holoholo3 友を訪ねて
2009/10/12~13
5・6年程前に荒島岳の登山口『カドハラスキー場』の駐車場で知り合って以来、同世代と言う事もあって彼が本州に山旅で訪れる度に会っていました。何度か遊びも共にしていました。性格は全く違うと思うのですが何か随分古くからの友のような気がして、彼の多くの友人の中の一人に加えていただいています。
私の性格はどちらかと言うと【内向的】で、社交性に富んだ彼とは大違いですし、遊びに関しても彼はダイビングやヨットで世界を駆け巡り、私は金槌で舟に乗るだけでも震える始末です。人生経験も豊富で子供の頃から自然の中で生きる逞しさを育む環境の中にあったようです。国のあり方や現在の社会情勢に対する彼の哲学はゆるぎないもので、日々の遊びや社会に呼びかける彼のブログには、毎日多くの方が訪問しています。ある種【宗教的】な崇拝に近いものも一部にあるかもしれません。私と共通する部分は【山】だけかもしれませんから、私と付き合っても彼にはほとんどプラスの部分は無いと思います。しかし彼は細かい事を気にしない性格で【来るものは拒まず】というおおらかな姿勢が、多くの人々を引き付けているのだと思います。
昨年倉庫を改造して生活の拠点として倉庫ハウスを作りました。彼は倉庫での遊びや生活をブログで発信していたのですが、この目で見てみたいと思い続けていました。想像ですが・・・既に頭の中では・・・ここに流し台があって、あそこに生簀があって、そっちにはドアがあって・・・とほとんど頭に入っていました。なぜなら彼はほとんど包み隠すことなくブログにアップしてしまうからです。それもやっぱり細かいことに拘らない彼の性格の一端を現しています。
徳島ICから小松島を抜け阿南まではほんの数十分でした。そして阿南に到着したのですがどうしても彼の家の近くにある中学校の名前が思い出せません。その名前は【阿南第一中】で、小松島を過ぎてバイパスから旧道に右折すべきだったのですが、そのまま進んだことが大きな間違いで結局駅前まで迎えに来てもらうハメになってしまいました。車にナビは付いているのですが全く使いこなしておらず、現状では小型テレビに映るただの地図に過ぎないのです。早速のチョンボで大変な手数をかけてしまいました。
到着すると・・・庭は想像通り広く・・・畑には野菜が隙間を惜しむように植えられ・・・倉庫ハウスは落ち着いた色ながら個性を主張していました。早速彼の説明が始まりますが、説明が無くてもほとんど頭に入っています。流石にウナギが何匹確保されているのかまでは分かりませんが、敷地・建物についてはクイズで出題されても合格点を取る自信があります。
一通り説明を受けました。随所に気配りがされた建物で、また彼でなくては手に入らない調度品などもあり全くそれだけで楽しめる造りです。特に自慢の外の調理台システムと生簀、ベランダは常に大勢の友を受け入れるための必須アイテムなのでしょう。ベランダで翌朝に朝食を食べましたが、川面を吹き渡る風が実に心地よく頬を撫でていきました。時にはカワセミが飛び交うそうですし、この日もカイツブリや鴨が目の前を優雅に泳いでいました。
自慢の畑も毎日の青虫摂りなど夢中になっている様子が頭に浮かんきました。多くの友とそれぞれに応じた遊びと・・・・・まさに楽しさ満開の生活を送っていました。とてつもなく贅沢な暮らしだと思いませんか。
夕食の準備までの間、阿南市を一望できる自慢の山に案内してもらいました。この西方山は青色発光ダイオード訴訟で全国に名を知らしめた【東亜化学】の私有地ですが、市民の憩いの場として開放しています。
東亜化学のお陰で阿南市は全国でも数少ない黒字の自治体なのです。多くの雇用を創出しているのはむろんのこと、社会貢献や地域に還元しようとする姿が目に見える企業と言えます。経○連の会長さんの会社のように自分の生き残りのために、派遣社員をバッサリやるような会社とは違ったようです。
僅か百数十メートルの山ですが見ごたえのある眺望が眼下に展開していました。標高の高低では無く、登る価値のある素晴らしい山に案内してもらいました。
西方山から戻ると彼は夕食の下準備にかかりました。10数匹のウナギは彼自らの手で小一時間で捌かれてしまいました。その手際の良さはプロ並みで・・・驚きです。生簀から取り出されたモクズガニも確り茹でられて準備は完了でしました。恥ずかしい話ですが私は始めて【モクズガニ】の意味を知ったような状態です。
予定ではスッポンも私のために調理してくれるはずでした。私にスッポンの首を落とさせてくれると言うのです。国によっては最高のおもてなしだと思うのですが、私には苦手のジャンルでしたのでお断りしていたのでした。そんな私を気遣って今回はスッポンは・・・ナシです。さらには今が旬の鮎を自分で干物にしたもの・・・など全て私が始めて口にしたものです。
ウナギは天然モノの証・・・皮が少し硬めで確りとした味、カニは濃厚な旨みがびっしりと詰まり・・・特に味噌は別格で、鮎は凝縮された味なのに癖が無く何本でも入ってしまいます。最高のおもてなしでした。
全てが自分で獲ったり作ったり・・・楽しみもあるのでしょうが、『もてなそう』『喜んでもらいたい』という気持ちが無ければ出来ません。私には気持ちが合っても・・・出来ませんが・・・。
実に何でも知っている彼ならでは・・・です。
あまり社交性の無い私への気遣いかも知れませんが、この日はいつもの宴会とは違って静かに話しをしました。もちろんあまりお酒が達者ではない私は、宴席にいても場を暗くしてしまうに違いありません。
久しぶりにゆっくり話が出来ました。それにしても奥さんにも厄介をかけてしまいましたが、どうしても一度倉庫ハウスを見たかったのです。これでブログを読んでもイメージができ、一緒に楽しめると思います。
翌日は明神山に案内してくれました。車で4・50分の場所で登りに30分ぐらいでしょうか。
登山口にアサギマダラが飛んでいました。写真を撮ったのですが下山途中にもアサギマダラの群生に出会い、何枚か写真を撮ることが出来ました。
彼は畑の青虫を目の敵にしていますから、蝶の話は禁句なのですが・・・アサギマダラだけは勘弁してください。彼の説によると日本で孵化している・・・そうです。
温暖化の影響でその説は正しいかもしれません。実際に今年はアサギマダラに7・8回遭遇しています。
明神山からは大海原が望めます。山頂で奥さんが作ってくれたお弁当を三人で食べました。
格別に美味しいお弁当でした。少し休んでから山頂付近を歩くと、とても信じられないような花々が咲いていました。
シャジン系の花がまさかこんな低山にあるとは思いもしませんでした。コウヤボウキなど私には珍しい花が何種類もありました。
下山時は夫婦でキノコ探しです。やるだろう・・・とは思っていましたが・・・本当に好きなのです。
残念ですが今回は収穫がありませんでした。
キノコと言えばこのご夫婦とは何度か逸話もあります。数年前に『オオイチョウタケ』をよく解らないまま食べてしまった時から・・・結果オーライでしたが・・・みるみる実力をつけました。
私は怖くて付いていけませんが・・・知らない間に私もキノコにはまり気味です。
私にキノコを勧めないで下さい。
急に押しかけて本当にご迷惑をかけましたが、私は思い出に残るほど確り楽しませていただきました。次に四国を訪れるのは何時の事か解りませんが、知らない土地で訪ねることができる先があること自体、想像をめぐらし思いを馳せる事ができます。
この小さい夢こそ私にとっては旅なのです。また楽しい夢を見ながら何年か過ごすことが出来ます。