24-2. 那須岳
平田影郎
ずーっと以前から那須にはもう一度登りたいと思っていた。前回は妻が同行していたので、ロープウエイで茶臼岳に登ったがその下山時に妻が転倒して手首を骨折してしまった。痛恨の極み。
そんなこんなで、どうしても茶臼から三本槍までを歩きたい思いが強くあった。
4時に自宅をでて伊勢崎ICから北関東道に乗る。那須到着は6時ごろ。そして峠の茶屋駐車場には6時半に近かった。
駐車場は7割ほど埋まっていたが、難なく停められた。流石に日本百名山の山の休日だ。しかも梅雨の中休みで晴天予想。
当然登山者は多くなる。登山届をだして6時40分ごろに出発した。
見上げると覆いかぶさるようで、厳しい傾斜が頭をよぎる。自信がしぼんで消えてしまった。
ところが歩いてみると・・・整備されていて歩きやすいのは当然だか、厳しいはずの登山道はなぜか心臓に優しい。
峰の茶屋までそれほどのプレッシャーを受けずに到着する。多くの人が憩おっていたが、私は水を飲んだだけで朝日に向かう。これも見上げるようで…厳しそう。だが実際にはこれも心臓に優しい頂だった。
30分ほどで朝日岳に立つ。何か・・・思ったほどの手ごたえがなく、少し気が抜ける。茶臼に目を転じると、流石に厳しそうな登りが待ち受けている。今日あそこを登れるのだろうか・・・と少し不安。
数枚の写真を撮っただけで朝日岳を後にする。熊見曽根までと地図で15分。だが実際は5~10分ほどの距離だ。
三斗小屋温泉への分岐があり、その方向へ進む人も結構いた。昔だったら私もぜひ浸かってみたいお湯ではある。
しかし現在は立ち寄り湯はできない。宿泊しない限り浸かる事の出来ないお湯なので・・・わざわざ訪れる気は無い。
熊見曽根からは360°の眺望で、早起きしてやってきた甲斐があるというものだ。
熊見曽根から朝日の頂上に立つ人をハッキリと望むことができる。
朝日までは活火山の・・・岩山の風貌なのに対して、熊見曽根からは一転して緑に覆われた山容となる。
清水平に向かって標高差にして20㍍ほどを一旦下る。木道が整備された湿地帯で、時季には花がきれいだろう。残念だが今回は清水平に花は無かった。
清水平からもさらに下るが、登り返しが辛いほどの下りではない。北温泉への分岐で振り返ると、
熊見曽根・茶臼などの山々対照的にそびえたっている。
赤い地肌をさらけ出した茶臼と、緑のガウンに包まれた熊見曽根。それぞれの趣があって、歩いて楽しいコースだ。
三本槍山頂を踏んで、時計を見ると8時50分。9時前とは・・・2時間ほどでここまで来たことになる。
一瞬時計を見間違えたと思って同年代の男性に聞くと、間違いなく8時50分。
このペースで行けばお昼には茶臼の山頂だ。三本槍からも眺望は360°。
三本槍と言うので山頂は鋭くとがっていると思いがちだが、実際には平面の山頂である。後ろにガスに煙ったような山が見えているが、そっちの方が槍みたいだ。
30分ほどして茶臼に向かう。当然一旦峰の茶屋まで戻り、そこから1時間ほど確り汗をかいて山頂を目指す。
前後して進む若いご夫婦、犬が一緒でその話で仲良くなってしまう。名前が・・・岳・・・君。直ぐに漫画から取ったと判ったが、奥さんは名前の由来を知らず。そこで漫画のうんちくを・・・。
夫婦は出発したが、私は食事をしたりして10分ほど出発が遅れる。山頂へ着いたら夫婦も食事をしていて・・・如何したかと思ってたんですよ・・・と心配していただきました。
お菓子を戴いたりしながら山の話に花が咲く。名残惜しいが・・・お鉢周りをして下山にかかる。
回り中のロケーションを遮るものが何もない天候で、こんな日にリベンジできたこと・・・全く満足の一日だった。
高速を飛ばして・・・家には3時ごろに到着。ザックなどを天日に干すことができた。