先陣を押し付けられて・・・雌阿寒岳
- 16日新潟乗船
- 17日苫小牧着、道の駅むかわ泊
- 18日美瑛・富良野 道の駅蔵泊
- 19日大雪山登山 望岳台泊
- 20日十勝岳登山 道の駅 占冠泊
- 21日弟子屈に友人を訪ねる 雌阿寒温泉公共P泊
- 22日雌阿寒岳登山、平取に移動 豊糠山荘付近泊
- 23日幌尻山荘泊
- 〜24日幌尻岳登山 道の駅むかわ泊
- 25日支笏湖・倶知安 半月湖キャンプ場泊
- 26日羊蹄山登山 道の駅ニセコ泊
- 27日移動 道の駅 鹿追泊
- 28日トムラウシ山登山 道の駅樹海ロード日高泊
- 29日苫小牧乗船
平田影郎
いつもご覧いただきありがとうございます。
連日の強行軍登山で十勝岳から下山してみると、ホロホロと待ち合わせしている22日まで二日間の余裕がポッカリと出来てしまった。
さて、どこに行って何をしたものか・・・旅慣れていない私にとっては突然の余白が精神的に重い。とりあえずはどの方向にも行ける占冠(しむかっぷ)に戻って、道の駅で車中泊のスペースを確保した。
隣は北九州から夫婦で来ていたバンコンのキャンピングカー。結局夕方から大酒を飲んでしまった。ご夫婦が買ってきた日本酒を確りいただいて、八時ごろには千鳥足でトイレに行く始末。
思い起こせばこんな事ばかりをしていて、北海道に来てから満足に食事が摂れていない。
翌朝目覚めても・・・さて何をしたものか決められず・・・フッと弟子屈の友が思い浮かんだ。遊びに行ってみよう・・・と決めた。
高速道路を利用するには占冠は都合の良い場所だ。足寄まで100キロほどを移動し、そこから一般道を90キロほど弟子屈までの大移動。後日、無理し過ぎをホロホロに窘められる。
弟子屈はさすがに遠くて、昼には着けると思っていたのに着いてみると13時半。この間ほとんど休憩は無しで走りに走り通しだった。とりあえず道の駅で蕎麦を食べて友人宅に向かった。日曜だったお陰で在宅し、見事会うことができた。
来る途中で見た【熊が出た】の注意書きがどうにも気になって、せっかくの阿寒岳登頂が躊躇された。しかし友は『大丈夫』と言ってくれて、結局登ってから帰る事にした。大丈夫・・・にどんな根拠があったのかは確認していない。
Aコープで夕食のおかずやビールを調達して、雌阿寒温泉の公共駐車場に向かった。数十台停められる大きな駐車場に、10台ほどが夜を明かした。
就寝前にオンネトー温泉景福の湯に浸かる。この風呂も実にすばらしい泉質で名湯と言ってよい。露天の風情も良かった。この時に知り合った地元の方・・・とてもいろんな事に詳しくて、話しているうちに『雌阿寒岳側にはヒグマはおらず、出ているのは雄阿寒岳』と。地元の方からの何よりの情報で、幾分安心できた。
下の写真は前日、弟子屈に向かう途中で見た雌阿寒岳と阿寒富士だが、山頂は雲に覆われていて翌日の天候は不安この上ないものだった。それでも友が『明日は晴れる。大丈夫』と言ってくれた言葉を信じて早朝に登る事とした。そして昼過ぎにはホロホロと合流しなければならない。スタートは4時ごろと決めた。
登山口を確認しに行くと、小川を流れる水は温泉だった。こんなにお湯を捨てているのだからまったく勿体ない話だ。
前夜、駐車場で話したご夫婦も一緒にスタートする約束だったが、準備を終えているのになぜかスタートしない。
待っていたがとうとうエンドが決まっている私が先にスターする羽目になった。
夜は明けているものの辺りはまだ薄暗く、ましてや登山口からの樹林帯は真っ暗闇の中。
熊が目の前にいたとしても気が付かないほど暗い。
夕べ地元の人から『雌阿寒にヒグマは居ない』と聞いていたので、その言葉を信じて登って行った。
小一時間も登ると、4合目を過ぎるあたりから樹林帯は終わる。遠くまでの視野が確保できて、精神的にはかなり楽になった気がする。
トップを引かされた樹林帯歩きから開放されながら思うに・・・みんな要領が良くて感心する。結局は生真面目なヤツかせっかちに動き回るヤツが貧乏くじを引かされるのだ。
6合目からは朝日もさして、山頂まで確り捉える事ができるようになった。眼下には雲海が展開し僅かに雄阿寒岳などが頭を突き出していた。
1合目ごとに設置された標柱が何とも思いやりを感じる。九合目以降は稜線で、標高はほぼ山頂と同じになった。
この稜線歩きがまた素晴らしいロケーションが展開する。お釜の中からは未だに噴煙が上がる活火山。
ガスが出ているので阿寒富士への稜線歩きは薦めていないようだ。
お釜を覗くと実際に赤い色をした【赤沼】、青い色をした【青沼】を見下ろすことができる。ガスっていたらこの二つの沼も見ることはできなかったから、この日に登ったことを悔やむところだった。
山頂に到着するころには雌阿寒岳付近のガスも雲もほとんど吹き飛ばされていて、素晴らしい眺望となる。流石に遠くの山峰までの眺望は得られなかったが、阿寒富士や雄阿寒岳、そしてオンネトーなども確り捉えることが出来て喜び勇んで下山にかかる。
この時間になると、ヒグマが怖い人も怖くない人も続々と登って来る。これだけ登山者が登ってくれば帰路に遭遇するリスクは低いはずで、確信を持って下ることができた。
下山後は野中温泉に直行するも時間が早すぎて断られる。仕方なしに風呂には入らず、ホロホロと待ち合わせた幌尻岳登山口の平取に向かう。
高速道を利用して12時に日高に到着した。平取では買い物ができないので、日高のコンビニで買い物。
平取で待つホロホロと13時に無事に合流できた。それにしてもちょっと強行軍で・・・反省。
花の百名山 雌阿寒岳
花の百名山としては種類も株数も全く物足りなかった。雌阿寒岳が花の百名山に選定される所以は【シャクナゲ】かと思った。
シャクナゲの株は確かに確認できた。しかし他の花は花百とするには物足りない感じだ。
高度を上げていくと雌阿寒岳の固有種、メアカンフスマを見る事が出来て意義のある登山になった。