奈良の寺院巡り【長谷寺】
2019/10
室生寺を訪ねた日の午後、長谷寺に向かいました。
移動時間は数十分の範囲で、今回の旅では一番短い移動距離です。
長谷寺と言えば西国三十三霊場の八番。真言宗豊山派三千ケ寺の総本山です。
680年代に道明上人が天武天皇のために銅板法華説相図を初瀬山の西の丘に安置した事に始まり、その後聖武天皇の勅願によってご本尊の十一面観世音菩薩を東の丘にお祀りなった事に始まります。
道明上人と言えば西国三十三所観音霊場を開いた方ですから、長谷寺がその根本道場と呼ばれる所以です。
長谷寺は西国観音霊場の八番ですから、御本尊様は当然観音様で「十一面観世音菩薩」。
高さは10メートル余りで、3日間で彫り上げたと伝えられています。
残念ながら重要文化財で、国宝には指定されていません。
仁王門を入るとそこには登廊≪のぼりろう≫があって、いかにも名刹と言う雰囲気。
全体で339段の階段を登って行きます。
大晦日の夜には階段の両脇に提灯の明かりがともされる万燈会≪まんとうえ≫が行われ、それはそれは荘厳な雰囲気だそうですから、その時こそ見に行きたいものです。
登廊を登り切ると本堂が目の前に現れます。この本堂が国宝です。
反対側には小さな清水の舞台のようにしつらえてあります。
舞台は間口が9間で奥行きが5間。清水の舞台に行った記憶が残っていないので、比較できていません。
御影堂と五重塔の間にあるのが、そもそもの長谷寺と言われる「本長谷寺」。
ここに686年に道明上人によって銅板法華説相図がお祀りされ、開山の縁起とされています。
このことからこの堂宇を、本長谷寺と呼びます。ということはここが初瀬山の西の丘と言うことになります。
そして境内を散策しながら進むと、ここにも五重塔。
見るからに歴史を感じます・・・が、実際には昭和29年、戦後日本で初めて建立されたものです。
昭和の名塔・・・と呼ばれています。
雰囲気のある良いお寺さんですが、国道から細い山道に入って20分ほど走ります。
門前町の中の道は、狭くてすれ違いができないほどの道。
門前町の雰囲気も楽しみたかったのですが、そんな訳で車を停められませんでした。
確かに訪ねはしましたが、法華経や銅板法華説相図といった国宝も見る事が出来ませんでした。
お寺さんというよりは・・・何か花を見ながら散策する庭園のような、そんな風情を感じました。
境内の散策路の途中にお土産の販売所があり、観音様が入った数珠風のブレスレットを家族三人分買いました。
あまりに自然環境に溶け込む雰囲気が楽しめて、お寺さんを奉拝したという気がしません。
どこか手入れの行き届いた公園を散策したという感想が残っています。