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79-1. 鳳凰山

激走、広河原から夜叉神を日帰り・・・鳳凰三山 観音岳・薬師岳(2,780㍍)・高嶺(2,778㍍)

メ モ
登頂日 08/07/12(土)
天 候 快晴
百名山登頂順 67番目
標 高 2,840㍍(観音岳)
登山口 広河原
同行者 単独
温 泉 なし

タイム
今回は報告事例が少ないコースなので、参考にしてもらうため詳細に記載します。
骨折明け三度目の山行、この日に限っての腰痛、慢性の膝関節痛、骨折箇所の痛み
などを抱えて歩きました。標準的なコースタイムと思います。
場所・地点 備考
夜叉神峠登山口 4:45 5:35 バスはタクシーの後で出発
広河原 6:15 6:20 トイレを使って出発
白鳳峠登山口 6:32 6:33 写真を写すだけで通過
北岳が見えるゴーロ 9:05 9:09 途中で食事休憩 5分と4分
白鳳峠 9:23 9:30 本日初の登山者に出会う
高嶺 10:42 10:50 高嶺の登り手前で食事(ウイーダー)。世田谷のご夫婦同行
赤抜沢の頭 11:35 12:00 再度無理に食事を押し込む。喉を通らない
観音岳 13:20 13:35 世田谷のご夫婦にコースについて色々教わる
薬師岳 13:57 14:07 ピークに挑むも3メートル程が届かず
薬師岳小屋 14:10 14:25 食事がやっと喉を通る。トイレを借りる
南御室小屋 15:06 15:18 水を貰う。家に電話するが通じず
苺平 15:48 15:55 ゆるい登りで助かる。途中で5分休憩
杖立峠 16:56 17:05 【夜叉神まで40分】に喜ぶも、もっと長く疲れが増す
夜叉神峠 17:59 18:10 40分のコースタイム、間違えたという不安の中を歩く
夜叉神峠登山口 18:55 とうとう歩ききる。足の裏が燃えている
所要時間 12:40

平田影郎

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  今の状態の体調ではどのコースからでも三山の縦走には自信がなかったし、2年前の剱岳の再現の可能性もあった。

  コース選択は本当に悩みに悩みぬいた。実力に比してハードルが高いと思ったが、青木鉱泉からより広河原からのコースの方ががどうしても魅力的だった。炎天下の歩きになるだろうことは間違いなく、少しでも睡眠をとっておこうと考えて会社を早退した。そして妻の仕事の手伝いも放り投げて夕食後すぐ、20時には布団に入った。寝たような寝ないような数時間だったが幾らかは役にたったと思う。

  相変わらず芦安への道は覚えられず、また迷ってしまった。あの竜王立体の一つ手前にある【南アルプス】と言う看板がよくない。何度もコンビニに飛び込んで道を確認して、結局夜叉神口に着いたのは5時になっていた。芦安でタクシーを予約しようと思ったがバス会社との競合なのか『夜叉神口からの予約は駄目』と言われ、この時点で【広河原へバスで行こう】と決めた。ところが夜叉神口でキャンプしていた単独行の方に『夜叉神からの方が自分の体力と相談して、引き返す事が出来る。広河原からだとエスケープが出来ない』と言われ、私はまた悩んでしまった。

  ここに来てしまうと青木鉱泉の選択肢があるわけではなく、【自分の実力で地蔵を往復出来るのか】を考えてみた。どう考えても【広河原からの縦走の方が実力相応】でありそうだ。バス停に並ぶ事にした。バスは2台目に空席がありキャンプの男性と二人だけが座って乗ることが出来た。

シーズン前でも満車の夜叉神口
北岳が聳え立つ 
白鳳峠登山口は直ぐ

  広河原で男性と別れ白鳳峠に向かう。林道から仰ぐ青空の中に北岳が聳えていた。この時点で既に前にも後ろにも歩いている人はおらず、寂しい山行を覚悟する事になった。夜叉神で知り合いタクシーで入ったご夫婦がいるはずだが、大分先なのかも知れない。というのも夜叉神口ではタクシーが先に出発し、広河原で客を降ろして戻って来るのを途中でバスが待つ事になる。バスの所要時間はますますタクシーと差がついてしまう。イライラするが如何とも出来ない。

  このルートはシラビソの中を進むため、暗くしかも眺望が得られない。人気がない所以であろう。コースタイム3時間半だが炎天に晒される事もなく、2時間半を目標にして登った。しかし眺望が得られるゴーロ帯で2時間半を経過してしまった。

  振り返ると北岳がどっしりと座っている。2年前、老人が目の前を滑り落ちて行った雪渓も、パッドレスや小太郎尾根への登山道も手に取るように見えている。やっぱり北岳は懐かしいし・・・名峰だ。ゴーロで休憩したがそこから10分ほどで白鳳峠であった。

暗いシラビソの登山道
梯子と鎖場
大石のゴーロ帯から北岳を仰ぐ
もう直ぐ白鳳峠

       
  初めて下山者にあった。しかし7月の登山シーズン真っ只中に歩いている人がいない百名山。この下山者は相当の登山者に見えたので情報収集をした。『高嶺の上りは手ごわい』らしいし『タクシーで入ったご夫婦とはほとんど差がなくなっている』と聞いた。事実10分も歩くと追いつくことができた。先を譲っていただいたり私の休憩時間の間に追い越されたりと、前後を繰り返して進む事になった。話を聞いていると『先週もこのコースを歩いた』らしい。そればかりかこのコースを何回も歩いていて自分たちの脚力では『あそこまで何分かかる』と確り把握していた。これから進む・・・目の前に展開する稜線上のピーク名を教えていただいたり、タイムを教えていただいたり、自信がぐらついている私にとっては力強い情報であった。しかも今日中に夜叉神に下山するという事が判り、私は大いに力を得た。

  高嶺への上りは覆いかぶさるようで思わず地図で巻き道を探してしまった。当然そんなものはなくそろそろ足に来ていた私は、大変なコースを選択した事を後悔し始めていた。何とか辛い上りをやっつけた。がッ、やっとクリアーした高嶺のピークに立った私はもっとがっかりしてしまった。赤抜沢ノ頭、観音へのアップダウンが容赦なく立ちはだかっていたから・・・。

  今の脚力で鳳凰縦走は無理だったかもしれない。此処まできてから後悔しても・・・もう行くしかないでしょう。覚悟を決めて・・・ふと気がつくと観音岳の右側に富士山が薄っすらと浮かんでいた。

高嶺への稜線からオベリスク
北岳をバックに・・・辛かった高嶺
高嶺から赤抜沢ノ頭と観音岳

        
  今日は何と言うロケーションなんだろう。高嶺を振り返ると北岳とのツーショット・・・ロケーションを楽しみながら歩いていると赤抜沢ノ頭は直ぐである。見下ろすと賽の河原にはお地蔵さんが見える。此処で今朝一緒になり夜叉神から縦走してきた方と再び会って挨拶をした。かなりの健脚である。夜叉神を5時にスタートしているので、コースタイム9時間ほどを7時間弱で来ている。お地蔵さんと子宝の話などを教えていただいた。

  私は地蔵には向かわなかった。今日の目的は観音であり確実に日帰りで縦走することにあったので、登る事の出来ないオベリスクやハッキリしないピークは簡単に諦める事が出来た。この近くで出会った4・5人に『地蔵のピークはどれですか?』と聞いてみた。『賽の河原』と言う人、『オベリスクがそうだ』と言う人、『赤抜沢の頭を仮にそうしている』と言う人、『オベリスクの奥のピーク』と言う人・・・・地蔵のピークはどれでしょう?

観音と雲の中に浮かぶ富士山
観音への稜線から高嶺と北岳
赤抜沢ノ頭からオベリスク

  運の悪い事に今日に限って何かの拍子に腰に【ピリッ】痛みが走った。【大したことがなく良かった】と思っていたがバスから降りてザックを背負う頃は腰痛に発展していた。したがって今日は何をするにも慎重に・・・慎重に対応した。

  たとえどんなに低い段差でもソロリソロリ登ったり・・・降りたり。それでも靴擦れができないとこんなにも登山は楽なのだ。いつもは体調が万全でも靴擦れに苦しんだ。△○△★井スポーツには本当に苦しめられた。靴擦れの起きない登山とはこんなにも楽しいのである。

  写真では表現しきれないが白根三山、仙丈、甲斐駒のパノラマが展開し、靴擦れに苦しめられる事がなく・・・心は晴れやかである。今日を此処にして良かった・・・・・が、正直まだまだ下山の不安はぬぐいきれない。

  ご夫婦とほぼ同時に本日の目標、白い砂礫帯の観音岳山頂を踏んだ。北岳と甲斐駒と山頂標をそれぞれ背景にして写真を撮っていただいた。私としては珍しく本人の写った山頂写真を掲載できる。

  本日の目的達成を電話で知らせようと鉄人・先生に試みたが、燕岳にいる鉄人には届かず・・・・先生には電源を切られ伝える事は出来なかった。

観音への稜線を行く世田谷のご夫婦
甲斐駒とオベリスクを振り返る
観音山頂、背景は甲斐駒とオベリスク

        
  目的を達成すると頭に残っているのは下山のコースタイムだけである。今さらながら普段からの鍛錬で確り自信を持って歩けてこそ山登りは楽しくなる。今の私は脚力を心配しながら歩いて・・・本当に楽しいのだろうか。苦しさのあまり活性酸素で胃ガンになってしまうかもしれない。楽しい山歩きには苦しい鍛錬が・・・私の場合は必要である。

  薬師岳・薬師小屋を過ぎて砂払岳の裾で初めて食べ物が喉を通りそうな気がした。あと5時間の歩きに備え、おにぎりなどで確り食事を摂った。

これから挑む薬師岳
薬師山頂の岩
砂払岳の手前で薬師を振り返る

  砂払で稜線を振り返った。遠くまで確り見通すことが出来た。もう十分満足である。自分の歩きも眺望もここまで順調すぎるほど計画通りである。

  南御室小屋までの下りは少しだけ膝にダメージがあった。ここで泊まるかもしれないと妻には伝えてあったが、3時半を目途にしていて3時の到着、この調子なら下山できそうであると確信した私は小屋の混雑を確認する必要もなかった。それに最悪夜叉神小屋も残っている。苺平へはゆるい上りで膝へのダメージはなく、予定タイムを縮めて到着である。杖立までもほぼ予定の時間であった。明るいうちに下山できそうである。がっ、このあたりになると膝痛と足の裏がやけに熱く、大分限界に近づいていた。

  そんなタイミングで見た【夜叉神峠 40分】の看板には、ぬか喜びと不安とで撹乱されてしまった。ずーっとコースタイムで歩けていたから、40分を真に受けてしまい、40分を過ぎてからコースを間違えたのでは・・・という不安でただならぬ精神状態に追い込まれてしまった。何せ戻ってや り直す脚力が残っていない、ギリギリの状態だったから・・・。

  夜叉神峠で しっかり休憩をとり7時に夜叉神峠登山口を計算し、6時10分に峠をあとにした。

  結果として計算どおりではあったが、脚力に自信のないまま挑戦した縦走は【無謀】と言われても仕方のないものかもしれない。『だから山の事故は減らない』という非難が聞こえている。

砂払を過ぎて縦走路を振り返る
杖立峠の看板、この40分が問題
明るいうちに夜叉神峠に、計算通り
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