ずぶ濡れも何故か感動・・・大峰山(八経ケ岳)
登頂日 | 06/05/13 |
天 候 | 雨 |
百名山登頂順 | 59番目 |
標 高 | 1,915㍍ |
登山口 | 行者環トンネル西口 |
同行者 | 単独 |
温 泉 | 湯盛温泉 ホテル杉の湯 Na・Ca・塩化物 700円 |
場所・地点 | 往路 (着) | 往路 (発) | 復路 (着) | 復路 (発) |
トンネル西口 | : | 5:05 | 11:05 | : |
奥駈道出合 | 6:10 | 6:15 | 10:20 | 10:30 |
役の行者像 | 7:00 | 7:00 | 9:30 | 9:30 |
弥山小屋 | 7:50 | 7:55 | 8:55 | 9:00 |
八経ケ岳 | 8:25 | – | – | 8:30 |
所要時間 6:00 |
歩行時間 | 登り 3:10 |
下り 2:20 |

平田影郎
30分はウトウトしたかも知れないが2時半には確実に目が冴えていた。これ以上は布団の中も無駄だと感じ、這い出してザックに荷物を詰め始めた。そして3時前には宿を出発した。雨はシトシトと降り続き、車にザックを積み込んだりと準備をしている間にも身体はしっとりと濡れてしまっていた。
行者環トンネルには以外に簡単に着いてしまった。昨夜聞いていた東口からの登山道を利用した方がいいのか、少し車を止めて考えていた。雨は相変わらず降り続いていて雨具を着ける前に完全に濡れてしまいそうだ。腹の中ではこんな暗いうちから走る車もないだろうからトンネルの中に車を入れて着替える事にしていたが、何かトンネルの西口も見てみたい。幸いゲートが開いているので通行止めでは無さそうである。
トンネルの中に車を進めた。ナビを見るとかなり進んでいるのに、現在地はほとんど東口付近を示している。かなり長いトンネルか・・・と思ったが、よく考えると電波を受信していないことに気がついて安心した。あっという間に西口に着いてしまった。
西口に出るとライトに照らし出される車は一台だけで、少し明るくなるまで目を瞑って待つことにした。しかしとうとう明るくなるまで一台も登山者の車がやって来る事はなかった。
きつい登りに耐えながらも一歩一歩進んだ。時間の経過が気にかかるが、一時間を要してやっと奥駈道と出会った。『ここか!ここがあの熊野奥駈けの・・・!』今回の目的の一つでもあった奥駈道を歩くこと、それが今達成されようとしている。


ここから役の行者像まではさほどの事はないが、雨具の中に雨が入り込んできているのが気にかかる。ほとんどずぶ濡れ状態だが確りしたインナーを着けていたので寒さを感じる事はなかった。ブナの足元をコバイケイソウの緑が覆い尽くす素晴らしい癒しの森。雨が降っている事が余計に森の幽玄さを際立たせているようだ。最後の登りをこなし、休みを入れずに八経ケ岳に向った。
途中途中で鹿の食害からツツジを守るための柵が施されているが、ところどころで壊れており余り効果はないのでは・・・と感じた。
雪を踏みしめながら進み関西最高峰に立った。山頂は何とか写真を撮れそうな雨と強い風が吹きすさび、全身ずぶ濡れの身体にはかなり厳しいものであった。証拠の写真だけを撮ると早々に退散した。
ブナ・コバイケイソウ・オオヤマツツジ・・・きっと百名山に相応しい山に違いないと容易に想像できる。いつの日か吉野から熊野まで奥駈道を踏破する日がきっと来るはず。その時は“もっとゆっくり”“もっと確り”楽しみながら歩いてみたい。
下山時に登山者とは考えにくい人々が百人以上登って来た。最初は金峯山寺が一泊二日で実施する“奥駈体験”と思ったが日本人でない方も沢山混じっておられた。聞くと天川村の皆さんで、山頂での祭りに参加するらしい。食材を背負った人、鍋釜を背負った人、小学生、中学生そして不思議に感じた東南アジア系の方々は、村に住んでいる方たちらしい。考えてみたら先ほどの方々がベトナム人だとしたら、ベトナムは仏教国なのだから上手にお経を唱えても何の不思議もない。思わず僧籍の方・・・と思ったほどであった。むしろ僧侶以外で日本人でこれほど上手にお経を唱える事が出来る方は少ないだろう。
帰路は雨の中で食事もとれず空腹と戦いながらの下山となった。思えば夜中の3時に食べただけである。どうやって雨の中でおにぎりを食べたらいいのか・・・とうとう下山するまで妙案は思いつかなかった。



今回の山行は電車だったため着替えの枚数なども制限していた。3日目は奈良で寺巡りと考えていたが、ずぶ濡れのものを脱ぐともう着替えはない。どうしても薬師寺と當麻寺には行きたかったが雨の中での寺巡りも何となく億劫だったので、諦めて京都に向う近鉄電車に乗り込んだ。それにしても濡れた衣類を詰め込んだザックは本庄を出発する時の数倍の重さになっていた。レンタカーと近鉄電車の座席シートはズボンの水分を確り吸い取ってくれたようで、新幹線に乗った時にはシートが濡れることはなくなっていた。
ホームは修学旅行・ツアー客でごった返し、悪い時に帰ることを選択した自分に呆れたが一本電車を遅らせてみると何と私の車両に乗り合わせた方は5・6人であった。

