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旅あれこれ 東北2【てんやわんやの玉川暮らし】

てんやわんやの玉川暮らし

2005 春

 5月2日と6日に休みを取れば今年のゴールデンウィークは10日間の連休です。いよいよ玉川湯治の時期になりました。妻だけは何とか自炊部に部屋を確保できていました。私はバス停付近の空き地にでも車を停めて住み着こうと考えていました。ボンゴフレンディーはこんな生活をするためには最適です。ただ一つ不安はバス停付近にスペースを確保できなかった場合です。

 その場合は新玉川温泉近くの林道にでも転出せざるを得ないので、岩盤浴などのアクセスがえらく不便になることでした。やっぱり甘くはありませんでした。バス停付近は早々に占拠されていて一台の余裕もありませんし、最後の切り札である林道も今年からガードマンがゲートを守っていました。

 宿に宿泊しない人は完全に閉め出されたようです。キャンプでの湯治は温泉にとって何もメリットはありません。いかにも守銭奴の考えそうなことです。安住の地が見つからない以上、初日の岩盤浴を諦めました。
 妻に相談すると妻も“玉川温泉の食事では食べるものが無い”というので、玉川をキャンセルし他に宿を見つけることにしました。急に具合が悪くなった場合など、やはり私の手が届く範囲に妻をおきたいのです。それには一緒の宿がベストです。宿は直ぐ見つかりました。前に何度かお世話になった《ペンションえの具箱》です。今回はそこから玉川に毎日通うことにしました。

【駐車場の雪は3㍍】
【まだまだ雪の中】

 ペンションで知り合った栃木のNさんが玉川での湯治を教えてくれと言うことで、3日目から一緒に通うことになりました。駐車場の列に並んでいるときに問題がおきました。車が少しずつ前に移動しますが置きっぱなしで前に詰めない車を私は追い越しました。続いてNさんも追い越しましたが、確り縦列状態にはならずにお尻がはみ出してしまいました。道が狭く対向車が通れない状態でNさんのクラウンは停まっていました。作り話のようですが・・・運悪くそこへやってきたのは・・・その筋の方が乗った車でした。秋田空港へ向かうらしく、急いでいるから早くどかせと言っています。Nさんの奥さんが額に汗してハンドルを切り返しますが、車の位置は変わりません。

 怖い方が更に降りてきます。見ていられなくなった私は奥さんからハンドルを奪い、側溝に脱輪させる覚悟でハンドルを切りました。何とか通れます。怖い方が『そんな停め方しちゃダメだよ』と静かだが怒りを含んだ口調で言います。車から降りた私は『はい、すみません』と最敬礼でした。どうして私なのかよく解りませんが・・・行きがかり上・・・です。

 ここ3日間は玉川に泊まっている時の湯治と違ったやり方をしました。朝8時半に駐車場に車を入れたら11時まで通して岩盤をやります。鳥居の前でラジウム、源泉浴のあとに車に戻って昼食です。1時間ほど休んだらまた午前と同じ事をします。車は駐車場から5時に出さなければなりませんが、これで結構効率的に出来た気がします。

 湯治5日目の5月3日は祭日で岩盤浴は大変な混雑が予想されます。私達は休息日にしました。

 それでも朝の岩盤と鳥居前のラジウムは欠かせません。朝食前に終わらせました。花輪の朝市に向かいました。1時間ほどかかります。確かに田舎の朝市は珍しく一見の価値はありましたが、客も少なくあまり活気は感じられません。売っているものも何かワンパターンでした。何店か間隔でおばあさんが花を売っていましたが、見ていて気がつきました。おばあさん達がある元締めのようなお店に花を取りに行くのです。結局同じ出どこです。あるいはおばあさんを使った商売なのです。田舎の朝市まで俗化していました。

【花輪の朝市】
【寂しい朝市の風景】
【武家屋敷の枝垂れ桜】

 何も買いたい衝動が起きませんでした。今度は角館に向かいます。武家屋敷としだれ桜を見物します。町に入るのに少し渋滞しましたが、駐車場には直ぐ入る事ができました。町としては最大のイベントが繰り広げられていました。多くの観光客が行きかう武家屋敷通りは人を掻き分けて進む状態でした。何か食べようと思いましたがどの店も能力以上の客が入っていて、待つことの嫌いな私には《武士はくわねど高楊枝》の心境でした。みちのくの小京都の雰囲気は今一でしたが、しだれ桜はさすがに素晴らしい並木を形成していました。Nさん夫婦にお土産を買って小京都を後にします。

 広い駐車場に観光バスが何台も押しかけ、渋滞は町を出て街道の数キロ先まで続いていました。

 【みちのくの小京都】というコピーは大当たりのようです。個人的には一度見れば十分かなという気がします。帰路、夕方は玉川の駐車場も空いているだろうと考え、ラジウムと源泉浴をしに寄りました。Nさんは既に宿に戻っていて『今日は混んで大変でした』と言っていました。行かなくて正解だったようです。明日からまた頑張ります。

 最終日は早めに切り上げ岩盤浴で使った衣類を洗濯しました。そうでないと家に戻ってからが大変になります。妻が荷物の整理をしたり洗濯をしている間に、私は宿を抜け出して温泉バスターをしてきました。念願の後生掛温泉と蒸けの湯にやっと浸かる事ができました。後生掛は泥湯、蒸けの湯は露天がポイントです。 蒸けの湯は完全に雪の中でしたがミズバショウが健気に春を告げていました。
 
 7日は寒くて真冬のような日でした。アスピーテに入ると霙が落ちだし、雪の廻廊は幻想的な雰囲気を通り越し怖いほどでした。それでも見返り峠を越えて岩手側に入ると、道端には【ふきのとう】が春を告げていました。霙から変わった雨が降りしきる中で二人はビニール袋いっぱいに【ふきのとう】を詰め込みました。妻の親友Tさんの大好物なのです。

【ミズバショウ】
【雪の重みで潰れた蒸けの湯】
【露天風呂】
【アスピーテラインは雪の回廊】
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