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旅あれこれ 北陸・中部・東海6【金沢散歩】

金沢散歩と砺波のチューリップ

2008/04/12~13

 初めて金沢の街に立ったのは今から38年前、大学4年の卒業旅行の時でした。福井の友人に案内してもらって兼六園や香林坊を歩いたのです。香林坊には当時でも新しい部分とレトロな部分が同居していて、何か経験したことの無い雰囲気がありました。センス良くかぎりつけられたウィンドーが並ぶ一方、一本路地に入るとそこには口髭のマスターがパイプを銜えながら、サイホンでコーヒーを立てているようなセピア色の喫茶店がありました。一見芸術家風の紳士がベレー帽を少し横にして頭に載せ、饒舌なマスターの話に聞き入っていました。ランプが似合うような雰囲気で、遠い記憶の中からその部分だけを切り取ってみると、私はそこに下北や渋谷の裏通りで同じような風景を見ていることに気がつきました。

 その後、金沢には妻と二度、会社の出張で部下と二度訪れています。その度に兼六園と石川門と忍者寺そして武家屋敷を訪ねています。ですから今回は違った趣向でパン屋を訪ねたり茶屋街を歩こうと決めていました。

 私は2・3週前から金沢と考えていましたが、妻には数日前になって急に話しました。妻も金沢は嫌いではありませんから話は直ぐに纏まりました。妻と最初に訪れたのは、ちょうど自宅を新築する年のことです。玄関に置きたい様な大きな九谷の壷が気に入り、滞在中3日間毎日市役所脇の陶器屋さんに通い続けたのです。結果壷は100万から60万まで値段が少しずつ下がりましたが・・・とうとう決心することが出来ませんでした。そんな想い出も蘇ります。あの壷は今どうなっているのでしょうか。まだお店に残っていたら買わずに正解です。

 昼前に金沢に着きました。今にも雨が落ちてきそうな天気で、車での泊まりが億劫になり結局ホテルを予約しました。車を預かってもらえることになり、歩いて目的のパン屋・ドンクに向かいました。ホテルのフロントの女性もこの店は良く知っていて、なるほど行ってみて納得です。クロワッサンには長い行列でしたが、妻の頼みであれば長い行列でも素直に従えます。チョコ・よもぎきなこ・プッチーズ・・・いずれも満足の『まいう~』。特にチョコは食べると中からビターなチョコが出てきます。生地に練り込まれている物と思っていたが、その食感は驚きでした。又クルミレーズンは翌日に食べても美味しく食べる事ができました。詳しくはグルメ・パンのコーナーをご覧ください。

 香林坊大和から市役所方向へ登っていきます。直ぐの旧四高は赤いレンガで綺麗な建物で良く目立ち、通りに面した場所に学生の像が立っています。下駄履きにマント、袴に角帽、熱き心に青雲の志・・・まさに貧しくても良き時代の日本を髣髴とさせてくれます。

 桜並木をくぐって石川門に向かいます。金沢公園から途切れることの無い人の波が続いていて、正に雑踏でした。みんな春の陽気とお花見の雰囲気に浮かれ、櫓の下ではブルーシートを敷いた何組ものグループが酒盛りの最中です。信号を渡って橋に向かうと、橋の上では石川門をバックに写真を写す人々でいっぱいです。桜とお城のコラボレーションはやっぱりシャッターを押したくなります。それにしても櫓と桜・・・いかにも日本・・・やっぱり桜は日本の花の代表でしょう。金沢大学が移転して中を開放したのが平成7年だそうですから、最低でも13年は金沢に来ていないことになります。初めて中に入りました。急ピッチで櫓などが築造され、見事なお城・・・風・・・が出来上がろうとしています。復元することにどれだけの意味があるのか私には解りません。城内を通り抜けて大手門口から主計町に向かいました。

パン屋 ドンク
旧四高の建物はレンガ造り
熱き血潮に
石川門近くの櫓と桜

 絵蝋燭や金箔のお店など歴史と伝統の街並みに見とれながら浅野川界隈を歩きます。今回のメインテーマでした。一メートルほどの路地の両側でそこに棲む人々のそれぞれの生活が脈々と営まれているのです。こんな路地が現代に平気で残されている金沢のすごさ。茶屋街を通り抜け対岸に移り茶屋街に目を遣ると、街並みを桜が綺麗に彩っていました。ガス燈のような照明にライトアップされた浅野川の桜はロマンチックに違いありません。残念ですが夜は気力がなえて出かけることが出来ませんでした。

伝統文化 絵蝋燭
主計町へ
主計町茶屋街
浅野川の対岸から 茶屋と桜

 東茶屋は観光客が引きも切らさず行き交っています。主計町よりは街並みが整然としていますし、規模も違います。いきなり【コールドパーマ】と看板を掲げた美容院があります。中では蛍光灯が点いていましたので、立派に営業しているのだと思います。大正ロマンのような雰囲気が楽しめました。その他にもまだ営業している様なお店や茶屋がありました。韓国人観光客のツアーとバッティングしてしまい、我が物顔の振る舞いには閉口です。急いで離れました。日本人とりわけ一昔前の○協の団体さんは、外国でこうして顰蹙を買っていたのでしょう。雑踏から離れ神社脇の【子来坂】を上って行くと、右手に【宝泉寺】があり、その前の展望台から東茶屋街を見下ろすことが出来ます。黒い屋根が古い街並みをイメージさせてくれました。その古さと高層のマンション群との対比が何か新鮮に感じました。このポイントは穴場です。

 何度も言いますが私は煙のように高いところが好きですし、見下ろすのが好きですが、性格的には稲穂のように頭を垂れるいたって謙虚な人間性です。

 近江町市場までさらに歩きました。そして神社口から入っていきました。様々な海鮮が豊富に陳列されていて、元気な女の人がよく通る声で呼び込みをしています。『全部で1万円でいいよ』と5・6杯の蟹。

 ところが次のお店は8.000円と大声で叫んでいます。おそらく観光客が9割9分、完全に俗化されていそうで買いたい衝動が起きませんでした。夕飯用に海鮮モノでも買いたかったのですが、何も買うことなく市場を後にしました。ホテルに戻る途中の香林坊大和で・・・あまりにも多くのお店・種類の弁当があって・・・迷いに迷って2種類のお弁当を求めて夕食にしました。神戸コロッケが美味しくて・・・満足でした。

東茶屋街
東茶屋街と高層ビルが同居する
茶屋

 夕べ私は8時に寝てしまいました。12時に目がさめ1時ごろまで寝付けませんでしたが、4時には腰が痛くなって起き上がっていました。妻が起きたので西茶屋街に向かいます。こちらは主計町よりさらに小規模でしたが、ほとんど営業していると思われる茶屋ばかりでした。直ぐ近くには忍者寺がありますが、今回は見学しないことにしました。そして富山のチューリップに方針を変更しました。

近江町市場は観光客ばかり
早朝の西茶屋街
忍者寺・妙立寺

 もうチャンスが無いと思ったので富山方面に向かいます。チューリップ公園は4月下旬から開催されるお祭りの準備で、今植え込みの真っ最中で見学は出来ませんでした。それでも美術館の庭や四季彩館は十分楽しめました。珍しく妻は大きな木靴をはいてはしゃいでいました。

 500メートル程離れた場所にも県立の花総合センターがあり、十分楽しんで見学できる施設でした。

 作られた美しさは十分堪能しましたので、富良野のように畑に植えられているのを見たい・・・と思って高岡まで車を走らせて見ましたが、最下段の写真のようにまだまだの状態でした。ここ数年のうちにわざわざチューリップを見に来ることは無いと思いますので、少し残念ではあります。

 帰路、妙高や黒姫高原で・・・妻がどうしてもフキノトウがほしいと言うので・・・斜面を降りて採って来ました。美味しいフキノトウ味噌とチーズを乗せ、ピザ風のパンを食べたいと思います。

美術館の庭
チューリップ公園付近の水車
大きな木靴
県立花総合センターの温室で
畑にはちょぼちょぼ
少し早かった畑
チューリップ畑と立山連峰のイメージ
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