雨が降ろうが流石の花百・・・根子岳(花百) 《長野県真田町》
平田影郎
次週からの本格山行に備えて・・・鍛錬。本当は数少ないチャンスを鍛錬などと言っていないで、メジャーな百名山のために使いたかったが・・・自信がない。朝日も鳳凰も北岳も・・・今の自分では歩けないだろう。わざわざ少ないチャンスを潰しての練習山行である。3~4時間の登りの山を探したがなかなか見つからない。
花百の根子岳と四阿山を一緒に登れば結構な鍛錬になりそうである。天気予報は【雨】と報じていたが、強行するのみである。8時に家を出発し菅平牧場到着は10時半を回っていた。ゆっくり登り始めた。
レンゲツツジが今を盛りと咲き誇り、シラカバ・ダケカンバの樹肌色とのコントラストがなんとも言えず、絶妙のバランスである。ハクサンチドリの紫色は登山道の脇で愛らしい。多種さまざまな花が次から次に現れて、雨でうっとうしい登山も飽きることがない。写真を撮るのに懸命で雨の辛さは全く忘れていた。おまけに登山者も少なく静かな山を楽しむ事が出来た。バスで来ていたツアーの団体はとっくに振り切ってしまった。
しかし予定外が一つ起きてしまった。僅か1時間半ほどで根子の頂上に着いた時、まさに天候は大荒れの状態で、強い風と雨はこの日のピークであった。折角の鍛錬山行だったが四阿山は諦める事にした。一度登頂している事もあって、気持ちはあっさり萎えてしまった。
下山するともう一座登頂したいほど天候は回復していた。もう鍛錬というよりは【○○百名山達成】というためのピークハンターに徹し、車に飛び乗ると次の花百対象の高峰高原に急いだ。他に考えられたのは鉢伏
山・高ポッチだったがいかにも遠すぎるので諦めざるを得ない。
先に高峰温泉を目指した。遅くなると日帰り入浴を断られると考えたからだが、予感した通り16時を回っていたのでは断られても当然であった。だったら高峰山など焦る事はない。後日、黒斑山とでも一緒にやればいい。
いつも鉄人や博士の話題に上る天狗温泉浅間山荘に向う。丁度旦那が外にいて気持ちよくOKしてくれ、念願の鉄冷鉱泉にゆっくり浸かった。松本からご夫婦で来ていた若い方と温泉談義に花が咲く。玉川の話などであっという間に時間が過ぎていった。
さほどに鍛錬というわけには行かなかったが予想以上に花の種類が豊富であったし、念願の湯にも浸かって満足の一日となった。妻に申し訳ないほど充実し楽しんでしまった。