紅葉ピークの栗原林道・・・皇海山
平田影郎
“さんまは目黒にかぎる”し、先生のように登山用具は“カモシカスポーツにかぎる”そうだ。仲間内では“カモしか行かないカモシカスポーツ”との陰口があるが、本人は一向に気にする素振りは無い。
同じように登山と言えば“秋”なのである。一年中行ってはいるが登山は秋に限る”のである。
紅葉が楽しめる山をリサーチしたところ、利根村役場の職員が「栗原林道は今が盛りですよ」と薦めるので、今週は皇海山に決まった。
林道の崩落も直ったらしく今がチャンス。また崩落すれば今度はいつ行けるか分からない。
暗い中、不案内の林道を走行したくなかったので追貝が5時半になるよう、途中の道の駅で時間を調整した。昔、釣りで来た時には分かりにくかった栗原林道もスムースに入る事が出来た。
がっ、行けども行けども現れない皇海橋。ひょっとしたら道が違うのではと何度思ったことか。
引き返そうかと迷ったのも一度や二度ではない。
実際に皇海橋で会った人の中には一旦戻った人が数人いた。途中に是非「皇海橋まで〇〇km」ぐらいの表示をしてほしいものだ。
表示をするということは“一般車の立ち入りを了承していた”という事になり、事故の場合の管理責任が発生するから表示をしないという・・・いかにも役人手口丸出しのやり方だ。
登山口には7時に着いた。路肩の駐車場もすでに一杯の状態でかなり手前の路肩まで駐車されていた。
沢沿いのゴーロ帯を歩くのとばかり思っていたが木立の中にしっかりとしたトレースがあり、雨でも降らない限りはかなり歩きやすい登山道である。
斜度もきつくはなく自分のペースで気持ちよく歩くことが出来る。
数箇所で沢を横断しながら上っていくと、沢が急に右にカーブした地点から直接沢を登る様になる。
斜度もあわせてきつくなるが、この日は水が流れておらず何も問題は無かった。
沢から斜面に取り付くとコルは近い。10分ほどでコルに着いた。ここで初めて休憩をとった。
ここまで70分である。
再び登り始めた。急登になると左手に雲の上に頭を出す山が見えた。先行者が“武尊だ”“赤城だ”と揉めていた。一人は“穂高”と勘違いしていたようだ。
橋から2時間ほどで頂上に着いた。先着者が“富士が見える”と教えてくれた。見回すと眺望の無い北側に双耳峰が見えたような気がした。燧ケ岳に違いない。
20分ほど食事をしながら同定をする。近くの山峰は十分楽しめた。
下山にかかると皇海橋まではあっという間だったが、想像していたより気持ちよく歩くことができた山行であった。
帰路は紅葉を楽しみながら車をはしらせた。栗原林道20キロに及ぶ彩の回廊を十二分に堪能させていただいた。
素晴らしい紅葉であったが残念な事に写真の腕が伴わず、正しくお伝えできないのが悔しい。