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護摩祈祷

日常

夕べ予定通り出発し、今日朝9時に護摩を焚いていただいて帰って来ました。
娘と連絡を取ろうとしたのですが、仕事中だったらしく中々連絡がありませんでした。したがってホテルを予約する事かできず、車中泊をする事にして夜8時ごろになって出発したのです。

那須サービスエリアまで行くと標高が高く、きっと寒いだろうと考えて黒磯パーキングで眠る事にしました。小さなパーキングですからトラックなども少なく、静かに眠る事が出来ました。トラックは眠っている間もエンジンを止めませんから、耳に着くと何時までも気になって結構眠れないものです。夏なんて特に保冷車が近くにいたら耐えられません。

近くに一台いましたが夜中に出て行きました。それからは確り熟睡し、気持ちの良い朝を迎えました。外に出て見ると朝焼けの那須岳がそびえていました。

奥州山本不動尊は東北不動尊36霊場の一つで、開基は弘法大師が湯殿山開山のために東北行脚した折、この地に住む悪鬼の調伏祈願に由来すると伝えられています。
正式な名前は真言宗智山派の寺で【徳善院】と言います。

私は現在の家に転居して以来毎年ここで護摩祈祷をお願いしていますので、実に20年以上も通っています。
信仰心の問題ではなく・・・護摩壇の前に姿勢を正して座ると、気持ちが引き締まるような気がするんです。

護摩壇の前に正座して待っていると、住職や副住職が入ってきます。合掌をして迎えます。
住職が座に着くと祈祷が始まります。住職は火をおこし始めますが、合わせて副住職は錫杖をならしながら大悲陀羅尼を唱え始めます。

護摩壇の火は徐々に勢いを増し、天井を焦がすほどの勢いになって行きます。副住職は摩訶般若波羅蜜多心経を荘厳な太鼓のリズムに合わせて唱えています。

観自在菩薩行深般若波羅蜜多・・・・・・
ドンドコドンドコドンドコ  ドンドコ・・・・

このリズムはおそらく人間が心地よく気分を高めて行けるように計算し尽された・・・強弱を刻みながら私たちを昇華させていきます。それは恍惚として・・・まるでエクスタシーの境地に導かれた感さえあります。ひたすら陶酔して心経を唱えるのです。

やがて真言が唱えられると、何の邪念も無く恍惚として空の世界を漂っていた自分に気がつき、平静さを取り戻して行きます。
ノーマクサーマンダー バサラダン センダマカロシャダー ソワタヤ ウンタラター カンマン・・・

ちょっと宗教的になりますが・・・仏様によってこの真言は変わります。上のカタカナで書かれた真言はお不動さまのものです。
観音様のものやお地蔵様のものなど、それぞれ別なんです。関西の方はお経なども良く知っている人が多く驚かされますが、それに比して私の田舎などは仏教文化に乏しい気がします。

僅かに20分ほどですが・・・御札が火にかざされて魂が入れられると、祈祷も終わりに近づきます。何か上気した心が落ち着きを取り戻す頃には、よく言われる【心が洗われたような】感覚に包まれています。

この感覚が好きなんです。何か自分が善人であったり賢者であったような・・・。矛盾していそうですが、決して矛盾していないません。ただ表現する言葉が見つからないのです。
わざわざ福島県の田舎、棚倉町まで出かけて行く意味はその感覚を呼び覚ましてくれるからなのでしょう。
帰路で見た那須岳・・・空の心を連想できませんか。

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