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55-2. 五竜岳

八峰キレットを断念・・・五竜岳

メ モ
登頂日 16/07/28~29(木・金)
天 候 晴れ
百名山登頂順 再登頂
標 高 2,815㍍
登山口 八方ゴンドラ
同行者 単独
温 泉 白馬姫川温泉 竜神の湯
650円

タイム
場所・地点 往路 (着) 往路 (発) 復路 (着) 復路 (発)
八方池山荘 : 9:45 : :
唐松山荘 12:15 12:30 : :
五竜山荘 14:30 5:00 : :
五竜岳 5:55 6:15 : :
五竜山荘 7:00 7:20 : :
アルプス平
(テレキャビン)
10:10 : : :
所要時間
12:00
1日目
4:45
2日目
5:10

平田影郎

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前回、五竜岳登頂は百名山を視野に入れる以前の平成11年ごろだったと思う。百名山の順としては11座目と記録が残る。

まだほとんど山を知らない時分で、若くして脱サラして北海道に移住した山仲間に連れて行ってもらった。初めての縦走だった。それだけに印象に強く残る山行で、頂上がガスで視界が全くなかったことがいつまでも脳裏から離れない。

必ずいつの日かリベンジする必要があって、ここ10年ほどずっと思い描いていた山行・頂上だった。

晴れのチャンスを確実のものとしたい。ただ脚力も伴わないと登れない山でもあり、天候と脚力が揃う時でないと・・・。

欲張りな私は計画に八峰キレットの通過も加えていたので、脚力は天候以上に重要な条件でもあった。

そのため今シーズンはこの山行のために、既に8回の山行をこなしてきた。脚力・・・は足りなくてももう時間的に実施に踏み切らざるを得ない。そうでないとこの8回の山行が無駄になってしまう。

1日目は五竜山荘まで。2日目は五竜山頂を踏み、キレットを超えて鹿島槍に立ち、冷池山荘泊。3日目は扇沢へ下山。

そんな計画でスタートした。

五竜山荘に明るいうちに到着出来れば・・・何よりゴンドラが動き出す時間に到着すればよく、珍しくゆっくりの出発だった。

自宅を6時前に出発し、信越道をひた走る。長野インターから白馬へ。到着は8時半を回っていた。それは計算通りだったが、夏休みに入っていたことをすっかり忘れていた。いや…夏休みだとしても平日だからとの思いが強かった。

ゴンドラは学校登山や林間学校でやってきた高校生・中学生の長蛇の列。8時45分に並んだか、何時に乗れるのか見当も着かない。行列は遅々として減って行かない。少し焦りが出てきた。

この日は午後から雷と雨が予想されていて、できれば雷が鳴る前に五竜山荘に到着したい。

道々子供たちと話していると、学校登山の子供たちは唐松山荘どまりとか。この日の唐松山荘は布団1枚に3人という予約状況との情報も。となると雷が鳴っているとしても、唐松山荘で停まる訳にはいかない。何としても五竜山荘まで進まないと。

超の着くスピードで子供たちを抜いて進む。最初のうちは女子高生を捕まえては花の前を教えたりしながら歩いていたが、唐松山荘の混雑を聞いたとたん私は形相が変わったはずだ。

学校登山の生徒たち
たぶん第2ケルン

八方池までの学校があったが、地元の高校生は唐松岳への登頂で唐松山荘泊りだった。この日は大町・白馬の全部の高校の学校登山で、それぞれ希望で山を選ぶのだそうだ。簡単な唐松岳は150人程で、五竜も50人弱の高校生がいた。

結局この日はどの山小屋に行っても高校生が沢山いたのだった。

そしてどこかの幼稚園も途中の雪渓まで子供たちと父母が登ってきたが、このお母さんたちが山のルールを分かっておらず全く困った。途中の岩場などで子供を立ち止まらせてはピースサインで写真を写す。一人がやると次のお母さんも・・・。

酷いのは先生が全家族を子供と父母を一緒次々と記念写真。広いところでやってよ!  

後ろの人を抜かしてあげる心遣いがあれば、ルール以前の問題なんですけど。

まあ相手が子供と子供みたいな能力の親なので、仕方がないのでじっと我慢して後ろを歩く。

雷が鳴る前に五竜山荘に到着したい私は、もうイライラ。子供たちが扇雪渓で休憩した隙に、一気に抜かした。

八方池は少しガスる
さっきまで一緒だった子供達
第3ケルン

八方尾根は花の宝庫でもある。シモツケソウやウツボグサなど夏の花が全盛だった。たしかどれかの花の百名山に入っていたと思う。

夏の花が咲く八方尾根

丸山ケルンからは不帰が良く見える。時間次第でどっちかのキレットを選択しなければとも思ったものだが、今日は五竜と決めた以上は不帰は次のチャンスに挑む。

不帰を超えてきたパーティに聞くと、1峰と2峰の間が一番厳しいが、掴まるところは確りあると言っていた。少し安心。

丸山ケルン
唐松岳と不帰の3峰と天狗の頭
八方尾根の最難所
唐松山荘が視野に

2時間半で唐松山荘に到着。天候が持ちそうなので五竜山荘まで移動すると決めた。小屋の管理人さんがいたので、食事をしながら情報収集。牛首の難所の話、天候の話・・・。何より・・・私は八峰キレットが一番簡単だと思っていたが、難易度は同じでも核心部の長さは八峰の方が長いと判った。管理人さんに寄れば長い分だけ八峰の方が不帰より難しいとの見解だった。よく分かる説明で納得。

それより牛首の下りを気を付けて行け・・・と言っていただいた。

京都の高校生達。この日朝一番で登り始めこれから下山にかかるが、登ってくる高校生たちとどこかでバッティング

することになる。京都から五竜に来るとは恐れ入る。今日は八方に泊まって、明日長野から新幹線で帰るという。

京都からの学校登山

管理人さんに挨拶をして牛首に挑む。前回はここで忘れられないエピソードがある。唐松山荘で休憩をしたのだが、普段でもあまりアルコールに強くない私が、もう稜線を歩くだけと思ってビールを飲んだ。

アルコールに強く無い事と、山では何故か酔いが一気にやってくる。牛首の途中で私は目が回って歩けなくなってしまった。それに気が付いた相棒が這松の間に寝かせてくれて事なきを得た。30分も寝ていたら呼吸も落ち着き、目まいも取れて歩けるようになった。

でも、この一件で学習した私は、それ以降一度たりとも移動の途中で酒を飲むことをしていない。肝に銘じている。

翌日まで一緒に行動することになるご夫婦と、もう一組の親子と前後しながらここを超えた。

牛首の鎖場
牛首を進む親子

ガスは時折吹き払われて五竜が顔を覗かせる。大黒岳を超えて・・・白岳と思ったピークは偽ピークでさらに30分程歩いて、やっと五竜山荘の赤い屋根が見えた。遅く到着した割には小屋前は静まり返っていて、ひょっとして今日は空いているのかと勘違いした。がっ先に言ったように学校登山も入っていて、小屋は定員を上回る人数だった。

結果としては8人で一部屋だったから、布団一枚に一人ではあった。まあ空いていても混んでいても眠れないのはいつもの事で、この日も一晩中まんじりともせずに過ごした。でもひょっとしたら明け方1時間ぐらい寝たのかも?

クラブツーリズムの同世代のオジサン4人。九州からきたキャンピングカーのオジサン。なんでも自慢する福島田村市からのオジサンとは、三春のやわらぎの湯が話題に。そして静岡からの50台のお父さん。同世代で情報交換に花が咲く。

我々の食事の回が6時20分からという3回目。お腹が空いて空いて・・・普段疲れて食事が摂れない私もさすがに食べることができた。待つ間にビールを2本も飲んだが、カレーを確り食べられた。

ガスの切れ間から五竜が
白岳の影に五竜山荘

夜中に屋根を突き破るほどの雨になる。翌朝不安ではあった。しかしガスは巻いていたが雨は上がっていた。

何としても今回は眺望のある山頂に立ちたい。5時まで小屋の前で待機して、ガスが薄くなってきたのを見計らって出発した。既に明るくなっていて、山頂にいる人が見えている。

山頂に到着するまで持ってくれるだろうか?

この日も一日行動を共にする若いご夫婦と、前後して進む。岩場などでは何となく一人で挑むより心強い。

朝もやに煙る唐松・白馬
小屋を振り返る

前回もチシマギキョウが咲いている時期だった。同じところに同じ大きさの株が15年を経過してもなお咲いていた。

この岩陰で・・・写した記憶がよみがえる。

登るにしたがってガスは消えて行った。今回こそは眺望が聞く山頂に立てそうだ。

朝露のシャクナゲ
五竜を目指す

出発するとき、昨日の脚力の状態から判断して、とてもキレットを超えられる脚力ではないと決断した。キレット縦断断念。またの機会に脚力・気力を確り構築して挑む事にした。

荷物を小屋に預けて雨具と水だけを背負っていた。

そして縦走路から遥か鹿島槍を望むと、その手前に横たわる八峰キレットの威容が目に飛び込んでくる。痩せた尾根は当然恐怖心をあおるが、それよりも鹿島槍まで続くアップダウンの厳しさを目にして気力は一気に萎えた。

荷物を置いてきて正解であった。行くか行かないか迷うこともなく、きれいさっぱり何の未練もない。

縦走路からの八峰キレットと、黒い威容を誇る鹿島槍の双耳峰

山頂からは360度の視界が広がる。鹿島槍の方に槍ヶ岳が覗いていた。剱岳も薬師岳も黒部五郎も・・・全ての峰々が捕えられた。リベンジ達成の瞬間。

山頂は360度の眺望 バックは剱岳
剱岳方向を望む

小屋に戻ってご夫婦と弁当を食べる。五竜山荘の弁当は意外に美味しかった。朝忙しい思いをするより、弁当でよかった。

下山は遠見尾根。エスカルプラザから八方ゴンドラに戻る方法をご夫婦と話していたが、できればタクシーで相乗りしたいと思っていた。

下山中にそれを伝えられず、私は懸命にご夫婦を追っていた。追いついて相乗りをお願いしたい・・・。

小遠見山でのこと、先を行くご夫婦は山頂を回ったらしいのだが、私は巻き道を通った。どうもここで追い越してしまったらしい。

ご夫婦はアルプス平で私を1時間も待ったという。私は先に降りたものとばかり思っていたから、二人がエスカルプラザにいないということは、既に八方に向かってしまったと解釈した。

バスを調べると花三昧というコースがあって、エスカルプラザから八方ゴンドラに直接行くバスを発見した。そのバスの時間まで1時間もあったので、風呂に入ってさっぱり。

バスを待っていると・・・なんとご夫婦が階段を下りてきてばったり。そして上で待っていたと告げられて・・・とても先に風呂にも入ったとは言えなくなってしまった。

ご夫婦・親子と八方にバスで移動して別れた。何処かの山で再開を誓ったことは言うまでもない。

栂池から白馬・不帰・五竜と縦走路をやってきた女性パーティ
これからキレットに挑むパーティ
一緒に行動した若いご夫婦
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