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ダンボの耳、黒部五郎

百名山・北アルプス

13日の夕方、妻に当日の夕食と14日の朝食を作ってもらって、黒部五郎登山に出発しました。富山の有峰林道は崩落で使えず、仕方なく計画を変更して岐阜の新穂高登山口に向かいました。しかしこち側も先日崩落があり上高地に観光客が閉じ込められたと、報道されていました。

数か所で片側交互通行がありましたが、予定からは30分ほどしか遅れずに新穂高駐車場に到着。車の数はキャパの3割程度・・・しかも中には登山者ではなく、明らかにキャンパーもいました。この分では山小屋は空いていると安心しました。

7時半からビールで一杯やり、そのあと9時ごろまでラジオを聞いていました。3時にアラームをセットして眠りにつきましたが、ほとんど眠れていないと思います。いつもの事ながら、寝たような・・・寝ないような。

観光案内所で登山届を書くころには4時半に近かったと思います。薄暗い林道はやはり気持ちが悪い・・・振り返ると後ろから何人かが着いてきていて、ちょっと安心でした。
実はこの中のお一人と、今回ずっと山旅をすることになります。

私より10歳ほど若い佐野さんは歩くペースもほとんど私と一緒で、何か価値観も同じように感じて親しみが湧きました。結局知らず知らず二人で相談して行動することなり、予定では双六小屋泊まりだったものを、黒部五郎小屋まで進むことができました。

一人では心細いのと自信が持てず双六で泊まっていたでしょうが、お陰様で今回の山旅の工程は大幅に楽なものになりました。
11時間に及ぶ黒部五郎小屋までの道のりはそれほど疲れを感じることもなく、いつもの山旅とは明らかに違っています。

二人で歩けたこともそうですし・・・新しい初めて履いた靴が想像以上に足をホローしてくれた事は確実です。いつもなら足の裏の豆や靴擦れなど、脚力ではない部分での心配をしなければならないのに・・・今回は少し痛み始めると絆創膏を貼ったり、紐を調整したりという微調整で・・・問題から解放されました。

黒部五郎小屋裏の急な下り20分ほどは辛いものでしたが、小屋にたどり着いた時には【達成感】に包まれていました。私の心の中では、ここまでくれば登頂したも同然だったのでしょう。

佐野さんと祝杯をあげました。そのあと食事まではいつも通り山男たちの会話に花が咲きます。埼玉から来ていた【本田君・・・と呼んでおこう】と最後までビールを飲んでいました。

夜は相変わらず【イビキ】を気にして眠れません。でも前夜もそうでしたから・・・明日の登山に差し支えると思い、翌日の時間になる頃になって【薬】の力を借りて眠りました。
眠ろうとしていたとき・・・耳元では【蚊】が羽音を立てて飛び交います。気にはなるのですが・・・如何ともし難い。

翌朝、耳はダンボのように腫れ上がって大きくなっていました。
写真は11時間かけて到着した黒部五郎小屋です。

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