さいたま市立のうらわ美術館。
今、国芳の浮世絵展が開催されています。
広い会場いっぱいに国芳の浮世絵が160点も。
ゆっくり見たらとても一日では無理ですが、世に知られる有名な作品を中心にところどころを飛ばして観てきました。
そもそも浮世絵とは多色刷りの木版画で、良く知られるのは【武者絵】【美人画】【東海道五十三次】などの風景など、さらには風俗画などを言います。
国芳が活躍した時代は広重と重なって、天保改革などで知られる江戸末期です。
国芳の作品と言えば奇想天外なものが多く、他の浮世絵師とは描く対照が異なっていました。
皆さんも一度はどこかで目にしている作品です。
例えば猫が文字の形に描かれたり、人間の顔が多くの人間の塊で描かれたり。
坂田怪童丸(金太郎)が自分より大きな鯉を抱えている絵・・・見てますよね。
国芳が描く洒落とユーモア、パロディーは江戸の庶民の心をとらえ、豊国・広重と並び称されました。
老中水野忠邦の天保の改革で贅沢が禁止されて美人画なども禁止された中で、国芳は美人ではない顔の絵を発表して当時の権力者と対峙したのです。
これがまた庶民の喝采を浴びたのでした。
歌麿が反抗した罪で手鎖をかけられて生活し、2年後に亡くなっていることを思えば・・・。
命を懸けた抵抗がパロディだった国芳の生き方は、江戸庶民に勇気と活力、ゆとりを与え多くの支持を得たのです。
詳しくはウィキペディアなどで検索してもらえばと思いますが、ぜひ機会をとらえて観ていただけたら。
浮世絵師と言えば喜多川歌麿、渓斎栄泉、東洲斎写楽・・・名前が直ぐに上げられます。
この中の一人で東洲斎写楽という絵師は、実は謎の絵師で実在しません。
御承知と思いますが・・・。
100点ほどの作品を発表して、短期間で忽然と姿を消した絵師。
近年、この絵師は誰だったのか?が学者やマニアの間で議論になっていました。
最近、答えが出つつありますが、断定には至っていません。
これ以上は言いませんから、皆さんもこのミステリーの答え探しに参加されてはいかがでしょう。
今日は浮世絵の話題でした。
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