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痛いところを突かれる

雑感

先日友達の所を訪問した時に頂いてきたある調査報告書があります。今日、ずっと読んでいました。内容は東京都のある自治体にあるゴミの処分場の、その後の自然回帰対策とその検証を25年にわたって調査したものです。

この調査には友人であり我が宿六の会の若頭的な存在、鉄人氏も関与していますし報告書の取りまとめも携わりました。
難しい話はするつもりはありませんが少しだけお付き合いください。

要するに
東京都が自分たちの地域から出るゴミを自分たちの住む地域で処理するため、都内の自治体にあえて処分場を作りました。一時東北地方などにゴミが運ばれる傾向が強く出て、東北の自治体などからは強い反発がありました。
迷惑施設は自分の所から離れた他所に作ってくれ・・・というエゴを排除した非常に評価できる政策だと思います。

それが・・・捨てられたゴミ処分場は当然そのままにしては置けません。住民が納得しませんし、環境汚染を防止する方策も立てなければなりません。それはどんな形が望ましいのか・・・を永年にわたって調べたのです。
ですから今後の処分場建設やその跡地利用を考える重要な資料となっています。
行政に携わる方は無論のこと一般の方も是非参考に目を通す価値はあると思います。

植物の生育や動物の生態などを通して非常に解りやすく、興味深く見ることが出来ます。ゴミの処分場がこんな風になるのか~・・・って思ってもらえるだけで良いと思います。

この報告書の巻頭に10年間調査と利用形態の指導をしてきた麻布大学の○槻教授が挨拶を寄せています。
この教授のお話はすごく解りやすく感銘すら覚えるほどでしたが・・・私が普段言っている
【不便な暮らしを享受すれば自然破壊は防げる】という理論は、浮ついた空論・・・と断じていました。

実は私も普段から感じていない訳ではなかったものですから、何か痛いところを突かれた気になりました。人間が生きていればゴミは出ますし、少しは自然破壊も進みます。
ですが長い年月にわたってこうした自然を回復させようとした人達がいたことが、実は重要なのでしょう。

ちなみにこの教授の回帰方策は園芸種の花や木を植えて公園化したりするのではなく、ススキが一面に生えてくるまで何もしない方法でした。身近にいるあらゆる生物が帰ってきて食物連鎖が形成され、素晴らしい里山に甦りました。

そして朱鷺やコウノトリがいる自然も大切だが、身近なありふれた生物達が普通に暮らせる自然はもっと大切だと言っています。おっしゃる通りで薄っぺらな知識しかない私にもその理屈は良く理解できます。なぜかこの教授の自然に対するホットな部分を感じて・・・しなやかながら筋の通った人間性を感じて嬉しくなりました。

そしてその調査に関係し、報告書を取りまとめたのが仲間の鉄人氏ですから・・・嬉しいのです。さらには・・・あまり関係ない話ですが、その報告書も仲間の【濡れない渓流マン】氏が印刷しました。他人事なのに・・・なぜか胸が嬉しい気分で盛り上がっています。

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