萬鉄五郎記念美術館と東和温泉《花巻市(旧大迫町)》
萬という画家を知ったのは民放放送局のお宝鑑定番組。
かなり昔の事だが、しかしその時は我が郷土の出身だとは知らず、つい最近になって知った。
美術館の所在地を調べていた時の事、萬の記念美術館が何で岩手に・・・? と思ったものだ。
東和町(現花巻市)の回船問屋生まれ、比較的裕福な家庭環境だった。現在の東京芸大に進学し、岸田劉生や高村光太郎らとフュウザン会に参加した。
早池峰登山でほんの近くまで行くからには、ぜひ寄ってみたい。
さらに調べると東和町には温泉がセットされた道の駅もあった。
早池峰から下山後に萬の美術館に寄り、道の駅に移動して風呂に入ってここに泊まろうと計画。
市役所の出張所で美術館やコインランドリーの情報を入手。美術館はそこから車で数分だった。
公共交通機関利用ではJR東日本の釜石線土沢駅から徒歩10分。坂があって少し登りではある。
隣にある土蔵・・・鉄五郎の生家から移築して復元したものだ。中には喫茶店があって、併せてギャラリーもありアーチストによっては作品を無料公開している。
私はたまたま美術館と間違えて入ったのだったが・・・ひょっとして隣と間違えてますか?・・・とっ。
ちょっと恥ずかしい・・・が、美味しいコーヒーが恋しくて帰りにコーヒーブレイク。
美術館では企画展が開催されていてグッドタイミング。裕福な家庭だった事で、家族や親せき、お世話になった方の肖像画を良く書いたらしく、この日も《肖像画展》として20点ほどが掲げられていた。
現存点数も多いようだ。
ゴッホやマチスに傾注した萬は、原色を多用した強烈な色彩と激しいタッチが特徴。
だが肖像画となれば前衛的な絵とは一味違って、写実的で重厚感あふれる作品であった。
他にも所蔵作は数点あったが、萬の特徴という絵ではなかった。
道の駅東和温泉に戻って入浴。そしてコインランドリーと旅は忙しい。スーパーもコインランドリーに近くて、夕食の調達も便利だ。
私のこの日の夕食は、前日に寄った姉が用意してくれたおかずが冷蔵庫にあって、買い出しは不要。
東和温泉は広い駐車場から歩いて数十秒。夜遅くまでやっていて、申し分のない道の駅だ。
表現は良くないが・・・やはり田舎の事で、夜に車中泊している車は少なくて寂しいほどだった。