昨日のブログの三伏峠小屋のカレーライスですが、実はアルバイトの女の娘が初めてカレーの注文を貰ったため、適正な量が判っていなかったようです。厚みのあるグラタン皿に盛り付けたため、物凄い量になったのだと思います。
食べても食べても減りませんが、残しては悪いと思って無理して食べきったのです。
登山をやっているのに【高所恐怖症】と言っても信じて貰えませんが、私はそうなのです。
ですから必要以上に岩場に近づくことはないんです。たとえば長い事登山やっている人なら好きにしろ嫌いにしろ、必ず意識しなければならない場所が出てきます。
穂高と槍ガ岳の間を歩くと・・・あの有名な【大キレット】が、また五竜岳と鹿島槍の間には【八峰キレット】、唐松岳から白馬方向に向かうと【不帰の剣(かえらず)】という何ともおぞましい名前の場所や【天狗の大下り】と言う所を通ることになります。
また2年ほど前に救助のヘリコプターが墜落した穂高のジャンダルム付近・・・怖いところは枚挙に暇がありません。
でも私の登山記録を見ていただくと、一切そういうところには近づいていないことが判ります。
それでも槍ヶ岳のように岩を登らないと頂上に到達できない山は仕方なく登ることになります。でも確実に・・・誰が登っても危ないところには鎖などが確り設置されていて、逆に安心できるのです。掴まって登ることができますから。
ところが前剱(まえつるぎ・・・剱岳の前衛峰)のザレ場や水晶岳の頂上直下の岩場、今回の塩見の屹立した岩場の直登は鎖などが無いんです。要するにきちんとルートを見つければ安全に登れるから・・・なのです。
残念ですが事故はこういう所で起きているのです。確実に危険な所より『確り登れば安全だ』と言う場所の方が圧倒的なのです。先日お爺さんとお孫さんが亡くなった【穂高のザイテングラート】がまさしくそうです。
決して登山道から外れて滑落する場所ではありません・・・何が怖いか・・・先行して登っている人が岩を上から落としてしまう事が怖いんです。
特にビギナーの若者は元気ですから、勢いよく登って行くのに注意力足りません。岩が落ちる事までに考えが及びません。
また年寄は厳しい登りに集中力が欠如したり、体力的に・・・よじけてしまって結果として岩を落とします。この前の事故はその岩に直撃されてしまったために起きました。
素人の後ろを歩かない事は・・・選択できません。ですがまだ誰も登っていない時間に登ることは選択できます。私が槍ヶ岳に登ったのはまだ真っ暗な時間でした。
絶壁に足が震えることはしばしばですが、高所恐怖症ならではの【余計なほどの注意】や【臆病なほどの慎重さ】も合わせて持つ事ができるのです。
山でも渓谷(たに)でも何度も危険な目に逢っていますが、この年まで山河を駆け巡っていられたのは【高所恐怖症】のお蔭だなーーと実感しています。
小屋での事前の話ではビビッてしまうほどの話が聞こえて来ましたが、実際には岩場としてはそれほどのものではありませんでしたが、やはり素人が落とす可能性がある岩には不安を抱きながら登っていました。塩見の岩場です。
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