千住博美術館【長野・軽井沢】
千住博画伯は、近年、人気実力ともにナンバーワンと誰もが認める画家。
当然のように出回る絵の価格は数千万で、また当然のようにお金があっても作品が手に入らない画家の一人。
下の写真の様な滝の絵や版画が目に触れる機会も多い。近年特に滝が画題としては多く、水墨画も多くなった。
先日もデパートの展示販売会で、リトグラフと言う制作方法の数百枚作られる版画でさえ150万円だった。
私としても東山魁夷画伯、平山郁夫画伯に次ぐぐらいの位置に置いている画家で、数多くの作品を観ている。
私は機会あるごとに観るように心がけているが、外に出ることが少ない妻は観る機会も少ない。
そこで今回の旅行を利用して、軽井沢の美術館にぜひ寄ってみようと旅行スケジュールに入れた。
この美術館は2011年にオープン。近代的な建物で明るい雰囲気。駐車場も広い。
別館には横山大観や河合玉堂、私の好きな奥村土牛などの絵が無造作に掲示されていて、盗難にあわないか・・・不安なほど。ガードマンを置くとか係り員を配置するとか・・・。
本当に無防備で、無料でこんな絵が観られることに驚く。
駐車場から導かれ、レストランの脇をすり抜けて美術館の入り口へ。ガラス張りの明るい玄関の内側に券売機。人件費削減のため?
さらに扉を開けて中に入ると受付のお嬢さんが・・・『ゆっくりご観覧ください』と声をかけてくれる。
正面には初期のころの作品で『六月の女』が。この作品も多くの方が一度は目にしているはず。
だがこの作品をはじめとする初期のころの作品は、私の中では評価が低い。
千住画伯の真骨頂はやはりフォールなどの作品で、飛沫の一粒一粒までが微細に表現されていて、引き込まれていく。
観ていると・・・ドドドドーッという落下する滝の音までが聞こえてくる気がする。
近年の作に崖に松が1本生えているような絵がある。岩肌のクラックやこの松が自然界の厳しさに耐えながらそこで生きている姿が見事に表現されていて、私はこれが代表作と勝手に位置付けている。
残念なのは写真を撮る事が出来ないので、ここにアップすることは不可能。是非ご自分の目で見て、脳裡に刻んでほしい。
画伯の作品は薬師市の壁画があって、それを観るために近い将来に奈良京都を旅行したいと思っている。
そして高野山金剛峰寺の襖絵が完成しているのも、奈良京都にいざなわれる大きな要因でもある。