爆裂火口はガスの中・・・硫黄岳
登頂日 02. 8.17 天 候 曇り 登山口 本沢入口
同行者 単独 所要時間 9:00 (含入浴)
温 泉 本沢温泉《雲上の湯》 入浴料 タタ゛(実際は500円)
稲子湯 単純炭酸線 入浴料 400円
お盆の連休だから帰りは大渋滞だろうけど、それでもどこかに行きたくて先生に電話した。電話に出た
先生は足が痛くてムリだと言うので、やっぱり今回の山行も一人になってしまった。
簡単なところといえば“八ツ”である。昨年のリベンジで赤岳とも考えたが麦草峠をこえて行くファイトは
湧いてこないし、天狗は何度か行ったしな〜〜。前々から爆裂火口が見たいと思っていたので「調度い
いや、硫黄岳にしよう」
地図を見るとコースの途中に有名どころの本沢温泉や稲子湯が並ぶ。「よしよし」とこのコースに決めた。
これだと佐久から1時間で登山口まで行く事が出来、帰路の温泉も決まってしまった。というより風呂が決
まって山が決まった。
本沢入口を7時に出発した。もっと上のゲートまで車で入る事ができるがとにかく歩いてみたかったし、
“入らないでください”とお願いされているのに入るべきではない。入口からゲートまでが40分、ゲートか
ら本沢温泉までが1時間で予定どおり到着した。
ここからは本格的な登りになるので、たっぷり休憩を入れた。5分ほど登ると目的の“雲上の湯”が左
手の河原に見ることができる。帰りの楽しみに残しておいた。
つづら折れの登山道をマイペースで登っていく。夏沢峠の山彦荘まで1時間の登りである。「疲れたら
休もう」「半分まで登ったら休もう」と思っていたが、気がついたら山彦荘のベランダの脇に出てしまった。
時計を見ると間違いなく1時間が経過していた。全く疲れを感じないほど快調なペースでのぼることがで
きた。
途中、信州大学の学生が自転車を押しながら降りてくるのに出会った。夏沢峠を越えてくるとは驚きで
ある。峠といっても登山道の峠である。人がやっと歩けるだけだ。広いところでも幅は50aほどで、所々
ではガケがスパッと切れており滑落すれば命はない。聞けば実家に帰るのを利用した旅行だという。
山彦荘からはガスの中をひたすら登った。50bおきぐらいに設置されているケルンの一つがやっと見
える程度で、どれだけ登ったのか、あとどれだけ登るのかも全く確認できない苦しい登りだ。
時折振り返ると一瞬だけガスが吹き払われて、かなり下方に夏沢峠が見えた。とっさに気づいたがこ
こでも縞枯現象が出始めていた。
本沢温泉 爆裂火口 ガスに煙る山頂標 雲上の湯
「森林インストラクターの先生、現地で確認してみませんか。亜高山帯の森林生態系と植生に関する調
査に出かけてみませんか」
きっちり1時間で硫黄岳の頂上に着いた。早速先生に電話を入れると、先生は「エエーッ」と言ったっき
り黙ってしまった。“熊にでもくわれろ”という心の叫びがかすかに聞こえた・・・ような気がした。
爆裂火口は足下から2〜3bしか見ることができず、迫力も恐怖感も味わうことはできなかった。残念
だが今日はどっちかというと温泉がメインだから。
帰りは当然“雲上の湯”に浸かる。この頃にはガスもはれて、澄みきった大気に包まれながら、八ヶ岳
の稜線を見上げる。そんなロケーションの中、夏の日差し、湯温、そして乳白色、私の感性にぴったりと
マッチング。いやーまいったね。温泉バスターズ冥利に尽きる。足の裏に伝わる砂の感触も野天ならで
はの証し。2週連続登山の疲れも一気に吹き飛んだ。先生が野天にこだわるわけ、理解できました。
いっぺん入って見てちょうだいなんて言うもんか。だれも入らないでちょうだい。こんないい思いをさせ
てなるもんか。どうか皆さん一生知らずに過ごしましょう。損するわけじゃないんだから。
特に女性の方はやめましょう。混浴だし脱衣所などと気の利いたモノがあるわけじゃなく、厳しい条件
ですよ。また10月以降も寒くてムリかもしれない。
内湯にも入ろうと思って券を購入しようとすると、
「今、掃除中で入れないから上の野天に入ってくれ」
と言われてしまった。野天には既に入ってしまったので、慌ててお金を引っ込めた。結局タダで入ってし
まった。もともと自然の恵みじゃないか・・・なんて理屈を考えながら自分で納得。
急いで山を下り、車をとばして稲子湯に着いたのが既に5時。外来入浴は3時半で終わりと断られてし
まった。ここでこのまま引き下がっては先生におしかりを受けてしまう。懸命に頼み込んで何とか入れて
もらった。先生のお教えを守りましたよ〜。
泉質はよく分からないが(確認しなかった)たいしたことは無いと思う。温度の違う2本の源泉からお湯
が引かれていて、バルブで湯量を調整して好みの温度にできるしくみになっている。リストには雲上の湯
『◎』、稲子湯『〇』と記入した。
タカネマツムシソウ カワラナデシコ トリカブト トウヤクリンドウ
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