青空に富士山見えて・・・両神山
平田影郎
前回は下りの辛い記憶だけが残っている。花の百名山なのに、秋だったから花はあまり咲いていなかった気がする。
何よりこの山に2度目の足が向かわなかったのは、両神山荘までの最後の狭い道。すれ違いができない道は私にとって精神的に良くない。
前回は山荘の下まで車が入れたが、流石にゴールデンウイークの百名山は違った。少し甘く見てスタートが遅れたようだ。山荘よりはるか手前で整理員さんに止められてしまった。
上の駐車場から一杯になって、どんどん下に下がってきて私が停めた路肩は山荘から1.6㌔も手前だった。
まあ・・・歩きに来たんだからそれも良い。支度をして歩き始めた。
途中の路肩には2か所トイレがある。ということは・・・いつもこんなにいっぱいになるようだが、全く理解していなかった。
両神山荘の階段を上がるときには既にバテバテ。
辛い登りだが清滝小屋までは、それでもまだまだ元気で余力がある。弘法の井戸では多くの人が休憩をとっていた。
下山者に聞くと清滝小屋は夕べ10人ほどだったとか。ゴールデンウイークでもその人数とは、やはり両神山を一泊で登ろうと考える人は少ないはずだ。
小屋の前でも数十人が休憩していた。テントも既に数張り設営されていた。
小屋から神社までの登りが一番斜度があるから、先行者を見上げるように進むことになる。下山時に膝が笑いそうで心配。
前回の時もこの下りに手を焼いたと記録が残っている。特に私は下りに弱いので斜度の高い山は嫌いだが、まだまだ短いスパンなので救われている。
神社前に到着するとここでも数えきれないほどの登山者が休憩していた。
山頂は狭い。それでも多くの人が食事を摂っているから、なおさらスペースは狭まる。私は20㍍ほど山頂から下った岩場で昼食とした。
山頂で写真を写してあげた二人連れの若い女性が、挨拶して下って行った。食事が済んで下りにかかり、神社まで戻ると今度はこの二人が食事をしていた。追い越してそのまま下山。
山頂からは富士山が肉眼で確り望めたが、写真にするとどうもいま一つ。空に溶け込んで良く見えない。
秩父の山からは、富士山を望めたのが初めてかもしれない。やはり富士山が見えると見えないではモチベーションが変わる。
途中から千葉から来たご夫婦と一緒になり、話しながらの下山。登山歴は長いが、一旦休んでいたという。
辛い下りも楽しい会話にまぎれて、いつの間にか日向大谷に到着。ご夫婦の車は山荘に500円支払ってここに置いてあるらしい。朝、2時に千葉を出発し、4時ごろに来て寝ていたらしい。そんな短時間で千葉からは無理で
しょうと思ったが、最近耳が遠い私の聞き間違いかも。
挨拶してお別れだが、私はさらに2キロ弱歩いて下らなくてはならない。
もう登る事が無い山と思う。
同じ県内なのに、アクセスが悪すぎて・・・さらにすれ違いできないような狭い山道は大嫌い。