何と南アルプスの登山口へ向かう道路(林道)はいたるところで崩落が起き、残ったルートは鳥倉林道だけ・・・と言うほど豪雨の被害は凄まじいものだったようです。
実際に小屋で話していると『易老渡(いろうど・・・登山口の名称)に行けないから、こっちに来た』と言う人が沢山いました。
おまけに静岡から畑薙ダムに入るルートも潰れていて、まだ復旧されていませんでしたから南アルプスはズタズタに引き裂かれた状態でした。当然残ったルートに登山者が集中するわけです。
でも結果としては知らないで良かったかもしれません。知っていたら混雑を嫌って登山を中止していたでしょう。そしたらこれから報告する素晴らしい山旅に巡り合っていなかったのですから・・・何とも皮肉です。
林道のゲート前で車は通行止めですが、朝8時ごろにノコノコ行った私の分の駐車スペースはありませんでした。路肩にはまだ2・3台しか停まっていなかったので、停めようと思えば停められたのですが・・・自分勝手なことはしたくなかったので1キロほど戻って空地を見つけて駐車しました。
そこからでも三伏峠までは3時間もかかりませんでした。山地図では4時間ほどと書かれていますが、意外に歩きやすい登山道でした。
本当は塩見岳直下の塩見小屋まで今日中に入っていれば翌日の行動が楽だったのですが、この小屋はこうるさいルールがあって完全予約制なんです。
賛否はいろいろです。本来山小屋は『避難場所』としての使命がありますから、泊めないというのは・・・。
初めからいっぱいだろうという意識があったので、電話さえしなかったのですが・・・何と半分程度の客だったそうです。福島のご夫婦に聞いたんです。何とも残念でした。
三伏峠で停まってしまったために、12時とは何とも中途半端な時間です。まずは1.000円もするカレーライスとビールを一杯やってしまいました。
駐車場で知り合った方と1時間ほどで行ける烏帽子岳に向かいました。お花畑があって・・・今を盛りとマツムシソウとハクサンフウロが咲いていました。
塩見岳を今回この時期に選んだのは、実は花が見たかったのです。塩見岳は花の百名山でもあるのです。
そこから30分ほどきつい登りを青息吐息で登ります。ちょっとビールをやるのが早すぎました。
頂上では小河内岳とその後ろにそびえる荒川三山がダイナミックに迫ってきます。そして何より感動したのは富士山が天空に翼を広げて飛んでいたんです。
でもそれはほんの一瞬のうちに雲に包まれてしまいました。
明日の天候はどうなることか・・・何とも不安な・・・雲行きだったのです。
あーしたテンキになぁーれ・・・。
写真は烏帽子岳からの眺望です。荒川三山はすべて3.000㍍の山で、左の悪沢岳が百名山。
手前の山は小河内岳です。避難小屋が見えているはずです。
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