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52-1. 富士山

辛さも達成感も日本一の山・・・富士山

メ モ
登頂日 12/07/10(火)
天 候 晴れ 時々ガス
百名山登頂順 82番目
標 高 3,776㍍
登山口 スバルライン5合目
同行者 単独
温 泉 無し

タイム
場所・地点 往路 (着) 往路 (発) 復路 (着) 復路 (発)
スバルライン5合目P 04:45
八合目 07:30 07:45
山頂 10:40 11:05
本八合目【上江戸屋】 13:45 13:50
スバルライン5合目P 15:45
歩行時間
11:00

平田影郎

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テレビなどで報道される【山開き】などを見ていると、また夏に登山者が集中するのを見ていると、決して『登りたい』という魅力のある山ではなかった。百名山に挑戦してはいるがチャンスがなかったら『99座でやめても構わない』と考えていたから、今回のチャンスを逃したら二度と挑もうとする気持ちは起きなかったかもしれない。

梅雨の合間に【晴れ】が確約された日が突如現れ、これはとりあえず準備をして行ってみるしかない。そして駐車場が一杯だったら・・・止めてもいいや・・・全く成り行きに任せていた。

富士スバルラインの料金所は何か静寂の中にあって・・・とても夏山登山でにぎわっている雰囲気はない。2.000円の通行料を払って5合目に向かう。スバルラインを走行する車は私一台だけで、結局5合目までの23キロの間でノロノロ走るキャンピングカーを追い越して行ったのは僅かに一台のみ。

むろん4合目以降スバルラインに沿って作られている駐車場に駐車されている車は一台もなかった。

夏に何度も訪れているがこんなに空いている事は経験した事が無い。今日は5合目の駐車場さえ半分程度か。

富士登山は梅雨の間の晴れた日を狙うのが、気持ちよく登山できる条件かもしれない。

おかげで最高の登山に。富士山なんて無理して登らなくたって・・・と考えながらの挑戦だったが、スバルラインを走りながら見た天空に続く一条の光の帯。

山肌に張り付くように輝く営業小屋が灯す明かりを見た時、幻想的でロマンチックな輝きは私の意欲をものすごい勢いで掻き立てて・・・おまけに夜空は満天の星。明日の快晴は約束された感じで・・・心は簡単に『行く』と決まった。

 4時にアラームをセット。このまま登山を開始すれば八合目あたりで御来光を望めたはずだが、最近は寝なければ何もできない。

あわてずに寝てから行こう。4時に目覚めると・・・月が富士を照らす。よし、行くぞ・・・意欲はモリモリと湧き上がっていた。

出発を前に・・・空にはお月様が・・・いい天気だ!!
泉ケ滝の登山口へ向かう時にはすっかり明るくなっていた

泉ケ滝の手前で御来光が・・・・・多くの方がカメラをセットしてシャッターを切っている。うっすらとガスが漂い・・・幻想的な御来光。6合目までは車が入るのでかなり整備された道。

中国人観光客などを対象にした馬車もここまで入ってくるので、馬糞なども落ちている。5合目のホテルに泊まっている外国人観光客が、このあたりまで散策でやってくる。

ご来光を山頂で見ている人も沢山いる事だろう
いよいよ登山開始、泉ケ滝近くの吉田口登山口

6合目でトイレを使う。確りとゆっくりと登って行くにしたがって全容が見えてくると、あまりの圧倒感に押し潰されそうで不安な気持ちが膨らんでくる。『登れるのかな~』って。

途中途中で立ち止まって息を整えながら、少しずつ少しずつ高度を上げていく。一分歩くと30秒休むという繰り返し。7合目で大きく休憩を入れた。

そこで休んでいたのが今日ずっと一緒に行動することになった【横浜の高橋君】と仲間たちだ。初めての登山に富士山を選んだという。

意外にそういう人が多い。やっぱり富士は憧れを抱く存在なのだ。ほかの山でも知り合った方と話していると『最初の山が富士山』と言う登山者が多い。富士山が混雑するはずだ。

6合目からの登り
見上げると七合目の小屋
ここで金剛杖を求める人が多い。焼き印が混みで1,200円。

八合目までもつづら折れの厳しい登り。細かく休憩を入れながら上を目指す。岩場の登りも結構多い。このあたりは下山道は別ルートだが、下りてくる方も結構多い。小屋のある場所は休憩所になるが、本当に少ない登山者で小屋の少ないベンチでも十分足りている。

8合目への登り、鳥居荘の赤い鳥居が見えている
神社があるのでお参り
8合目への登り、下ってくる人も結構いる。登り専用だが

知り合いになった高橋君一行も遅れずについてくる。高橋君は『おやっさん、おやっさん』・・・と気さくに話しかけてくれて、つられて私もあれこれ話しかけ、いつの間にか友達になっていた。

登山が初めてだと言うのでアドバイスも・・・真剣に聞いてくれて、何とも嬉しい。これから山をやる時に教えてほしいことも出てくるので電話番号を教えて・・・と言うので、お互いの番号を交換した。

何が幸いするか分からない・・・この電話番号が下山してから大いに役立つことになった。

一週間前に交換した新しいバッテリーが再びトラブルで、まだ駐車場にいると思って高橋君に電話を入れると・・・・すでに5合目の駐車場をあとにしていた。

しかしUターンしてきてくれてブースターケーブルでエンジンをかけてくれたのだ。本当にありがたかった。

仲間の皆さんにもお世話になりました。初めての登山でヘトヘトだったでしょうに・・・感謝。

海抜一万八百七尺の碑は【3,240㍍】
本八合目の富士山ホテルで3,400㍍
仲間になった高橋君。単独行には仲間の存在が嬉しい

太子館で休憩の後、私はルートを間違えて蓬莱館の方に向かわなかった。下山道方向に進んでしまった。

そして分岐で注意されるまで全く気付いていなかった。『お父さん・・・ここは下山路』と若者に言われてビックリ。蓬莱館への道も教えてもらって、何とか正規ルートに戻ることができた。

下山時にはここから【下山専用道】を使う 
ちょうど荷揚げをするブルドーザーがやってきた

ここまでどこの小屋もオープン当初のようで、準備にあわただしく動いていた。しかしどの小屋も客は少なく閑散としている。八合五勺でようやく小屋前が賑わっているのを目にした。

このあたりから私は微妙に体調に変化を感じた。なんとなく頭がスッキリしてくれない。なんとなく重いの?・・・かな。胸突き八丁の九合目からははっきり体調に変化が現れた。

登っていて息苦しいのは厳しいのぼりだから当然としても、頭がクラクラ・・・フラフラ・・・する。そして脈打つように痛い。

八合五勺の御来光館 、いよいよ残りは1時間半
胸突き八丁の急斜面

つづら折れの一段を歩くと立ち止まって5分休み・・・そんなことだから高度を全く稼げなくなってしまった。おそらく青白い顔をして背中で息をしていたに違いない。

今まで3.000㍍峰を何座も登頂したがこんな経験は初めてだ。今までも有ったのかもしれないが、自分ではっきり高山病を認識した事はなかった。

回りの方と話してみると前後を歩いている人の中でも、何人も同じ症状の人がいた。意識してゆっくり登り始めたのに、防ぐことはできなかった。

山頂手前の狛犬、この方も初登山で高山病で苦しんでいた。九合目から一緒に登り剣ヶ峯まで行く
富士山山頂標

山頂の小屋でトイレを借りようとしたら『やってない』と断られてしまった。まだ我慢できる状態だったのはラッキーである。

九合目でそれを表示してくれていたら、ありがたいなー。

御鉢周りに行く予定だったが下山者の方から『まだ雪が残っている』という情報を得ていたので、お鉢周りは諦めて最高点の剣ヶ峯までに変更していた。

しかしそれも・・・この頭痛では覚束ない。とりあえず食事をとりながら休憩をしっかり取った。

30分ほど火口を見たりしながら静かにしていた。そしたら・・・気のせいか頭痛や胸の不快さが無くなった気がした。

この時点で連なっている外輪山のどれが最高点なのか分かっていなかったので、ちょっと先に進むだけで登頂できると信じていた。

ところが実際は火口の真向かいにある・・・気象台の立っているピークが剣ヶ峯だった。

小屋開けに追われるスタッフ。いよいよ夏本番の稼ぎ時
火口と外輪山。雪渓にはボーダーが滑ったシュプールが。左上に建物が見える剣ヶ峯

知らないことは行動力につながる。歩いているうちにどれが剣ヶ峯なのか教えてくれる人がいて・・・ショック。でも半分は過ぎてしまっていたから、勢いのまま向かって行った。

最後の・・・馬の背からの登りは半端じゃない辛さ。九合目からの登りよりきつかったかも知れない。ただ数分でクリアできる短いスパンで助かった。

剣ヶ峯への最後の急登、通称【馬の背】
富士山最高点から見下ろす

諦めずに・・・・・とうとう富士山最高点に到達。ボーダーの若者に高いアングルから証拠写真を撮ってもらって・・・珍しくアップ。5分もいて下山を開始した。

この時期最高点付近ではトイレもお店も開いていない。九合目で済ますことをお勧めする。

おそらくは高山病で具合が悪い方が、あちこちに転がっている。私自身も辛い登山ではあったが、これだけのプレッシャーは流石に日本一の山。良い経験をした。

ゆっくり30分ほどかけて山頂の扇屋付近に戻ると、ちょうど高橋君一行が登頂に成功した時でもあった。お互いの健闘をたたえあうも、すでにこの時間で最高点を往復した私に驚いている様子だった。

みんなで話しながら休憩。しかしグループで余裕があったのは高橋君だけ・・・のようだ。

面白いアングルでの記念写真。アンテナ用の鉄塔から。
おそらく高山病でダウン。こんな人を数人見かけた。

八合五勺まで一緒に下山したが・・・私が一緒だと余裕があった高橋君だけが先に進むことになり、グループがバラバラになってしまうので、私だけが先行して下山した。江戸屋からは下山道が別ルートになる。

それはいいのだが・・・砂礫帯のズルズルと滑る歩きにくい道。そして斜面にはいつ崩落が始まってもおかしくない大きな石が・・・。

数年前に大きな落石が起こって数十人が亡くなったことがあった。怖さを知っている我々世代は『恐々』としているが、知らない世代は楽しい登山に『ルンルン気分』下山道にも・・・登ってきたのか、それともこれから下るのか・・・気分が悪い人が佇んでいた。声をかけるが重篤ではなさそうなので、お別れ。

下山道にも気分の悪い人が。砂礫帯の不安定な道。
簡単に転げ落ちそうな大石。

ここからの砂礫帯の下りの長い事・・・こわごわなので余計に長く感じたのか。つづら折れにくだって行くのに、先のしれない長さの辛い事。過去に経験した十指には数えられる。

僅かに2時間ほどで解放されるのが救いだ。もう少し長い時間耐えるのであれば『三本指に』と言いなおさなければならない程。

7合目のトイレに到達すると本当の厳しさからは解放される。そして6合目からは記憶にあるルートでさらに安心感が。空いている時は下りは登りの道を下った方が安全かもしれない。

駐車場に戻って・・・頭痛が続く私は少し休んでから帰ろうと決めていた。中国人観光客の団体が我が物顔で闊歩する5合目、こんなシーンに腹が立つ人はここに居る事はできない。

ソフトクリームを食べたり相棒に電話を入れたり・・・そんなことをしていると5時になるころ、例の3人組が下山してきた。挨拶をしてお別れ・・・のはずが、結局また戻ってきてくれてバッテリートラブルを手伝ってくれたのだ。一旦帰路に着いたのに・・・戻ってきてくれて、本当に助けられたしありがたかった。

富士から望むと、雲さえもも芸術的。眼下に展開する雲海。
見上げると【日本一】の富士
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