最近、駅売りの新聞を買っています。今まで自宅では朝日か読売しか読んだことがありませんでした。原発人災事故以来、埼玉新聞を買ったり毎日新聞を買ったり、いろいろ読んでいるうちについうっかり東京新聞を買ってしまった日がありました。
まず価格ですが100円で助かります。そして論調は・・・極めて権力に対して辛辣なのです。社説や取材記事も当局が垂れ流すのをそのまま流すような新聞とは大分違う気がします。それは【小気味良く】【喝采を送りたい時もある】ので、最近は東京新聞ばかりを買っています。
たとえば今日の中からだと、『福島県の学校の校庭の汚染に対して、政府はもっと敏感になれ』『補償の体系は東電に甘すぎる。資産をもっと処分してから国民負担を考えるべき』
『選挙に一生懸命だった政治家は、津波に呑まれたお母さんを海に向かって呼んでいた少女の声を聞いたか?』
こんな調子の記事が紙面を覆っていますから、私の感性に心地よく響くのです。
この前、読売の勧誘員が来ましたので、『読売と違って悪いものは悪いと論評する。権力に対して毅然としているから信頼できる』と話をしたら、『基盤が関東ではないので批判しやすいだけだ』と言います。
私は知らなかったのですが『中日新聞の関東版だ』そうです。なるほど・・・それでは読売とは相いれないはずです。読売が『右』と言えば『左』と言うほど対抗心があるのでしょう。ボリュームは少し少ないですが、切り口が違ったり確りと検証して記事にしてあり、読み応えのある新聞です。
新聞はニュースを読むアイテムとしては、時代に乗れていない気がします。やはり一日に一回の発信ではテレビやインターネットにかなうはずがありません。新聞が対抗するツールに勝るためには、【記者魂】を感じることができる記事を発信し続ける事しかありません。
東電の会見に群がっている記者たちは、東電が紙に書いたものを用意しないと会見場には怒号が飛び交っています。そのまま記事にできるような『過剰な親切』を要求しているのです。自ら検証することもなくそのまま記事にしますから、垂れ流し記事にほかなりません。
情けない・・・大新聞の驕りでしょう。
今日の新聞にも取り上げられていましたが【石巻日日新聞】がアメリカのマスメディアの殿堂に保存されるそうです。津波被害で社屋も輪転機もすべて失った地方紙が、手書きで壁新聞を発行し続けたのです。この記者魂を見習おうと言う趣旨らしいのですが、取り上げたアメリカの殿堂も良く解っていますね。さすがは民主主義の国です。
被災した方々はどんなにか情報がほしかったでしょう。電話もテレビも全く機能しない状況下で、この壁新聞はどれほどの救いと希望と勇気を届けたのでしょうか。
【危ない人】系の勧誘員が確保する販売部数に胡坐をかいている大新聞の記者に、『ざまーみろ』と罵声を浴びせたような爽快な記事でした。
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