美里 花散歩 【埼玉・美里】
2009/03/29
あまりにも素晴らしい陽気に我慢できず、さりとて遠出もしたくなかったので地元をブラブラしてみることにしました。
何か発見があれば・・・と期待もありましたが、この時期少なくても花だけはふんだんに見ることが出来そうです。
前にも何度か見たことがあるのですが猪俣地区のポピーはどうなのでしょうか。行って見るとまだまた満開には程遠い状態ですが、見られる程度には咲いていました。一時ほどの作付け面積が無く少し寂しい感じがします。かつては入場料を徴して見せていたほどですから、面影は感じられません。
高台院という寺に向かって少し登っていきました。ここから見下ろすとレンギョウが絨毯のようで、そのはるか向こうには赤城山が聳えています。のどかな世界が広がっていました。
三里町猪俣地区には重要無形民俗文化財に指定されている行事があります。武蔵七党に数えられる猪俣党の棟梁猪俣小平六範綱に率いられた武士団は、源氏の中でも勇猛果敢な集団として名を馳せていました。堂前山から派生する尾根には、小平六を始めとする猪俣党の御霊を慰めるために百八つの塚が設けられています。そして旧暦お盆には子供達が慰霊のためにこの塚に灯りを灯す、荘厳な催しが行われるのです。知ってはいましたが今まで一度も見たことがありませんでした。今年こそは灯りが尾根沿いに競り上っていく様を是可否でも見たいと思っています。
行く当てもなく三里町の広木地区から円良田方面に県道349号を走っていきました。花が見えると農道でも何処でも入り込みます。つい先日那須で車を道路から落としてしまったのですが、そんな事は既に忘れてしまっています。
峠を越え円良田が近くなると〝あんずの里〟というところになります。ここには特産センターが設けられていて地元の生産物を求める事が出来ます。ただ時間が遅かったせいか、品数は多くありませんでした。
誰かが写した写真が飾られており、良く見ると近くにカタクリの咲く場所があるようです。これは新発見でした。地元にカタクリの咲く場所があるなんて驚きです。そこは陣見山に連なる山の斜面の一角なのだそうです。
センターから数十メートル広木側に戻り、看板に導かれて左折して林道を進みました。車は一分ほどで行き止まりとなり、車を捨ててさらにハイキングコースを数分進みました。そしてハイキングコースに沿ってカタクリの咲き誇る斜面に出くわします。そこそこ見ごたえがあります。規模はそれ程ではありませんが、これだけの自然が残っている事にビックリしました。こんな身近に・・・。
周回コースを歩いてきた方に聞くとこれより広く群生している場所がさらに2箇所あったそうです。
高木が枝葉を広げる前の春のひと時を競うように咲き種を残そうとするカタクリやシュンランなどの植物群をスプリングエフェメラルと呼ぶそうです。エフェメラルとは蜻蛉(かげろう)、すなわちはかないものの総称のようです。こんなはかないものの存在を脅かす、低木の常緑樹がかなり蔓延っていました。手入れの悪い森などに良く見られるらしいアオキです。どうすればカタクリを残していけるのか私には解りませんが、何とか身近な自然が何時までも楽しめる状態であってほしいものです。