他人事ではありません。何時でも我が身に降りかかる可能性はあるのです。
先日、山友のホロホロが野伏が岳という登山道のない山に登った話はしました。
登山道が無いと言うことは、当然標識などは設置されてはおらず、如何に正確に自分のいる位置を把握できるかが重要になる訳です。
地図を読める・・・と言うのはそう言う事なんですが、なかなか。
20年ほど山をやっていて・・・沢の経験からまで加えて言えば40年ほどの私。百名山も終えて・・・全国の魚止め滝もいくつか突き詰めた私。
ですが・・・下る際の道迷いだけは極限の恐怖を味わったことがあります。
ホロホロと同時に登山した方が、未だに発見されていないと娘さんからホロホロの掲示板に書き込みがありました。
ホロホロは掲示板にたどり着くまでに1週間10日はかかるのが常。ブログでその日に会うと書いてあったヨット仲間と酒を飲んでいる時間でしたが・・・お節介にも電話してしまいました。
彼はこれから島に渡って鳥の写真を写す予定なのに・・・家族の方からお願いされれば断り切れずに予定を変更してしまう可能性もあり・・・迷いました。
ホロホロには知らせずに島に渡ってもらった方が良いのかも・・・と。
お人よしですから・・・メールして揚げたようです。
話は聞いていませんが・・・半月にもなるので生存は期待できないかもしれません。
ホロホロの話では山慣れしている方のようです。無論無雪季の野伏が岳に挑むほどの方ですから自信はあったのでしょう。
でも先ほども言いましたけど下りの怖さを理解するのは、経験していないと無理です。
沢では2回ミニ道迷いをしてますが、いずれも鉄人と一緒だったので落ち着いて行動で来て生還しました。
山では吹雪にやられた月山でホワイトアウトで道を見失いました。どうしても下ってしまいます。
そこでいかにルートファインディングができるか・・・経験しかありません。
遭難された方は残念な事に怖い経験をしていなかったのではないでしょうか。そうするとちょっと無理をしちゃいます。その気持ちが痛い程理解できます。私がそうですから・・・。
私は幸いにも(?)・・・仲間と一緒に何度も経験していますから、結果的には良かったです。
300名山の山に挑むほどの方ですから、実力は推して知るべしでどんな状況でも歩ききれる体力・気力を兼ね備えていたはずです。
死に物狂いで生還してくるはずですから・・・それ以外のアクシデントがあったとしか考えられません。
いきなりがけっぷちに居て、気が付いたときには滑落していた・・・とか、骨折してしまったとか。
崖っぷちを歩いている時に、木の枝に頭を打って脳震盪を起こして滑落した人を見ていますが・・・こんな事かもしれません。
骨折等だったら生存している可能性があります。それでも2週間でしょうか。こんな時ホイッスルを持っていると、遠くまで生存を知らせる事ができます。知っておいてください。
ちなみに私の場合は眺望が無い時は、縦走は絶対しません。精々ピストンで往復するだけにしています。
何故なら・・・下りに入って方向が解らなかったら、人間はどうしても下に下にルートを取りますから、気が付いたら数百メートルも正しいコースから外れてしまうこともあります。
そして下れば必ず沢に当ります。沢は谷の中を歩いている分には、急激に増水しない限り安全ですが・・・。
しかし崖っ渕をあるけば足を踏み外して滑落の可能性がありますし、沢には必ず滝があってこの滝を下るのが絶対にやってはいけない行為です。
大概の場合、滝で転落してお陀仏になります。
だからガスが巻いたような日は、残念ですけど諦めて戻る事にしてるんです。
強い信念の持ち主のように見えますが、そんなことは無くて単に怖い事を知っているからなんです。
山で苦労しても何にも自慢になりません。山は危険な思いをするためじゃなくて、楽しむために行くのですから・・・。
何とか無事に生還されることをお祈りします。
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