日本柔道はついに金メダルを逃しました。それも何時かは時間の問題で訪れた、仕方のない事だったと思うのです。日本の選手が弱かったのか・・・私が先日言ったように世界のレベルが上がっているのか。
プレッシャーとの戦いを自分の中でどう消化させるのか・・・はどの種目にも言える事ですから、しかも世界中の選手が経験することですから日本柔道だけが言える事ではありません。
何度も柔道選手の口から出てきた『勝てなくて申し訳ない』という言葉は使うべきではない気がします。ベストを尽くせても・・・尽くせなくても・・・精神力までを含めて【実力】なのですから、弱い人は敗けて当然なのです。ですから謝る必要なんてないんですよ。
その悔しさに耐えて強くなるんですから・・・水泳の入江も寺川もそうでした。次のチャンスに向けて努力しなさい。悔しさをバネにしなさい・・・それだけ言えばいいんじゃないでしょうか。頑張った選手・・・たまたま実力を発揮できなかった選手を責める資格は、誰にも無いんです。
柔道は【金太郎飴】見たいに・・・世界ランキングが10位以下の選手までが【金メダルに向けて頑張る】って言います。おそらくコーチに『自分で思い込まなかったらダメだ』なんて言われて、無理やり思い込もうとして言葉にしているように感じました。
それを感じたので先日あんなコメントをアップしたのですが・・・嫌な現実になってしまいました。コーチや監督からコメントまでを教え込まれる選手って、どんな国にもどんな競技にもいないと思うのです。
上下関係が厳しいから・・・ということもあると思いますが、少なくても勝負は自分の意思をだして戦わないと。外国の選手は日本人より数段、戦い方を知っている気がします。
ここは組まずに逃げよう・・・とか、技をかけたふりして逃げよう・・・とか、今、世界の【JUDO】はそこまでを含んだ競技なのです。さらに言えば【審判の未熟さ】までも含んだ勝負なのです。
だから国内では日本人同士が確り吊り手と引手を持ち合って投げ合う勝負で良いのですが、世界では日本の柔道が通用しないこともあるんです。それでいいのではないでしょうか。
もう・・・違う競技なのです。
それにしても・・・水泳の入江選手のコメントが凄かったですね。苦労して・・・乗り越えてきた選手だからこそ言えるコメントでした。『水泳競技27人のリレーだ。だからメドレーリレーの最後の泳者が終えるまで我々のリレーは終わらない』
23歳の若者の素晴らしい・・・心から仲間と繋がっていると感じさせてくれたコメントでした。一方で先ほど言った柔道選手の【金メダルコメント】・・・・柔道は金を取れなかったとか、水泳は金に近い銀を取ったから・・・とか、そういう話ではなく『自分の思いを話しているか』『金太郎飴か』を比較しているんです。
自立した選手をオリンピックに送れる国にならないと、どんな競技も柔道の轍を踏むことになりはしないか・・・それが心配なのです。
流石に柔道2回戦で負けた選手に『おめでとう』と言ったら嫌味になりますが、北京五輪で5位になった入江選手に『残念だったね』と言う声ばかりで『おめでとう』という言葉は無かったそうです。
我々の感覚はマヒしていました。たかが私の誕生日が来ただけで『おめでとう』なのに、世界で・・・オリンピックで5着になったアスリートに『おめでとう』と言わなかった国はやっぱり恥じるべきです。23歳の若者に今回幾つも教えられました。
頑張ったアスリートにおめでとうと言える国に・・・普通の国に・・・成長しましょうね。
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