アマギシャクナゲの無い・・・天城山
平田影郎
天城山に限った話ではないが、登り直しの山へは別の登山口を選ぶか、登山口を選べないならコースを替えるように心がけている。
天城山は電車での山行となるため、下田駅から天城高原ゴルフ場へのシャトルバス利用となり、登山口は同じにならざるを得ない。
今回は万三郎からシャクナゲ群生地を通るコースで周回した。もちろん前回もそのつもだったが、コースが閉鎖されていたのだった。
バスに並んでいると横浜からの女性と話に花が咲き・・・そのほかにはツアーの6人と単独行が2人。そしてカップルの男女。
バスは空いていた。10時10分発では登山としては遅い時間なので、登山者には敬遠されるのかもしれない。自家用車利用が圧倒的。
私としてはこれ以上早く本庄を出発できないので、アクセスも時間も定められたように行動するしかない途中で乗り込んでくる人もなく、バスは10分ほど早く到着した。
トイレを使い、足には靴擦れ防止のシールとテーピングを施し、勇躍出発した。
バスで一緒だったツアーの皆さんはガイドさんの説明を受けている。
駐車場の向かい側、帰りのバス停の脇から登山道が始まる。二度目なのに全く頭に残っていない。帰りのバスは15時15分。車での山行と違って、こんな時間に束縛される。
バスの時間に戻りたいので・・・と横浜の女性に声をかけて先を急いだ。
50分ほどで万次郎に到着。丁度お昼なので多くのパーティが食事をしていた。私も少しゆっくりしたかったが、バスの時間が頭から離れない。昼飯は万三郎で摂ることにした。
前回は何もない馬酔木のトンネルを潜ったが、今回は僅かながら咲いている木があって花の百名山の・・・花を観たことにする。
稜線からは前回と違って眺望もあり、ゴルフコースを俯瞰する。スタートが遅いと言いながらも日曜とあって、出会う登山者は多い。
馬酔木のトンネルは5本に1本ぐらいの割で白い花をつけていた。前回は1本も咲いていなかったから、終わってしまってたのかも。
トンネルを過ぎると大きく下るが、稜線上一か所だけ梯子などがある岩場がある。が他の山のそれと比べたら、何も問題はない。
前回咲いていたシャクナゲ・・・馬酔木と対比すると正反対で、逆に今回は99.99㌫が固いつぼみの状態。僅かにピンクの色を纏ったつぼみが散見される。
この山行中、咲いていた天城シャクナゲは僅かに2本だった。もちろん登山道の脇にあるものしか確認はできない。
万三郎に到着して食事にした。食べながら立て看板のルート図を見ていると、確か前回も確認したコースに×が記されていた。
何時通れるように変更されたのか、それとも最初から通行止めではなかったのか?
いずれにしても15年も前の事で、記憶も定かではない。
×マークのシャクナゲ群生地を通るルートは登ってくる人も結構いて、通っても問題はないようだ。登ってきた人と話すと『多くの人が下って行ったから、問題ないでしょう。危ないところもなかった』というので、私も帰路はこのコースとした。
コースの途中で見つけた咲いているシャクナゲ。普通のシャクナゲよりも赤が強いと感じる。30分ほどで涸沢の分岐に到着。
ここから登山口までアップダウンはほとんどなし。団体の大人数おばちゃんが梯子で詰まって・・・それでも譲ってくれず、バス時間にハラハラドキドキ。
誰かが夏みかんを登山道に大量に放り投げてあって、ここで休んでいた団体のおばちゃんだろう。誰かに勧めたが誰も貰ってくれず、バテて辛いので少しでも軽くしたいと捨てたに違いない。
だから食べもしないものを・・・持ってきてはいないと学習してほしいものだ。
四辻に着くまで現在の時刻を知る事が出来ず、もう時間は過ぎたのか・・・それともまだ間に合うのか。
ザックを下ろして袋の中にある携帯を取り出して確認すれば結論は出るのだが・・・ザックを下ろして確認する時間も惜しまれる。この1分で遅れるかも知れず・・・。
四辻で休んでいたお年寄りが時計をしているのを目ざとく見つけた私。今何時ですか?と聞くと、『14時45分』と教えていただく。ここからバス停までコースタイムで15分とある。
それでも私は走った。バスに乗る前に身体を洗いたかったのだ。
バスの列には10人程ならんていたが、ザックを列において水場に向かった。
トイレを使うと上半身裸になって、水道の水を・・・・じゃぶじゃぶ頭から顔から背中から、たっぷり浴びた。そしてタオルでふき取り・・・ここももち汗臭さが消えたようだ。
天城高原ゴルフ場前の登山者駐車場のトイレ前には水道があって、男性なら気分爽快になれる。女性もなれなくはないが若い人は勇気がいるかもしれない。若くない人は気にしなくても平気だが。
身体を洗ってバス停に戻って、10分の余裕があった。
実はこれが大きくて、下田駅では既に到着していた電車の扉が閉じる寸前に乗車。熱海に着くと僅か5分の待ち合わせで高崎行きが待っているという幸運。
弁当を買う時間もないほど、ラッキーな乗り合わせ。それでも弁当とビールは欠かせない。そのために電車で来たのだから。
4時間の電車のボックスシートは辛くて、腰痛が起きてしまった。やっぱりグリーン車にすべきだった。