西田敏行さんが亡くなられたとか・・・ご冥福をお祈りします。
名優だったに違いありませんが、私の中では【緒形拳さん】【山崎努さん】【仲代達也さん】【北大路欣也】などを名優と思っています。
私が育った時代は映画が娯楽の中心だった時代で、祖母が映画大好き人間でした。
まだ名前も書けない年ごろから祖母に連れられて、市川歌右衛門や片岡千恵蔵の時代劇を見ていました。
小さな町でしたが映画館が2軒もあって・・・寿座と文化ホールでした。
小学校高学年になると一人で映画を観に、町までバスで向かったものです。
100円は大変な金額でしたが、手伝いで貯めたお小遣いが映画鑑賞の原資。
バスが片道10円で往復で20円、映画が確か20円か30円、ラーメンもそのぐらいでした。
兄も映画が大好きで、洋画と言うものを観たのは兄の影響でした。
最初に連れていかれたのが【翼よ、あれがパリの灯だ】と【文無し長屋】という映画。
次には【前進か死か】という戦争映画。
ニニ・ロッソのトランペットが流れる映画を今でも記憶しています。
私は高校生になると盛岡に住んでいたので、映画館は映画会社の系列館が並んでいて・・・そこは映画館通りと呼ばれていました。
週に最低でも2回映画を観ていました。
姉がよくお得意さんから、株主用の映画招待券を貰って来てくれたので大いに助かりました。
東映のやくざ映画、大映の【座頭市シリーズ】【兵隊やくざシリーズ】【眠狂四郎シリーズ】【悪名シリーズ】。
日活の【男の紋章シリーズ】【和泉雅子や松原智恵子が出演する青春シリーズ】、東宝では【若大将シリーズ】【森繁の社長シリーズ】等々。
毎週2回観なければ、シリーズを見逃すことになるのですから忙しい。
日曜は当然映画、平日の一日を部活のラグビーの練習を終えてから通ったのでした。
もちろん舞台も好きで、染五郎の【王様と私】なども。
今思えばアナログな時代が懐かしい。
昭和の30年代の芝居小屋や映画館は、私の人生と感性に大きく影響したと思うのです。
それを今、懐かしく訪ねてみては郷愁にひたるのです。
脇町のオデオン座も15年ほど前の四国の旅では内覧が出来ず、今回こそはとの思いが強くありました。
小雨が降っていましたが、街並みを抜けて向かいます。
小屋主さんが親切に説明してくれて、興味深く往時をしのんでの見学ができました。
街並みを抜けて1分の距離。入館料は200円です。
2階には座敷席もあって、ドラマに登場するような芝居小屋をわずか200円で体感できる経験はなかなかできないでしょう。
舞台の中央は回り舞台になっていて、地下に降りてその仕掛けを観ることもできます。
写真中央に回り舞台の心柱が見えています。
大がかりな機械仕掛けではなく、木組みの【からくり】と呼ぶ方がぴったりくる感じが・・・いい!
まさしく❝昭和やな~❞
私たち世代にはアナログでノスタルジックなものが、心に響く気がしてなりません。
見学している間に2組のご夫婦が、来館していました。
私たちより1周りほど若い方でしたが、やはり昭和を懐かしんでいるかのようです!
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