集団行動の若者

珍しくテレビを見ていると・・・日本体育大学が毎年実施している【クラブ活動報告会(？)】を取り上げていました。日体大と言うと・・・おそらく沖縄のエイサーから派生した思われる【えっさっさ】が有名です。

たくましい身体の男子大学生がパンツ一丁で集団演技を見せてくれますが、これが実にきびきびした動きでしかも力強く、初めて見た時は感動的でかつ驚きでもありました。
こんなに統制がとれた・・・一糸乱れずに続けられる演技は、【素晴らしい】の一言。

男子学生には他にも集団で演技するものもあります。言葉で説明するのは難しいのですが２組の集団がぶつかる事なく交差したり、そのままバックで進む【リプレイ】で交差したり・・・その寸分の狂いもない動きは、人間の技ではないと思うほど・・・。

どれほど苦しい訓練をしたのだろうと・・・一瞬憐みさえ持ってしまいます。どういう教育目的があるのか私には解りませんが、少なくても学生達は報告会での成功で達成感と自信を持てたと思います。

驚く事に・・・日体大の長い歴史の中で、今年初めてこの集団行動に女子学生が挑んだのです。生徒たちは自分の意志でこの集団に参加したのですが、テレビで取り上げるほどの事ですから訓練もまた大変な内容でした。涙・反発・苦悩・・・でも最後には信頼・・・。

それがテレビを見ていた我々を感動させたのですが・・・完璧な演技をした女子学生の感動の涙を見て、涙腺の弱ったオジサンも一緒に泣いていました。理屈じゃなくて・・・頑張った結果には、やはり心を動かされてしまいます。

こんなに素直で・・・頑張って何かに挑む・・・有能な若者たちが、数年後にはあるいは数か月後には、働ける仕事場も得られずに社会に放り出されます。自分の努力とは全くかけ離れた社会情勢だから・・・虚しい。

こんな若者たちが夢を持てない日本は・・・やはりおかしい。一方で安全対策をおざなりにして多くの国民の生命を危険にさらした電力会社の役員が、数億円の退職金を手にしてなお責任からも免除されています。

努力したものが報われる社会に・・・小泉・竹中の改革は言葉では素晴らしいものでしたが、勝ち組や負け組、格差拡大、派遣社員と正社員など大変な苦難を弱者に押し付けています。この若者たちの未来を奪ったのは、小泉のメッセージに踊らされた我々でしょう。

学生たちの未来は改善される兆しも見えません。せめて努力に応えられる日本にリセットしてあげるのが、我々団塊オジサンの責任です。
それにしても素晴らしい若者たちでした。