山登りのスペシャリスト・・・と言っても登山の話ではなく、箱根駅伝5区の山登りの区間を走る話なんです。
優勝大本命の駒澤大学の選手が低体温症でブレーキを起こして、優勝は青山学院に。7分の差をつけられては復路で頑張ってもほとんど優勝は不可能でしょう。
まあ復路優勝の目は残ってますが、総合優勝は絶望的。
昨年もちょっと大八木監督の采配について触れましたが、今年も少し言いたいことがあります。
部外者の話ですから想像の域を出ない事を承知で読んでください。それと先輩としての意見でもあります。
私は大八木監督が箱根を走りたくて、駒沢に入学してきた時から知ってます。そして始めてシード権を取ったときは一緒に泣きました。
今の駒澤があるのは間違いなく、100%大八木監督の力です。それを認めたうえで、あえて愛しているからこそ何度も厳しく・・・辛辣に言わせてもらっているんです。
策士、策に溺れる・・・と毎年感じます。直前のエントリー変更などは的中した時は【采配の妙】の悦に入ることでしょう。しかしそれを追いかけすぎて、策に溺れている気がします。
もっと落ち着いて選手が準備して100㌫の力を発揮できるように、むしろそれに意を注ぐべきだと思うのです。
どこの学校も優秀な選手を目いっぱいに鍛えて出場してきますから、ブレーキが無い限り大差が付くことは考えられません。
5㌔15分の選手がいきなり13分では走れないでしょう。むしろ16分かかってしまうことがあるとしても。
平地の区間では外国人などの大砲が活躍したチームが上位に進出し、ブレーキがあったチームは下位に沈む。結局第5区の山登りの区間が最も勝敗を左右するようになりました。
何かを調べようとすると私は凝り性で、今日も第5区について調べてみました。
そしたらここ10年間で第5区の区間賞を取ったチームが、例外なく優勝しているんです。
これは面白いデータです。外国人が十数人ごぼう抜きしても、五区で勝てなければ優勝していないんです。
柏原の東洋大が4年間、今井正人の順天堂が2回、昨年の東洋の設楽、一昨年の日体大の服部、早稲田、そして今年の青学。
結局平地区間での差よりは、5区のスペシャリストを養成することが優勝への近道では。
駒沢の監督が『低体温症』と言ってましたが、それを信じたとして・・・柏原も今井もタンクトップでは走ってませんでしたよね。
このあたりから山を知る事が、スペシャリストとして不可欠でした。それを指導せずに追いつかれた時に煽るだけが采配ではないでしょう。
結局は低体温症に敗けたのではなく、昨年の東洋大同様に今年の青山も強かったのです。完敗です。
走法を懸命に指導することも大切、でも優勝した学校には・・・何か確りとまとまった連帯感が感じられます。
昨年も言いましたが監督が管理して強いチーム作りを目指すのは、方向違いと言う気がします。生徒たちの自主性を育てながらのチーム作りが求められている・・・箱根もそういう時代にさしかかっている気がします。
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