済州 ハルラ山登山
ハルラ山【韓国・済州島】
平田影郎
事前に聞いていた情報ではかなりの急登で大分手こずることを覚悟していたが、何ともあっけなく終了してしまった。辛いのは最後の30分ほどで、日本の4時間の山と大差が無い。むしろ至る所が木道で整備されており、非常に歩きやすい。
韓国の登山者は歩くのが早く、数十人に抜かれたのに抜いたのは僅か数人。この日は登山者が多く大行列だったが、私たちは出発が早かったおかげで渋滞には巻き込まれずに済んだ。
6月ごろの白馬岳程度の登山者はいたと思う。ツツジ畑待避所で引き返す登山者も多く見られた。
私たちがルールを知らなかったのか・・・韓国の方は絶対に避けないので何度もぶつかりそうになった。
韓国の登山者はザックなどを背負わず、ペットボトルを1本だけ持って登る方も多い。
逆に多くの方が水分補給にキュウリを持って登る習慣がある。途中でも・・・山頂でも・・・マッコリを飲む集団がいて、相棒はしっかりキュウリなどを頂いていた。
朝5時40分に駐車場に到着するとすでに10台ほどが登山の準備中だった。
登山口の小屋に監視員がいて『車で来たか』と尋ねられる。『シャ・・・シャ』と言っており、手はハンドル操作のマネをするので理解できた。駐車料金を取られるのかもしれない。私たちは事前に頼んでおいた方に送ってもらったので、手を振って『違う』答えた。分かったようだ。
相棒が地図をもらう。ちなみに『チド』と発音すると理解してもらえる。
迎えの時間を4時半としたため、ゆっくり下山したのに2時間も早くついてしまった。しかし登山口の売店でクッスを頼むと、これがすきっ腹に何とも美味。
イモ(おばちゃん)とも友達になって、いろんな言葉を教えていただいた。2時間以上もお店にいる日本人登山者はそんなに多くないはずで、イモとはすっかり打ち解ける。
韓国ではコーヒー【正しい発音はコピ】が甘い。ブラックと言っても理解はしてもらえず、『ブラックか?』と確認しても『イエー(はい)』と返事。これが絶対甘いコーヒーだ。どのように伝えればよいか2日目ぐらいに分かってくるから・・・
面白い。ぜひご自身で体験してください。
沢の横断は数か所、すべての沢に橋が架かっていて登山道の整備は完璧。
13時以降は登山禁止・・・とでも書いてあるに違いないが・・・読めないのが辛い。この後釜山で字を読めないことの辛さを体験する。話せなくても何とかなるが、ハングルを読めないのは全く立ち往生してしまう。少しは読めるようになることをお勧めする。
何しろ町中ハングルで何か書いてあるが・・・・自分がどこにいるのか、どっちへ向かっているのか・・・電話で知っている人に聞こうとしても・・・何という店の前にいるのかも伝えられず・・・困ってしまう。
全然気にせず何時でも登山者がいた。
ツツジ畑待避所では『カップラーメン』を多くの人が食べる。そのために食事としては食べ物を持たない人がほとんどだ。このカップめん1.500ウオンだから・・・105円程度。登りでは8時半なので食べず、帰路で食べることにした。
トイレは紗羅待避所もここも、かなりひどく臭うが日本でもそれは同等だから・・・数が多く結構しっかりしたプレハブトイレなので日本よりは・・・良いかも。ここを出るとハルラ山の全容が見えてくる。
階段状に整備された急登を喘ぎながら進むと、左手には島影が浮かぶ海が見える。朝、登山口までの車では、眼下に展開する夜景の美しさに圧倒された。
暗いうちに登山口に着くようにすることをお勧めする。是非この100億万ウオン(?)の夜景を見てください。
途中には山頂までを細かく区切って表示した距離看板と標高の分かる石柱が設置されている。うっかり見落とすこともあるが、逆に一気に標高が上がっていて嬉しい。あいにく少し雲がある天候だ。
4時間弱で山頂に到着。海外の山に初登頂した記念すべき瞬間を迎える。前日、東門市場で求めたみかんをザックに大量に持っていたので、エネルギー源として大分助かった。
このみかんでパワーアップしていたはずの相棒が現れない・・・話を聞くと途中で地元の登山者からキュウリを頂いて食べたり、マッコリオジサンに捕まったりしていたらしい。どこに行っても溶け込んでしまう・・・素晴らしい能力の持ち主である。
2枚の写真を合成して山頂を表現してみました。後日修正しますが1センチ程ダブっていますので、頭の中で切り取ってご覧ください。
山頂で相棒に移してもらった写真。マッコリオジサンもやってきて『チンドが見える』というので、【珍島】かと思ったら実際には『ジギド』という島をオジサンが勘違い。
パプリカを頂いた叔母さんが教えてくれた。このパプリカは全くえぐみがなく、まるでフルーツのように甘い。叔母さんはみんなにあげていた。
4時半の待ち合わせなので急いでもしょうがない。ゆっくりゆっくりの下山である。ツツジ畑待避所でカップめんを食べようと思っていたが、とても胃が受け付けない。
そこへ相棒が現れ韓国人の女子高生ぐらいの子から【海苔巻きずし】を強奪してしまった。よほど我々が食べたそうに見ていたのか・・・。
お礼を言って立ち上がると3人の子たちは一斉に立ち上がって礼をしてくれた。年長者を敬うことに・・・驚かされる。
少し下るとカップめんを満載したトロッコがやってきた。荷揚げにはトロッコを使うようだ。
待避所ではカップ麺を求める行列。1.500ウオン程なので日本円にすると105円ぐらい
2時間も前に下山してしまったが・・・ちょうどお腹はペコペコで・・・登山口の食堂で食べ物を聞くと『うどんある』と教えてくれた。実際の名は【クッス】、これがうまい。
相棒はもう一杯食べるというが、懸命に止めた。この後念願のアワビ粥を食べることになっているのだから・・・今回はこれが目的でもあった。
登山口の休憩所のオモニ、言葉を沢山教わった。クッス【日本ではうどん】が美味しい。
ブラックコーヒーを頼んでも韓国では、甘ーいコーヒーが出てくる。顔で表現すると取り替えてくれた。販売機のカップコーヒーは400ウオン(28円程度)
場所は説明できないが・・・どこかの海辺で・・・小汚いお店でしたが…切られても生きているタコと絶品のアワビ粥・・・・・・・・ここでしか食べられないでしょう。満足。