知覧武家屋敷散策
知覧武家屋敷【鹿児島・南九州市】
2013.04.29(月)
徳川幕府は一国一城を厳守させていた。そこで薩摩藩は鶴丸城を内城として、領内に113の外城をつくり防衛線を敷いた。
その一つが知覧である。石垣に植込みが続く城壁状のものが700㍍も続く。
一軒一軒を見るとその一軒がまた城郭状になっている事が判る。
敵が侵入してきた際に勢いが着いたまま邸内に侵入できないように、門から入ると遮るように石の壁が築かれている。
また宿場町の枡形のように進軍のスピードを弱めるように、曲がり角が要所要所に作られている。
生垣の手入れも素晴らしい。観光シーズンを迎えて準備したのか・・・どのお宅でもきれいに刈り込みが終わっていて・・・整然としている様にはただただ感心するばかりだ。
薩摩武士と言えば・・・無骨ものでとても庭園を愛でている様子は想像できないが、10以上の庭園が一つの風致地区として残されている例は全国でも稀だ。
重要伝統的建造物保存地区として選定されている。
この区割りは18代知覧当主によって作られたもので、250年も前の時代のものだ。
連休とあって観光客が途切れることは無い。ただ団体のバスなどが多いようで、人の数の割には駐車場に直ぐ入る事ができた。観光バスは武家屋敷群に隣接し、契約しているお土産屋さんの駐車場に入るようだ。
粘って粘ってなるべく人の流れが途切れたチャンスを狙ってシャッターを押す。
しかし必ず観光客が映り込んでいる。性質の悪い外国人団体も居たがあえて国名は言わずもがな・・・。
その団体が予約しているのか、蕎麦屋さんなどはいっぱいの人だ。
食事を注文してから街並みを見学している家族連れもいた。
お昼になったので私も入って行ってお店を覗くと、外までの行列になっている。武家屋敷群に入ってすぐのお店は、場所的にも好条件のようだ。
お腹は空いていたが特攻平和会館にも行きたかったので、ゆっくり待つ事はできない。
そこで客をこの店に案内してきたタクシーの運転手さんに聞くと、『空いている』と教えてくれたのが【10割蕎麦】のお店。
味を尋ねると・・・どちらも美味しい・・・と言うので、武家屋敷群のほぼ真ん中にあるこの【10割蕎麦】の店に入る。たった一組の客しかいなかった。
ちなみに混んでいたお店では、タクシーの運転手さんは外にある小部屋でお蕎麦を食べていたが、お客さんに御馳走になっているのかもしれない。そういうルールなのだろうか。
何か身分の違い・・・的な臭いがして嫌だ。お店で一緒に食べればいいのに・・・と思うのだが。
それともお店のサービスだったのか・・・それでもお客と一緒で良い気がする。
入り口が紛らわしいお店で蕎麦セットを頼んで待つ事20分ほど・・・目には美味しいお蕎麦が登場する。
食べると関東人には【コシ】がなく、柔らかい感じのお蕎麦だ。
九州に来て蕎麦は5食目だったが、これまでのどの蕎麦も関東では俗に言う【茹ですぎ】的に柔らかい。
九州の蕎麦はこうなのかもしれない。
もっともしっかりした蕎麦屋さんで食べているわけではなく、道の駅やらサービスエリアやらばかりで、確りした蕎麦屋さんはここが初めてだが。
このお蕎麦屋さんより先には進まなかった。結局街並みの半分しか見ていない事になる。一本裏の通りまで確り石垣と植込みが続く場所もあれば、近代的なお宅が立っている所もあった。
見た範囲ではあるが石垣と植込みが延々と続く様は、これまでの街歩きで経験した事が無い壮観なものだった。