室内岩盤浴の玉川温泉《秋田・仙北》
2019/06
十数年来続けてきた玉川温泉の湯治を、ここ数年は中止していた。
理由は様々で、まず妻の母親の介護に追われていた事。妻の体調管理のためとはいえ、我が家だけが手を抜ける状態では無かった。
次に玉川温泉自体に問題があって、私達の中で雰囲気的に来ようとするモチベーションが希薄になっていた事。
一時期「ノロウイルス」等がたびたび発生して、営業休止になって急きょ宿を追い出されたりもした。
食材を1週間分買い込んでチェックインしたのに、その日に営業停止で追い出されたことも。
こんなことが数年続き、結局は経営主体が変わるという事態にまで発展。
2017年に経営悪化から国の再生支援機構へと移管され、旧創業者一族が完全に手を引くこととなった。
このことから当然、宿泊料金にも影響が及び土曜日などは大幅な値上がりに。
そして何より嫌気がさしたのは・・・身勝手な人が多くて湯治でリフレッシュする雰囲気が崩されてしまったこと。
韓国・中国などからツアー客が押し掛け、ルールもモラルも・・・最低のマナーさえ守られない仕儀に至っては・・・遠ざかるしかなかった。
むろん日本人さえマナーの悪さの点は中国・韓国に決して引けを取らない。
病気と闘うためには他人の立場を考える余裕などない人間が多く、ちょっとしたことでいざこざになりギスギスした関係。
2015年に大量に作ったニンニク卵黄が3年ほど持ってくれたので、ちょうどタイミングよく昨年まで湯治はお休みにすることができたのだった。
そして今年は・・在庫がなくなってしまったニンニク卵黄を作るために、春先から計画にあがっていた。
そこで5月に能登半島に旅行した時に、輪島の朝市でニンニクを大量に購入したのだが・・・何ともこれが失敗。
ニンニクとはどんなところでどこの産地のものを買っても、全てが6片のものと思っていた。
というのはこれまで青森・田子町産のホワイト6片しか使かった事が無かったからだ。まさかコブクロが10個も20個もある種類など考えも及ばなかった。
玉川温泉遊歩道わきの噴気孔で蒸し揚げるのだが、困ったのはそのあとの作業。
ホワイト6片なら大きな袋を6粒分破いて中身を出せば1個の作業は終了する。
2㌔のニンニクだと精々30個×6で180の袋を破れば終わる。しかも袋が大きいので作業も簡単。
ところが輪島のニンニクは1個のニンニクが小袋20粒ほど。細かくて作業がしにくいうえに、数は3倍から4倍の袋数。
小さくて面倒くさいニンニクを600袋を破いたことになる。
ニンニクは青森のホワイト6片が絶対である。
家に戻ってから妻と二人で成形作業が二日間。お陰様で今年もニンニク卵黄が強い味方になってくれそうだ。
我が家の秘薬。大きく成形したので今年は数が少なくて、1年半持てばいいかな!
今回の湯治は梅雨の時期と重なることを覚悟の予約だった。予感が的中し、チェックインの日は雨の中での荷物搬入。
自炊棟での湯治は食材は無論の事、炊事選択器具全てを持ち込まなければならず、大きな段ボールで6箱。
昔はスタッフが手伝ってくれたが、今は自己責任。ましてや逸早く経営を安定させる必要があって・・・自炊客はなるべく減らしたい・・・。利益の大きいホテルへの客を増やしたいのが本音!
本来、我が夫婦の岩盤浴と言えば・・・雄大な自然の中で・・・青空を見上げながら寝転ぶもの。
だから設置されているテントの中での岩盤浴すらやった事がなかった。
ところが・・・前回から玉川温泉にも室内岩盤浴施設が出来て、雨の日でも便利に。
これまで湯治客は雨の日が休養日だったが、室内岩盤浴施設のお陰で雨の日でも岩盤浴が可能に。
この日の夕方の岩盤浴と、翌朝の岩盤浴は雨が降っていたので順番待ちだった。
しかし翌日の昼からは雨も上がり、みなさん外に出かけての岩盤浴だったから、室内施設はガラガラ状態。
これ以降チェックアウトの日まで、込み合うことはなかった。
今回我が家はすべての岩盤浴を室内で行った。それでも1日1回は、表に散歩で出かけていた。
これまで我が家の作戦として、雨が降っても降らなくてもとりあえず室内岩盤浴を予約。でも雨が降らなかったら、外へ出て岩盤浴をするというのが定番だった。
今回からは割り切って・・・すべて岩盤浴は室内で。忙しく無くて良かったから、次回もそうなるかも。
大いに汗をかいて身体の芯から温まり、家に戻って2週間が経とうとしているが未だに身体が暖かい。
汗をかくことで新陳代謝が向上し、体内の毒素を排出する効果が期待でき、強酸性のお湯がツボを刺激することによって免疫力の向上間違いなし。
その代りエネルギーの消耗が激しく、しっかり高カロリーの食事を摂らないと、疲れて・・・痩せて・・・逆効果になる。
山友のホロホロ三世が化学物質過敏症で苦しんでいるので、この玉川湯治を勧めたいが・・・効果を信じてくれないと思う。
ホロホロに限らず・・・海のものとも山のものともつかないものを信じる方がおかしい。
私も説得するだけの化学的根拠を持っておらず、ただ単に20年という経験の裏付けだけですから。
北投石と勘違いした人がこの場所の岩を削って持って帰ります。見るも無残に削られてしまった岩です。
北投石だったら環境省もそのままにはしておきませんから。
藁にもすがる気持ちで、岩をかいて持って帰るのだろうが・・・本当に玉川は温泉と言うよりは、戦場と言う感さえある。