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88. 荒島岳

3日で3座のいそぎ働き(3)・・・荒島岳

メ モ
登頂日 05/06/04
天 候 雨のち曇り
百名山登頂順 48番目
標 高 1,523㍍
登山口 カドハラスキー場
同行者 単独
温 泉 美山森林温泉 みらくる亭
na・ca硫酸塩泉
500円

タイム
場所・地点 往路 (着) 往路 (発) 復路 (着) 復路 (発)
カドハラ駐車場 : 4:30 10:40 :
リフト最終小屋 5:20 5:25 10:10 10:15
シャクナゲ平 7:00 7:05 9:05 9:10
山頂 8:00 : : 8:08
所要時間
6:10
歩行時間 登り
3:20
下り
2:22

平田影郎

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 朝目覚めると頭がものすごく痛い。食事を取ろうとしたがどうも胃が受け付けそうに無い。仕方が無いのでこのまま食べずに出発することにした。夕べも食べていないのにどうしたことだろう。3日連チャンで疲れがピークなのだろうか。

 それにしても夕べは珍しく飲みすぎた。私が駐車場について食事をしようとすると1台のバスが駐車場に入ってきた。“やだなー、団体かよ”と思って見ていたが、下りてきたのは一人の口ひげのオジサンだった。そして私に馴れ馴れしく『明日登るの?』『そうだ』と答えると『じゃ私もここに泊まろう』

 よくよく話を聞くとこの大きなバスがこの人のキャンピングカーだと言う。乗っているのは夫婦二人であった。私が『車を止めたら一緒に飲まないか』と言うと気さくに応じてきた。飲みながら二人は本当に色々な話をした。人生経験・旅経験が豊富な彼の体験談や人生哲学に、私はあっという間に引き込まれてしまった。徳島からやってきた溝田氏は3月に出発してから、

旅はもう3ヶ月だという。三百名山をやっているという。

 40歳の時にリタイヤしているので時間はいくらでもある。自由に気ままに放浪しているうらやましい生活だ。フィリピンでの生活やコモドドラゴンに追いかけられた話などを面白おかしく話してくれて、一気にずっと昔からの友のような存在になってしまった。結局3時間ほど飲んだあとにメールアドレスを交換し住所を教えあった。私のほうが年下と知ってがっかりしていたが、私はそんなに老けて見えるのかな。だとしたら私のほうががっかりだ。

 明日の朝早いからと分かれたのに、その後隣に車を止めた上越市の武江さんにコーヒーを勧めたら、また話しに花が咲き遅くまで話し込んでしまった。群馬の渡辺さんなども集まってきて、別当出合での一人の夜が嘘のような楽しい夜になった。

寝たのは11時。

 それにしても調子が出ない。きつい。スキー場のこの登りはやけにきつい。1時間もかかって最終のリフト小屋にやっと着いた。先が思いやられるが今日で山から解放されると思うとブナ林に入っていく元気も湧いてくる。雨が降り、霧が巻き、森の中は限りなく視界ゼロだ。熊が出てきても目の前に来るまで気づかないかもしれない。このブナ林の中の登りもきつい。

あえぎあえぎやっとシャクナゲ平に着いた。もう止めたいな~~、あと一時間の登りが耐えられそうにないが・・・義務感だけで足を運ぶ。

 “あそここそ山頂”と思うとガスの中から更にピークが現れて、あの嵐の中の甲斐駒の時のように・・・ いくつものニセピークに騙されながら懸命に足を運んだ。身体は相当にきつかったが、這い蹲るようにして何とか山頂にたどり着いた。やっぱり雨の山頂には誰も居らず・・・強風に体温を奪われ我慢できずに下山することにした。写真は腕をいっぱいに伸ばして標柱と顔を何とか一枚の中に押し込んだ。

 下りにかかると『ゆっくり出発する』と言っていた武江さんが登ってきた。挨拶を交わすついでに休憩となり、アレコレ話題が発展して行った。筍を採りたくなったと言っているのを聞くと私も嫌いではないから、ついつい採りながらの下山となった。

疲れがピークだろうが二日酔いだろうがこうなってはもう止められない。

 シャクナゲ平でようやく少し食べ物を押し込むことが出来た。しかしこれが結果として良くなかったのかもしれない。胃は全く働いている様子がなかった。

 少し下ると溝田さんが登って来た。お互いに懐かしい友にあったような笑顔になっていた。この後の天候次第では一気に北上すると言う。またきっとどこかで会うことが出来ることだろう。再会を誓い別れの言葉を交わして別れた。

【ガスと雨の一等三角点、山頂】
【ご覧の通りのガスと強風】
【白山方向の案内板・何も見えず】

 スキー場の下りは疲れきった体・膝に一層のダメージを容赦なく加えて、おまけに靴擦れまでが私を苦しめる。もう限界であった。駐車場についた途端、のたうち回るほどの胃痛に襲そわれてしまった。きっと先ほど食べ物を無理に押し込んだのがいけなかったのだ。下山すると妻に連絡するのが常だがその電話すらできない。しばらく額に脂汗を浮かべてジッとしていた。

 福井に向けて車を走らせながらどこかで休みたいと思っていると温泉の看板が目に付いた。美山森林温泉みらくる亭は手入れの行き届いた檜の美林の中を、渡り廊下風に進むと風呂がある。風情のある掛流しの素晴らしい温泉であった。飛びこみにしてはいい風呂に当たって得をした気分である。

 ここで温かい蕎麦を煮てもらって恐る恐る口に入れた。心配しながら飲み込んだが予想外に強い痛みはこなかった。

このまま休憩室で2時間ほど眠った。目が覚めると胃は痛みから解放されていて、本庄まで運転できそうな自信が身体に漲っていた。

【ヒトリシズカ?】
【ツクバネソウ】
【素晴らしい色、コイワカガミ】
【この色は珍しい、ショウジョウバカマ】
【雫が輝いて、また美しい】
【カタクリ】

 もう無理の利かない歳になっていることを自覚しなくてはならない。危険なことも自重しなければならない歳なのに・・・。

でも無理をせずに多少の危険も冒さない山行なんて時間も財力も無い私には出来そうに無い。当分こんなことが続くに違いない。

 それにしても気力も身体もヘロヘロで、もうこんなのは・・・いやだ、いやだ。楽しくなければ長く続くはずが無い。3日で三座なんて・・・反省。

【勝山城】
【方向が分からなくなった大野城】
【下山時に採った山の幸で】
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