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在宅介護の実態

雑感

今日、在宅介護にまつわる二つのことが、ニュースになってました。

いずれも私の感想では【可哀そうな】と思える内容。

一つは認知症の母親の命を奪った息子の裁判。

検察は懲役8年の求刑をしましたが、裁判では4年の判決。

非常に難しい問題で、例えば執行猶予付きの判決などだったら、介護で苦労している人が安易に命を奪うことが増加するかもしれず・・・。

そうした風潮に警鐘を鳴らすために、あえて重い求刑と判決なのでしょうけど・・・。

どうして8年が4年に減刑されたかと言うと、愛情から殺した可能性も否定できないから・・・だそうです。

この裁判官も少し変な考え方だなあと、私は納得できないし検察も介護の苦労を知らない人ばかりだろうと・・・。

あるいは優先的に施設に入所させることが出来る権力側にいて、介護の苦労とは無縁なのか?と疑います。

介護をするために会社を辞め、収入は母親の年金だけという・・・言わば極貧生活だったのでしょう。

裁判長が懲役4年の判決を出した理由は、一つは介護疲れが理由ではなく経済的な苦労から逃げたいと言う自己の問題からの殺害。

もう一つが認知症の母親が、殺してくれと言ったとは到底考えられない・・・でした。

どう思いますか?

働かずに介護すれば経済的に困窮して当たり前・・・本来、国がやるべき責任を在宅介護と言う名目で家族に押し付けているだけでしょう。

認知症の母親が言ったとは考えられないという話も・・・認知症の程度の問題でしょう。

私の母も認知症でしたが、一瞬息子の顔を解って話すこともありました。

この裁判官は20年も介護をしていれば、それぐらいの意識を持っていた時期もあったとは考えられないのでしょうか?

確かに安易に介護を放棄する流れを阻止したいことは理解できます。

しかし、刑罰で抑止するのではなく、こんなに苦労しなくても介護生活を送れる環境構築に向けて判決を出すべきでした。

さらには、本来はこの裁かれた息子の健康で文化的な生活を営む権利は、憲法で保障されているのです。

苦しい経済状態の中、介護に明け暮れる日々・・・どこが健康で文化的なのかと検察と裁判長に聞いてみたい。

こんな殺人を犯さなくてもいいように、国がサポートするなり施設であまねく介護を受けられる環境を構築すべきだったのです。

我が家は重病の妻と私とで、20年超妻の母親の介護をしました。

二人で・・・施設の力も借りて・・・それでも辛い20数年でした。

のにこの男性は一人で頑張ったのですよ。

根気も力も尽きた状況が手に取るようにわかります。

この件は絶対に男性の罪ではありません。

罪があるとすれば、政治と行政が負うべきです。

司法は政治と行政を裁くべきだったのです。

もう一つは難病の娘の酸素マスクを外して殺害し、自分も後を追って死のうとしたが死ねなかった母親の罪。

これも小さい子供が「うちで暮らしたい。うちで死にたい」なんて意識があろうはずもなく、なんで医療は介入せずに在宅で母親任せだったのか。

おそらく行政に何度も相談したことでしょう。しかし行政は手をこまねいているだけで、遅々として進展しない状況が目に浮かびます。

こんな母親の苦労に寄り添えない国で、子供を産む母親が増えるとは思えない。

経済的な理由ばかりを議論するけど、何かあったら国が一緒にいてくれると言う安心感が日本にはないから。

少子化の原因はこんなことが大きいと思うのです。

安心して産み子育てが楽しいと思える国にならないと・・・。

こんな不幸な母子をつくらない国にならないと・・・。

 

 

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