昨日の続きになります。玉川温泉は強酸性・・・pH1.2という塩化物泉ですから、どちらかというと塩酸に近いようなお湯です。実際お湯の中に10円玉を置いておくと跡形もなく溶けてしまうという凄さです。
なぜこんなお湯に入るのでしょうか・・・強酸性のお湯がツボを刺激し細胞の新陳代謝を活性化させて、病気に効果があると信じられています。岩盤浴も全く同じで【温浴効果】で新陳代謝を促進させますから、お湯と併せて相乗効果を期待するのです。
実際治ったという人も沢山いますが、知り合いになって年賀状を交換している人の中で訃報を頂いた方も多いのが事実です。ですから【何を期待して玉川に行くか】という事が最も重要です。
多くの方が西洋医学に見放され余命を宣告されたような方たちですから、必死で頑張っている最中に事故に遭遇したのだと思います。
冬は雪が積もるためテントの中で岩盤浴をしますから、テントの中は順番待ちで大変なんです。そこで人が少ない時を狙っていくのですが、それが事故があっても発見が遅れる原因にもなりかねません。まあ、不幸な事故と言わざるを得ません。
気になったのは・・・マスコミも親族の方も『玉川温泉に過失があった』と感じさせる発言がありました。『温泉側には今後より一層の注意が求められます』と言うように。
玉川温泉とは何も利害関係がありませんからはっきり言えますが、あのテントや岩盤浴場は温泉とは全く無関係なんです。国立公園の一部で環境省が管理しています。ノロウィルスなど対策のため玉川温泉が環境省から消毒業務を受託して毎日消毒していますが、玉川温泉に注意義務があったかというと疑問です。
確かにあそこを利用してしこたま儲けていますから、事故があると客が減って経営上は不利になるから『常に注意を払ったほうが良かった』と考えればその通りで、それだけの事なのです。
責任はむしろ環境省・・・と言うことになりますが、これを声高に言われたくあません。なぜならそうなると環境省はリスクを負わない方法を考えます。【立ち入り禁止】にしてしまえばよいと安易に考えるのでは・・・。
そうしたら最後の頼みの綱として病気と闘っている人の希望を奪う事に繋がってしまいます。それだけは何としても避けたい・・・玉川の岩盤浴は存続させなければなりません。あそこは皆さんが考える観光地としての温泉ではなく、最後の戦いを挑む方たちの戦場なのです。
理解を深めていただくため写真をご覧いただきます。
5月のアスピーテラインは2メートルの壁、こんな道を玉川に向かいます。
駐車場もご覧の雪、いつ崩れても不思議ありません。椅子でくつろぐ妻は慣れたものです。
雪で覆われる玉川温泉の5月は、まさに【埋もれる】状態です。
左の傾斜が雪崩を起こした斜面です。斜面のすぐ下にテントが立っていました。
右手に二人の方が見えますが、あのあたりから左手に私たちがいつも寝転ぶ河原が続きます。斜面にいつ転がり落ちても不思議のない数トンの大岩が見えています。
夏でも危険なんです。
たまたま雪崩を起こした斜面を数年前に写していました。雪が残っていて雪崩が起きそうな雰囲気を感じ取ってもらえると思います。こんなことで写真を使うことになるとは・・・ご冥福をお祈りします。玉川温泉の岩盤浴・・・感じ取っていただけたでしょうか。
コメント