森林浴:小出俣林道
森の息吹きを全身に感じて
平田影郎
北風が吹きつける時季の次には必ず暖かい春がやって来ます。何ヶ月もこんな日を待っていました。既に森の木々は活力を取り戻しています。仲間を誘って森の息吹きを感じに出かけました。森の中でマイナスイオンに包まれる事は、人間本来の自然治癒力・免疫力を高める事が実証されています。
妻は前々からこの日を楽しみにしていました。『こんな風に木が生えて・・・木漏れ日が射し・・・緑のアーチをくぐり抜けて・・・』と想像をめぐらせていました。
上里SAで待ち合わせて、水上のコンビニではおにぎりなどを調達しました。残念ながらアネゴ(オバサン2号)は体調不良で欠席です。元鉄人、先生、妻(オバサン1号)、私の4人です。
今回は川古温泉の小出俣林道を行きます。結構ブナの大木が残っていて気持ちの良い森です。なにより林道に斜度がなく妻にも楽に歩くことが出来ます。2時間ほど歩いたとしても高度は50メートルも上がっていないと思います。
1時間ほど歩くと川を橋で横断しますが、その橋の手前に大きな桂の木が立っています。我々仲間内で“森のエネルギー”と呼んでいる木です。妻と二人でこの大木に蝉のようにしがみつき、エネルギーをたっぷりと注ぎ込んでもらいました。
木陰ではラショウモンカズラが今を盛りと咲いています。薄紫の綺麗な色でこの色は私が好きな色でもあります。
2時間ほど歩いて林道の終点で昼食です。マイナスイオンを浴びながらおにぎりをほお張ります。珍しく虫が群がってくることなく食事が出来ました。妻はまだまだ虫が苦手です。
帰路はいつもの場所で姫竹採りです。もう子供と一緒でブレーキが効きません。一人先生だけが醒めていましたが、鉄人と私と妻は夢中で竹やぶを這いずり回っています。初めてのはずの妻も教えを忠実に守っているせいか、以外に見つけるのが早く結構収穫しています。やっぱり私の妻、しっかり夫唱婦随なのでしょう。どこぞの家庭とははっきり違います。
どうにか50本ほどゲットしましたが、少し早かったようです。あるいは毎年毎年採りすぎて竹やぶに力が無くなっているのかもしれません。
先生は我々の行動にただただ呆れていました。どうしてそこまで夢中になれるのかが理解できないようです。子供のころから蕨やアケビなど山の恵みを先を争って採ってきました。(むろん当時は先を争う必要など無いほど、山は恵みに溢れていた)
単に子供のころからの習性です。見つけたら採る・・・ことが染み付いているのです。
谷の河原でコーヒーを容れます。この時間がまた格別です。何の変哲も無い時間と空間ですが、同じ価値観を共有する仲間との・・・ゆったりとした時間が流れていきます。
今日の風呂はいつもの『峰』ではなく、本館にしました。重炭酸分の多い気持ちの良いお湯でした。源泉に近いだけに峰ほど湯温も低くありません。10月に峰のぬるいお湯に入った妻は、それ以来川古温泉はゴメンだといい続けていました。本館のお湯は合格点のようです。
妻は『想像していたような森だった。緑のトンネルが気持ちよかった』と喜びを露にしていました。こんなに妻が喜んでくれるなら、少し森林浴の機会を多くしようと思います。