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95. 九重山

憧れの法華院温泉・・・久住山・大船山

メ モ
登頂日 13/04/26(金)〜27(土)
天 候 晴れ
百名山登頂順 85番目
標 高 1,791㍍・1,786㍍
登山口 牧の戸
同行者 単独
温 泉 法華院温泉山荘泊
(立ち寄り入浴の場合は500円)

タイム
場所・地点 備考
牧の戸登山口P : 7:20 前夜、車中泊
扇ケ鼻分岐 8:30 8:30
岩井川岳 8:45 8:47
扇ケ鼻分岐 8:55 8:57
久住山 9:45 9:55
久住分かれ 10:10 10:10
法華院温泉山荘 11:20 11:40
北大船分岐 13:15 13:15
大船山 13:35 13:50
法華院温泉山荘(泊) 15:20 5:15
久住分かれ 6:35 6:35
牧の戸登山口 7:40 :
所要時間 一日目
8:00
二日目
2:25

平田影郎

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 一晩中強風が吹きつける中で、じっと耐えていた。少しウトウトするのだが、寒さと体の置き場のない車中では中々眠つけない。とうとう後部座席から運転席に移動してエアコンを回すと・・・空が白むまでに2・3時間は眠ったようだ。目が覚めると私1台だけだった駐車場も、10台ほどの車が停まっていて既に出発した登山者もいるようだ。

 風は昨晩ほどではないにしても、まだまだ治まりきってはいない。さあ・・・今年初めての登山・・・そして九州デビューの登山が始まる。

やまなみハイウェイ、牧の戸駐車場
牧の戸のビジターセンターと沓掛山(?)

 久住山までは2時間ほどだが、今日の目的は他にもあって・・・一つは花の百名山の大船山に登る事、もう一つが法華院温泉に泊まる事。そのためには8時間ほどの歩きとなり、今年初めての山行としてはかなりきつい。

 登山口からひたすら登って行き、駐車場を見下ろす。やまなみハイウエイの向こうには200名山の【涌蓋山】が聳えている。久住の眺望で人気が高い。今回はアタックしないが、花の百名山を巡る時でも必ず登頂したい。

登山口
牧の戸駐車場と二百名山の涌蓋山

 30分弱で沓掛山のピークを過ぎると、緩やかな登りとなって像ケ鼻分岐へと続く。今年の寒さは普通ではなく、登山道はびっしりと霜柱に覆われている。沓掛山のピークは看板も無く、知らないうちに通り過ぎた感じだ。梯子が架けられていて、混雑時は登りと下りに分けられて一方通行になるようだ。ミヤマキリシマの時期はものすごい事になりそうな気配がある。

沓掛山の梯子場
まだまだ霜が降りる陽気

 扇ケ鼻分岐までは1時間も要しておらず、脚力にもまだまだ余裕があったので扇ケ鼻に向かう。するとその向こうにピークが現れたので、それにも登る。岩井川岳だ。扇ケ鼻は久住の眺望が良くわさわざ寄った甲斐があった。がピークはどこなのかハッキリしなかった。

扇ケ鼻分岐
扇ケ鼻とその先に岩井川岳

 西千里浜を進む。左手には星生山(ほっしょうさん)を見るが、ちょっと厳しそうで脚力温存のためアタックは中止。小さな岩山を乗り越すと【久住分れ避難小屋】が見えてくる。先が長いのでここでトイレを使わせてもらう。先行者も多くの方が休んでいた。

 途中寄り道をした影響で、休憩を終えて出発する時には2時間になろうとしていた。直ぐに久住分れの標識。ここにザックを置き、水だけを持って山頂を目指す。振り返ると避難小屋を見下ろす事が出来る。稜線は風が収まっていなかった。

久住分れ避難小屋
久住山への登り、避難小屋を見下ろす

 山頂標が見えて来た。相変わらず風は強く吹き付けている。山頂へはゴーロ帯が続き、歩きにくいアプローチだ。既に何人かが山頂で食事を摂っていた。そのうちの何人かは私と同じように九州百名山を一気にやろうとする人で、同年代の男性は宮之浦岳から北上してきた人だった。宮之浦の情報をもらう。

久住山山頂が見えてくる
久住山頂

 山頂には10分程居ただけで、久住分れに戻る。現在中岳をトラバースして直接法華院に向かう道は通行止めで、久住分れから北千里浜を経由するしか方法は無かった。法華院は宿泊客のコースを登山口から電話で報告させる。その際にスタッフから情報を得ていた。登山口でコースと登山開始時刻を報告させるのは、感心させられた。万が一の場合などに、素早い対応をしてもらえるだろう。

北千里浜と三俣山
久住分れの標

 北千里浜を進む。正面に三俣山が聳えている。左手には未だに噴煙を上げている硫黄岳が聳える。九重連山も何時登山中止になっても不思議はない気がする。

 坊ガツルにテントを張っているという夫婦に会ったので、【すがもり越】のルートを下山できないか聞いてみた。この辺りに非常に詳しい方で『林道から登山道に入る地点を見落とす可能性が高く、やめた方が良い』とアドバイスをいただき・・・中止。やっぱり久住分れに戻って牧ノ戸へのコースで帰るこ事にした。

 法華院に向かう途中、ゴリラが岩の上に座っていてビックリ。ゴーロ帯を下り始めると僅かで、法華院温泉山荘が見えてくる。久住分れから1時間ほどで到着する。チェック・インは14時からと言う事で、荷物を預けて先に大船山を往復する事にした。とりあえず休憩室で昼食を摂る。

現在も噴気孔が活動する硫黄山と北千里浜
岩の上にゴリラが
法華院温泉が見えてくる

 正午少し前に山荘を出発して坊ガツルキャンプ場へ向かう。かつて歌に歌われた、あの【坊ガツル賛歌】の坊ガツルだ。無料のキャンプ場でこの日も夕方までには10張り以上のテントが花咲いていた。確りしたトイレもあり、雨の場合などは近くに登山者用の休憩小屋もある。覗くと【宿泊禁止】の貼り紙があった。とはいえ最盛期で法華院が混雑すると、泊まりに利用する人も出るのでは。またこの地点は【玖珠川】の源流碑も建っていた。

ミヤマリンドウ
坊ガツルから久住中岳方向を望む
玖珠川の源流の碑

 花の百名山大船山だが・・・流石にこの時期では咲いている花は少ない。坊ガツルから北大船山への分岐までの登りは、やけに辛く感じる。1時間ちょっとだから何とかクリア出来たが、あと少し長ければダウンしていたかもしれない。登りの途中で振り返ると法華院が小さく見えている。

坊ガツルから大船山を遠望する
大船山分岐から法華院温泉を遠望する。後方は久住
北大船分岐(段原)に到着

 大船山は馬酔木(アセヒ゛)の山のようだ。このあたりだとミヤマキリシマと思いがちだが、アセビに間違いないと思った。登山道はアセビのトンネルになっている。山頂で山座同定を楽しみ、下山にかかった。

花の百名山大船山は【アセビ(馬酔木)】の山
大船山に到着

 下山は思いのほか短時間だった。早速チェックインすると一番端の個室を割り当てられた。夕べはほとんど眠れていないので、個室はありがたい。思いっきり爆睡した。お風呂は多分単純泉だと思うが湯ざめが早く、風呂から出てからの寒さが身に染みた。食堂のストーブに張り付いていた。食事は年寄りが疲れて到着したとしても、比較的食べやすいメニューになっていて大助かり。美味しくペロリッと平らげた。ケチャップで煮込んだハンバーグ、湯引きして油を落とした豚肉をゴマドレで、そしてタラの芽の天ぷらなど諄そうなのにあっさりしていた。

 翌朝は早立ちで朝食を弁当にしてもらった。これを下山してから牧ノ戸駐車場で食べたが、冷たいのは仕方のに美味しく食べられた。良心的な小屋だと感じた。ビールも下界とほとんど変わらない価格で販売していた。最もボッカなどを使わず、車で運びあげられる強みがあるからだろう。ここまで車で入ってこられる。もちろん一般車両はムリ。

ヘロヘロで法華院に戻り付く
疲れていても食べやすいように・・・と工夫されている法華院の夕食

 法華院の本館玄関。左手がクロークで正面が売店、右手が食堂になっている。法華院に伝わる巻物のコピーが掲示されている。結局寒くて風呂は一回しか入らなかった。ちょっと体調も変で、ずっーと頭痛がしていた。食事を終えて部屋に戻ると、廊下にストーブが焚かれていた。これでずいぶん救われた。何となく部屋まで温まったように感じて、ゆっくり・・・じっくり眠りに着く。

 法華院温泉は良心的な宿だが、ただ一つクレームが・・・。早く寝たいのに頼んでおいた弁当が届かず、眠られずに参った参った。8時半になってとうとう我慢できず自分で取りに行くと、すっかり忘れられていた。ちょっとムッとする。

法華院温泉山荘の玄関
インパクトの薄い泉質
法華院温泉の名前の謂れにつながる巻物

 夜のうちに準備は済んでいたので、明るくなるのを待って法華院を出発。久住分れまでの登りが辛いと想像していたが、まだまだ休養十分の足には何の問題もなくあっという間にクリアしていた。

 牧ノ戸には8時前に到着する。弁当を食べて・・・8時だったので、今日のターゲットを祖母山にする。神原(こうばる)に9時半には到着したい。焦る気持ちを抑えて竹田を目指した。

北千里浜から朝焼けの硫黄山
久住分れへの急登
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