夏の夜の美ヶ原【長野・上田】
美ヶ原高原美術館を併設する道の駅は、標高2,000㍍と暑い夏から逃れるには最高の場所だ。
上田方向からだと武石村や和田村から延々と登って行くが、1,800ccのボンゴトラックをベースにしたキャンピングカーの馬力には辛い傾斜だ。
エンジンは苦しそうにうなりをあげ、途中ではアクセルを踏み込んでも踏み込んでも走行スピードは精々時速10㌔までしか上がらない。
涼しさを求めて登って行くのだが、結果として車のエンジンも私の頭も熱くなってしまう。
こんな苦しい道の時には目的地に到着したからといって、すぐにエンジンを停止することはできない。
オーバーヒート気味に走っているので、吸い込み過ぎで再始動の時にエンジンがかからなくなる経験をしている。
しばらくそのままエンジンを回して、自然にオーバーヒートが改善するのを待つのが無難だ。
この道の駅に併設された美術館、1981年に箱根彫刻の森美術館の姉妹館として創設された。
そろそろ40年だから、私が30歳ぐらいの時ということになる。
妻と信州の旅を始めたのが娘が中学生になったあたりなので時代は重なる。そのころには美術館が既にあって、何度か訪れている。道の駅となったのはそれより後年の事だろう。
美術館まで陸橋を渡って歩いくと、350点の彫刻が待ち受けているが、一部は駐車場からも望める。
広大な敷地の駐車場は800台を収容。だがあまり遠くに停めるとトイレまで歩くのが辛い。
トイレまで50㍍ぐらいで、谷から風が吹き上げてくるような位置がベスト。
窓は当然のように網戸で、吹き込む風が心地よい。しかし残念だが夜はセキュリティのためにドアを閉める。
夏と言えど2,000㍍の標高は季節が変わるほどで、夜は厚い上掛けをかけないと、寒くて眠れない。
息子を連れて駐車場内を散歩。800台のキャパでも、泊まっているのはせいぜい20台。
駐車場所はより取り見取りだ。なるべく息子のライバルがいないスペースに。
小型犬だが縄張り意識は一丁前で、自分の縄張りの見張りに余念がない。
近くに侵入者があると大騒ぎ、結局近くに停めた方の迷惑になるので我が家の場所選びはそのことが基本。
駐車場の周りには高山植物が綺麗な花を咲かせている。夏になるとハクサンフウロが淡いピンクの花を付ける。こんなに標高が高くて、とても夏と思えないような美ヶ原。
フウロは・・・ここにも夏が来たんだよ・・・と教えてくれているのだろう。
食料を数日分用意して、夏には何日もここで過ごしたいと思う。
こんな場所は他にもある。日光の戦場ヶ原や高ボッチ山。夏になったら泊まりながら移動する旅も良い。