・後でわかるが5年生の可愛い女の子に励まされて・・・頂上に立つ事が出来た。
この1時間の辛さはちょっとないかも・・・短いスパンで救われている。
山頂かと思う偽ピークは十阿弥陀
山頂は団体さんも下った後で、4・5人が食事していた。そこにアメリカンファミリーと私と松本の人が加わり、何歳
だとか、どこからきたとか、大いに盛り上がる。
最初に腰を上げたのはアメリカンファミリーだった。ずーっと後ろを歩いて、頼まれたわけでもないのに5年生の
お嬢ちゃんのサポート。実際は何も必要のないほど山に慣れていて・・・ただ身長がないので苦労しているに過
ぎない。
お父さんが良く連れ歩いているようだ。赤城に近いところに住んでいると話したら、先日登ったと喜んでいた。
大下りを終えて現れた雪渓のところで、何と私が転倒・滑落。恥ずかしくて痛い仕草はできないが、幸いにも
その時の痛みは僅かだった。
家に戻ってからは骨折かと思うほど痛みだしたが、それも五日ほどで痛みが引いた。
阿弥陀の先50bにある山頂。曇天で眺望は全くないが涼しくて良かった
すれ違ったご婦人に教えてもらっていた六弥勒からのコース。探すまでもなくすぐに判った。往路ではこの入口に
座り込んでいる変な輩のために見落としていた。松本の方もこのコースを登ったと言い、普通の登山道だったとの
事。痛い脇腹を抱えて沢沿いに帰るのは躊躇され、弥勒尾根を下ることにした。
確り看板もあり確り手入れもされていた。だが急登ではある。
コース周りは竹がブッシュになっていて、手入れが行き届かないと大変なコースになると思うが、しっかり刈り払わ
れて道幅も広くて気持ちよい。
ところどころで竹の根が滑る。大きな段差を降りようとしたとき、2・3度こけたが岩などがないので事なきを得た。
このコースにもツバメオモトが群生していて、高妻山の植生は少し違うようだ。
30分も下ると樹林帯になり、ますます歩きやすい登山道になる。途中1か所だけ長いロープが張られた箇所が
あるが、頼る必要がないほどだ。ただコース全体を通して急峻な下りであることは間違いない。
ここから牧場まで90分・・・という看板から50分で牧場の作業道路に降り立った。そこから駐車場までが、さらに
30分。
戸隠を縦走してきた人から先週尾瀬に行ってきたというので、色々尾瀬の情報などを聞きながら駐車場に戻り付く。
牧場に戻る前に沢で裸になって頭や上半身をざぶざぶ洗った。気持ちよかったなあ。
もちろん組み上げている個所より下流だ。
帰りに気が付いた弥勒尾根の下山道入り口 前回登った時には右手の弥勒尾根コースは無かった
私は牧場の息子なので、この長閑な風景は癒やされて・・・大好きだ。
キンポウゲが咲く草地に癒やされて 長閑に牛たちも草をはむ。私のルーツ
花の百名山ではない 高妻山で出会った花々
シラネアオイが登山道を飾る
タツナミソウ(?)多く咲いていた サンカヨウも盛り
グンナイフウロは少ない株数 コイワカガミは切れ間なく咲いていた
1株だけ発見したハクサンチドリ 普段あまり見かけないツバメオモトが至る所で咲く
ショウジョウバカマは山頂に近くなって ツツジはあまり判らないがムラサキヤシオ(? )
珍しいイワナシも株数が多かった
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