相変わらずのガスの中・・・雲取山
平田影郎
それにしても梅雨の時季とは言いながら、またしてもガスの中を歩くはめになってしまった。どうしても山頂からの富士山を見て観たかったが、今回も叶わなかった。
前回のイメージではこのコースは長いだけで、それほど厳しいという感じは無かった。だからこそ練習のために選んだのだったが、結果は大分足腰にダメージが残った。
三峰ビジターセンターの駐車場に車を置き、駐車場の中から登山道に取りつく。10分ほど歩いていくと奥宮だ。ここから九十九折れに道は登り始める。
杉林の中を進むが次第に植生が変化して紅葉樹林帯になる。そうすると霧藻が峰は近い。地蔵峠は霧に包まれていた。ここから霧藻が峰は僅かだ。
霧藻が峰には秩父宮様のレリーフが飾られている。殿下が登頂された際に、自ら【霧藻が峰】と命名されたことに由来している。殿下のレリーフは秩父山岳会が中心となって昭和29年(?)に設置された。
その後平成になって妃殿下がお亡くなりになられたのを期に、再び山岳会が中心となって設置委員会を立ち上げ妃殿下のレリーフも飾られた。ご夫婦そろってここから秩父の山並みを楽しんでおられるのだろう。
県営の休憩所があるが管理人がいないのか、この日は締切になっていた。前回はここで管理人さんと大菩薩にある丸川小屋の親父を話題にしたことが思いだされる。
霧藻が峰からお清平まで少し下る。そしてここからは紅葉樹林帯の中を一気に高度を上げていく。前白岩山の肩が登りの一区切り。
ここで休憩を入れたい。
ところどころ落ちたらやばいなーと思える断崖が出てくる。前白岩山の山頂にたつと一旦登りは終わる。
白岩小屋も今はかなり荒れていて使われていないようだ。前回ここを通った時に管理人さんは高齢だったので、もう管理ができなくなったのかもしれない。
小屋からまた急登を息を切らして登ると白岩山だ。ここがほぼこのコースの中間点だ。
白岩山にはベンチがあって休憩できる。前回はここで食事を摂ったり、靴擦れの治療をした。
秩父山塊には鹿が多いがここにも数頭が餌を食べていた。周りの木々は樹皮が食べられて、木肌がむき出しになっていた。鹿は駆除しないと・・・と思う。
少し下って芋の木ドッケ・・・芋の木とは【コシアブラ】のことで、ドッケとは【突起】がなまったものだそうだ。コシアブラの木が多くて、突起状になっている場所となる。山ではそんな表現が結構見受けられる。
利根源流には【シッケイガマワシ】とか谷川連峰には【シッケノアタマ】。シッケイ、シッケとはカモシカの事で、シッケイガマワシは厳しすぎてカモシカでさえ回り道をした・・・と言うことらしいし、シッケノアタマはそのピークがカモシカの頭のように見える場所なのだろう。
芋の木ドッケから大ダワまでは稼いだ高度を吐き出すように下る。大ダワからはほぼ1時間登る事になる。小屋まで男坂が20分から25分。そして小屋から30分キツイ登りが続く。この登りは記憶の中に残っていなかったから、余計にダメージになった。
眺望は今回も全くダメ。今回も雲取山頂からの富士を見ることができなかった。