明け方の5時に妻の声で起こされました。『お父さん、レオ君が死んでる』沈んだ声ではありますが・・・妻としても今日明日の覚悟は出来ていました。夕べ痛みで悲鳴を上げていましたから鎮静剤を打ってもらったのですが、そのまま眠るように旅立ったのです。
私がチョコチョコ目を覚まして確認すると寝息が聞こえていましたし、妻も3時に確認した時は息をしていたようですから4時ごろでしょう。抱えてみるとまだ温かな体のレオ君でした。3人で【川】の字になって寝ていたのに気付かず『なんて冷たい両親だ』って怒っているかもしれません。寂しい思いをさせてしまいました。
7時に起きると既に妻がレオ君を綺麗なバスタオルに包んで、レオのベットに寝かせてありました。妻の覚悟の程が分かりました。
顔を覗き込むと・・・いろんな事が思い起こされ、私はメソメソしていましたが妻は気丈に立ち回っていました。私よりレオ君への思いいれは深く強く、失った悲しみは私の数倍のはずなのに・・・。
この子との出会いは実にドラマチックなのです。妻に犬をねだられてシブシブ許可したのですが、運が悪いのか良いのか知人に頼んだとたんの5月6日に妻の病気が発見されました。
5月8日に生まれたレオ君で良いか?・・・と問い合わせがあり、今更断われずに引き取る事にしました。この時はこの子が私たちの人生にこんなにも大きく拘るようになることなど想像だに出来ませんでした。何と運が良かったのだ・・・と今更ながら実感しています。
2ヵ月後に引き渡す約束で時間が過ぎ、引渡しは7月8日と決まりました。一方、5月以降妻は検査などに追われてあっという間に7月になり、手術は10日と決まりました。7月の9日に病院にレオ君を連れて行き妻に会わせましたが、あまりの可愛さに妻は確りと抱きしめ離そうとしませんでした。
手術前にレオ君を見ることが出来た妻は、病気になんか負けてなるものかという強い気持ちを持てたことでしょう。そして見事に手術は成功し20日間の入院で退院して、以降10年間私たちの心の支えとなり励まし続けたのです。
私たちにとってもこの10年間はあまりにも劇的で、人生でもっとも重い大切な10年でした。その10年を演出してくれたのがレオ君なのです。楽しくもありちょっぴり後悔もありのレオ君との10年は、妻の闘病の記録でもあるのです。闘病はこれからも続いていきますが、レオ君はきっと空の上から声援してくれると思います。
何処のうちでも自分ちのが一番可愛いに決まってますが、うちのは特別です・・・て、話すと会社でいつも呆れ笑いをされていました。
だって家族4人でいるところに『玩具を放り投げて・・・遊ぼう』って催促してきます。最初に私が投げてあげると次は妻の所にもって行きます。次は娘のところへ・・・皆を平等に遊んでくれるんです。
今日は虚脱感で・・・ついつい居ない事を忘れてしまいます。
レオ君・・・10年間楽しい人生をありがとうな・・・。うちの家族で良かったかい?
写真は我が家での最初の一枚です。きかん坊の相がありありです。
コメント