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たまには温泉について考えてみたよ

たまには温泉について考えてみたよ

 最近私の廻りに温泉好の人が増えたような気がします。「どっか良い温泉ないですか?」と聞かれ困ってしまう事がしばしば有ります。その人にとって良い温泉とは何か良く判らないからです。人は何故温泉に入りたいのでしょうか。「其処に温泉が在るから入るんだ」とは、彼のマロリーでも言う訳がありません。答えは千差万別いろいろな理由が在るのです。例えば

  1. 折角旅行に来たのだから温泉でも入っていこう。(記念写真のようなもの)
  2. 家族揃ってのんびり温泉にでも浸かり美味しいものでも食べたい。
  3. 登山や釣りの帰り汗を流して疲れた筋肉を解して帰ろう。
  4. 腰痛や肩こりが酷いのでじっくり温泉で療養していこう。
  5. 私は温泉バスターであらゆる場所の色んな泉質の湯に入り同人誌などに入湯記を書いてるう!!
  6. 地の底からのメッセージを五感をもって体験する事に至上の喜びを感じ温泉に出かける気ちを押さえきれない。
  7. 温泉に入るのに理屈などどうでもいい。理由などない。と言う理由。

 他にも色々有ると思いますがこれくらいにしておいて、知っていれば一寸得する、一寸楽しみが広がる豆知識についてお話しょうと思います。
 まず始めに如何しても触れて置かなくてはならない、皆さん耳にたこが出来るくらい聞いている分類についてです。分類方法も多種ありまして、液性によるもの、泉質によるもの、湧出形態によるもの、温泉の成因によるもの、地下で温泉が貯まっている状態「賦存(ふぞん)」によるもの等です。この内我々が知っておいたほうがよいのは、液性と泉質です。

【液性】 浸透圧-pH-泉温を組み合わせた形で表現します。

《浸透圧》
低張泉 8g/Kg 以下
等張泉 8~10g/Kg 以下
高張泉 10g/Kg 以上

 温泉に含有している塩類濃度で人の細胞の濃度が8.6g/Kgと言われています。従がって高張泉は細胞内に成分が入り込み易く、低張泉は長湯すると皺皺になります。元々皺皺の人はOKです。

《pH》
強酸性 pH2以下
酸性 pH2以上 pH4未満
弱酸性 pH4以上 pH6未満
中性 pH6以上 pH7.5未満
弱アルカリ性 pH7.5以上 pH9未満
アルカリ性 pH9以上

 pHについては特に説明は不要と思いますので省略しますが、強アルカリ性ともいえるpH10以上の温泉がなんでも全国に30箇所以上あるらしいです(温泉旅人池田一行氏より直接聞いた。ほとんどが低温泉らしい)中でも白馬八方温泉のpH11.3は、驚異的です。しかも泉温が高い。他にも都幾川温泉11.3もすごい。都幾川村はいつも仕事で通っている人も多いと思います。ぜひ仕事をさぼりなら昼間のんびりと寄ってみて下さい。(現在は土日祭日のみ又は平日予約入浴可となっています。宿泊すれば何時でも可。)
 但しこれは源泉でのpHですので実際の浴槽でのpHはわかりません。現に白馬八方温泉では強アルカリの為に肌がただれたとのトラブルが続出し現在では薄めたり混ぜたりして何が何だか判らなくなっています。又長野県大鹿村にある生津温泉「白川屋」さんは源泉を車で運びPH11.35のお湯を提供していたが惜しくも現在営業廃止のようです。

《泉温》
冷鉱泉 25℃以下
微温泉(低温泉) 25℃以上 34℃未満
温泉 34℃以上 42℃未満
高温泉 42℃以上

 これは厚生省の「衛生検査指針」での分類です。普通よくみかけるのは低温泉,温泉,高温泉3通りですがたまに微温泉と書いてある温泉分析表を見掛けますので私はこの分類法を使っています。そしてこれらの3つ《pH》《浸透圧》《泉温》を横に順番に並べて温泉の液性を表現します。
 例えば草津温泉「白旗の湯」の場合は、酸性低張性高温泉となります。これを見たり聞いたりした我々はpHは2~4で浸透圧は8以下で温度は42℃以上有るのだな分ります。ただしこれは源泉のことで何度も言う様ですが浴槽の湯の事ではありません。もっと詳しく言うと噴出口で採取した物を泉温以外25℃まで冷まして分析した物。(中には噴出口での分析値を併記したりっばなものもある)

【泉質】

 さていよいよ訳の解らない話となるのですが、我々は通常呼んでいるのはこの泉質による区分です。温泉法による規定では、泉温又は溶存物質総量または特殊成分が規定量以上含有しているかによって温泉と認知する事になっています。そして溶存物質量又は特殊成分により泉質名をつけています。現在の種類は9種類です。これ以外に療養泉(鉱泉分析指針)の分類として3種類に分けています。数が少ない分こちらの方が分り易いので私は療養泉の分類で泉質を呼んでいます。単純泉,塩類泉,特殊成分を含むものです。ここで大事なことは、分析時の条件です。鉱泉分析指針では25℃で溶存している物質と規定しています。分析の為わざわざ冷やすのです。固形分や温度低下により析出した物質は計算に入りません。又析出した結果pH値は変化しないのでしょうか。又これを浴槽口で考えてみると、どうゆう事になるのでしょうか。水道水で温度を下げている(薄めている)。循環型の風呂である。温度低下,濃度低下,泉質の老化,濾過に因る濃度低下。我々温泉及び源泉バスターズが源泉100%で掛け流しにこだわるのは、こうゆうところにも理由の一端があったのです。(但し多量の炭酸ガスや硫化水素を含む場合屋内浴室で酸欠に成らない様やもおえず事前にガス抜きする場合がある。) 

《塩類泉》

 溶存物質総量が1000mg/Kg以上のものであくまでもイオンとして存在するものです。呼び方は主成分となる陰イオンの名前で呼びます。溶液の性状は主に陰イオンに起因する為です。塩化物泉(Cl),炭酸水素泉(HCO3),硫酸塩泉(SO4)の3種類に分類します。それに前に陽イオンの名前をつけて例えばナトリウム-塩化物泉と呼びます。ついでにもう一寸詳しく言いますと、その前に特殊成分を含何々-陽イオン名-陰イオン名となります。例えば草津温泉「白幡の湯」の場合は酸性含硫黄アルミニウム・カルシシウム-硫酸塩・塩化物塩泉となります。複数主な成分を含有する場合には並列して表記し先に書いてある方が成分を多く含むという意味です。

Ⅰ 塩化物泉
① ナトリウム-塩化物泉(食塩泉)

 主成分としてNa+イオンとClイオンを含む。食塩として5g/kg以下を弱食塩泉,15g/kg以上を強食塩泉(ゾール泉)と言います。ゾール泉で有名なものはなんと言っても温泉分類上特異な存在の有馬温泉天神湯(98.6℃)です。尚有馬温泉に就いては論文が一つ書けるくらい興味深いものでなんと海水の約2倍の塩分濃度と鉄分に代表される多くの金属類が含有しています。その濃度はNaClとして47.5g/kgです。次いで北海道の神恵内(かもえない)998温泉で43g/kg、同じく北海道の今金温泉の37g/kgです。比較的近場では、越後長野の嵐渓荘(日本秘湯を守る会)は16g/Kg、新潟の越の湯(こしのゆ)鉱泉(馬越鉱泉)はなんと39g/Kgです。他にも南アルプスの麓鹿塩川にある鹿塩鉱泉(かしお)等があります。又新潟海岸沿いに良質のゾール泉が多く、聖籠(せいろ)観音温泉「ざぶーん館」、サンセット中条、平田影郎副会長ご用達のヨードとアンモニアたっぷりの超マニアックな「西方の湯」等等があります。

②ナトリウム・カルシウム-塩化物泉

 主成分としてNa+イオンとCa2+イオンとClイオンを含む。ナトリウム・カルシウムと書いたときは、より左側の成分のほうがより多く含んでいるという意味です。

Ⅱ炭酸水素塩泉
①ナトリウム-炭酸水素塩泉(重曹泉)

 主成分としてNa+イオンとHCO3イオンを含む。今年6月に釣行した新潟県の早川上 流の焼山登山口にある笹倉温泉は自称日本一重曹を多く含むとパンフレットには書かれていました。日本一かどうかはあやしいものですが、浴感はツルツルスベスベです。HCO3イオンだけの含有量日本一は、奈良県の二見温泉で7508mg/Kgで続いて宮崎県の青井岳温泉6503mg/Kg、愛媛県の石鎚山温泉6178mg/Kgです。

②カルシウム(マグネシウム)-炭酸水素塩泉(重炭酸土類泉)

 主成分としてCa2+イオン(又はMg2+)とHCO3イオンを含む。

Ⅲ硫酸塩泉
①ナトリウム-硫酸塩泉(芒硝泉) 

 主成分としてNa+イオンとSO42-イオンを含む。

②カルシウム-硫酸塩泉(石膏泉)

 主成分としてCa2+イオンとSO42-イオンを含む。

③マグネシウム-硫酸塩泉(正苦味泉)

 主成分としてMg2+イオンとSO42-イオンを含む。

SO42-イオンとして多く含まれるものには、山形県カムロ温泉3188mg/Kg,次いで島根県出雲須佐温泉3200mg/Kg,北海道乙部(おとべ)温泉2000mg/Kg(ナトリウム-硫酸塩泉(芒硝泉)) があります。

《含特殊成分泉》

 二酸化炭素,鉄,アルミニュウム,イオウ,水素イオン,放射能,を一定量以上含むもので一部溶存物質の総量が、1000mg/Kg以下のものも含む。遊離二酸化炭素やイオウはイオンにならない為完全に水に溶けない成分も療養効果があるので含有量、によって泉質名に付加しています。

Ⅰ 単純二酸化炭素泉 (炭酸泉)

 遊離二酸化炭素を1000mg/Kg含む。二酸化炭素は泉温が高いとガス化して飛散してしまうので、殆どの場合温度が低い状態で存在します。。炭酸泉で有名なのは大分県芹川河畔にある長湯温泉で含有量は3.477g/Kgです。しかし迫力で群を抜いているのは、同じく大分の七里田温泉下湯で時間滞によっては酸欠で死ぬ危険有りという驚異的な温泉です。私も行った事が無いのですが何でも湯面数十センチガスが跳ねている時があるそうで体中ビーズ大の気泡がプチプチつくそうです。他にも鉱泉では全国に質の良いものが有ります。長野県木曾の灰沢鉱泉(木曾サワラの露天はgood),岐阜の湯屋,大分の六ヶ迫等です。一寸変わったところでは阿蘇白水鉱泉(あそのしらみず)が在ります。普通炭酸泉は食塩や重曹と一緒の場合が多いのですがここ阿蘇野の場合はほぼ純水に炭酸が溶けているだけの鉱泉で、ウイスキーに入れれば直ぐハイボールに成ります。(πウオーターの原料として有名です。)又炭酸量が1000mg/Kgの規定量に達していませんが、炭酸泉の浴感の在る宿六の常宿(といっても一回しか泊まったことがない。いつもお風呂にはいるだけ。気が向いたら婆ちゃんの手打ち蕎麦もいただける。川古温泉も良質のお風呂です

Ⅱ 鉄泉
①鉄(Ⅱ)-炭酸水素泉(炭酸鉄泉)

 主成分としてFe2+ないしFe3+イオン20mg/Kg以上とHCO3イオンを含む。最近よく行く長野の加賀井温泉一陽館。自噴の間欠泉からは毎分400L源泉と炭酸ガスがぶくぶくでています。総内容物は12,680g/Kgで非常に多く、長野市付近では特異な温泉です。尚隣の松代温泉も同じ泉質です。含鉄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉と表記あります。又一号泉の源泉を入れている露天風呂には大量の沈殿物在り、酸化鉄となって真っ赤かです。お湯温度は内湯のほうが高いです。他にも黄金崎不老不死温泉も凄いです。勿論有馬温泉は最高です。

②鉄(Ⅱ)-硫酸塩泉(緑礬泉)

 主成分としてFe2+ないしFe3+イオン20mg/Kg以上とSO42-イオンを含む。 色々な泉質でトップに君臨する大分県湯布院塚原高原にある塚原温泉「山の湯」は酸性-含硫黄・鉄・アルミニウム-カルシウム-硫酸塩泉 (酸性等張性高温泉) 泉温 60.6度- pH 1.4というとんでもない温泉です。Fe2+ないしFe3+イオンとして456mg/Kg。旧名で表現した方わかり易いスーパー泉質です。酸性-含硫黄・緑礬・明礬-石膏泉。酸性では、玉川温泉に次ぐ第二位、アルミニュウム (明礬泉)では恵山温泉次ぐ第二位。超お勧めの一湯です。次いで北海道恵山(えさん)温泉で217mg/Kg。島根の大谷温泉「かじか荘」150mg/Kg。

Ⅲ アルミニウム泉  アルミニウム-硫酸塩泉(明礬泉)

 主成分としてAl3+イオン1000mg/Kg以上とSO42-イオンを含む。 Al3+イオンとして含有量一番は前項で述べた恵山温泉で363mg/Kg、ついで塚原温泉  295mg/Kgです。三番目が長野県の毒沢鉱泉120mg/Kgです。

Ⅳ イオウ泉
①単純イオウ泉(硫黄泉)

 イオウを2mg/Kg以上含む

②イオウ泉・硫化水素型(硫化水素泉)

 総イオウ(HS,S2O32-,H2S)を2mg/Kg以上含む。 やはり温泉の王様は硫黄泉です。匂い,色,浴感,入浴後感分り易いはずれの少ない安心してはいれる湯が多いです。硫化水素の匂いも下水処理場などで嗅げば臭い悪臭と感じるのに、温泉で嗅げばそれはえも知れぬ良い匂いとなります。精神的なもので180度違ってくるのには、本当にびっくりします。飲み物や食べ物もこうゆう要因がかなりあるのだと思います。源流でのキャンプで、タフマンシェフや鉄人板長の作る魚肉ソーセージの味が高級ステーキに変身するのも納得できます。

Ⅴ 酸性泉

 主成分としてH+イオン1mg/Kg以上を含む。pHの定義からいうと1mg/KgはpH=3に相当します。つまりpH3以下が酸性泉ににります。秋田八幡平の玉川温泉はpH1.1の強酸性泉で源泉100%の掛け流し浴槽が有ります。高温の源泉を水で薄めず又熱交換の方法も水冷式で空気接触を出来るだけさけて、日本でも有数の湯となっております。私の湯治場と成っていて毎年1~2回は1週間ほど無理やり休みを取って釣りを兼ねてリフレッシュしています。他にも九州大分の湯布院にある塚原温泉のpH1.4、蔵王温泉pH1.4、草津湯畑源泉の温泉pH1.4が在ります。

Ⅵ 放射能泉

 単純放射能泉(放射能泉) ラドンを10億分の3c.u以上含む。 ラジウム塩を1×10-7mg/Kg以上含む。

《単純泉》

 したがって含有成分が1000mg/Kg以下のものを単純泉と言う事になります。特殊成分を含んでいても含有成分1000mg/Kg以下なら、例えば単純硫黄泉とか単純二酸化炭素泉となり1000mg/Kgいじようだと含硫黄-陽イオン-陰イオン塩泉という具合に成るわけです。単純泉というと何だかただ温かいだけの水のような気がしますが、溶存物質が1000mg/Kgというと家庭用入浴剤でどれくらいに成るのでしょうか。私が使っているT社の名湯シリーズ「登別カルルスの湯」は30g×5包で定価500円です。30gの内溶解成分の炭酸水素ナトリウムや硫酸ナトリウムは70%とし、浴槽を400Lとすると、1000mg/Kg相当の温泉にするには何包必要か計算してみますと(400L×1000mg/Kg)÷(30g×0.7)=400g/21g≒20包となります。値段に直すと約2,000円です。勿論これには特殊成分や酸性アルカリ性などのトッピングも有りません。(風呂釜がこわれてしまうので)草津温泉白幡の湯では4000mg/Kgなので(400L×4000mg/Kg)÷(30g×0.7)=1600g/21g≒80包となり又濃度が濃い有馬温泉の天神湯(金湯)では60000mg/Kgで(400L×60000mg/Kg)÷(30g×0.7)=2400g/21g≒1200包となり、いかに温泉が貴重か分ります。単純泉とて馬鹿にはできません。(中には水のようなものもあります。)我らバスターズが入浴マナーにうるさいのには、矢張り訳があったのです。貴重な源泉を汚さないよう注意をはらいます。(タオルはつけない,入る前には掛け湯をして汚れを落とす,水着入浴などもっての他)渓流の岩魚を守るのも、温泉を守るのも似たような処があるようですね。

 以上で分類についての話は終わりなのですが、温泉案内の雑誌やテレビの温泉番組などで泉質などかなり間違っている物も有ります。又噴出している源泉が何本も在りそれを混合している。(通常は殆どこのタイプ)それも今までの源泉が枯渇しどんどん堀増ししていくというものです。と言う事は去年と今年では泉質が変わっている可能性が有る訳です。(通常は泉質低下)しかるに温泉分析表は初期登録時のものが表示せれていて、現状と異なる場合があります。分析表はすくなくとも10年以内で何番井戸と何番井戸の混泉と表示してあるものがまず信用できます。したがって、余り温泉の泉質など覚える必要はないのですが、自分が釣行した渓の名前や踏破した山の名前や入湯した温泉名ぐらいは、覚えておくのが自然に対する感謝の気持ちではないでしょうか。又入湯する前後に温泉分析表に目を通しておくのも、楽しみの一つに成る事もあります。温泉分析表が提示されていないような所は勿論温泉も期待できません。(但し野湯(のゆ)や山奥の泉質不明のものは除く)

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