森林浴:美人林
意外なほどのブナの森
平田影郎
今年初めての森林・・・欲・・・です。妻の体力を考えてアップダウンがなく、車を降りて直ぐ行けるブナ林を必死に探しました。
折角の日なのに出発時間の7時はどしゃ降りの雨でしたが、関越トンネルを抜けた途端青空が広がりました。しかし松之山に到着した時には再び雨が落ちていました。
途中に写真誌に出てくるような棚田が続きます。松之山は棚田百選に選ばれています。中越地震で超メジャーな山古志村の棚田は崩壊し、再び写真に写されることはないと思います。松之山はやっぱりシャッターは押しておかないと・・・と雨の中で車を降りました。しかし・・・やっぱり腕が違いました。写真誌の写真とは全く違うものです。
美人林で雨具を着け歩き始めました。実生のブナが森いっぱいに生えていました。去年は豊作だったようです。だがこの中から一本として大木に生長する木はないはずです。
僅か100㍍も進むと木立の中に残雪が有りました。雨具をつけていたので思い切って残雪のうえに座りました。
ひんやりとした感触はお尻からだけではなく、全身から伝わってきました。空気が全く違います。
浄化されたような・・・今誕生したばかりのような・・・葉緑素とマイナスイオンが生のまま含まれているような・・・。
これがいつも妻が言う【空気が違う】事なのでしょう。
雨は私たちの身体を打つ事は有りません。森がシェルターのようにガードしています。
どの木の幹にも樹幹流を見る事が出来ました。
70年の森と言っていましたが伐採を逃れたものは、百年をはるかに上回っていると思われる太さが有りました。
1時間ほど森に包まれてまったりとしていましたが、さらに奥へと進んでみました。妻がショウジョウバカマを見つけました。俄然森の南面に注意が注がれました。すると奥に進むに連れて種類・株数が増えていきました。カタクリは群生して咲いています。イカリソウは初めて写真に撮る事が出来ました。余り期待していなかったマイナーなブナ林は、意外なほどに確りとした森を作っていました。
妻が喜んでくれました。そして思いついたときにサッと行ける近くに森がほしいといいます。
しかし今から私が森を作り始めても、人生長くても80年・・・間に合いません。
日本三大薬湯と言われる松之山温泉に寄ります。ここのお湯は町が全量を管理しています。
草津や遠刈田などこのシステムを取り入れている温泉地は以外に多いのです。掛流しはどの施設なのか情報がなかったので、図々しく鷹の湯の受付で聞いて千歳に決めました。
塩分が強く浸透圧の高いいい泉質でした。◎でいいと思います。
既に14時を過ぎていましたが昼食を食べていませんでした。其れでも我慢して湯沢まで戻ることにしました。
しんばしのニシンへぎそばを食べるためです。最初は何かショックを受けるほどの美味しさが有りましたが、最近ちょっと変わったような気がします。
店の味が変わったのではなく、きっと私たち夫婦の好みが変わったのか、飽きてきたのか。
2人とも例の甘辛く煮たニシンを残してしまいました。今までこんな事はありませんでした。
もう一枚食べたいと思ったほどだったのですが・・・。
あれほど“日本一”といい続けてきた小諸の草笛も最近は何か一味違った気がします。
新しい店を探します。