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99. 開聞岳

雨は降る降る人馬は濡れる・・・開聞岳

メ モ
登頂日 13/04/30(月)
天 候
百名山登頂順 89番目
標 高 924㍍
登山口 ふれあい公園
同行者 単独
温 泉 なし

タイム
場所・地点 備考
ふれあい公園 11:45 8:25
開聞岳山頂 10:20 10:25
所要時間 3:20

平田影郎

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  一週間で7座(うち百名山5座)登頂予定だった九州旅行も、無理がたたって身体が悲鳴をあげた。前々日の夜にえびの高原荘で狭心症の発作を起こしてしまった。とてもこのまま開聞岳に挑む雰囲気ではなく・・・妻も相棒も『中止すべきだ』とっ。

  私自身も不安がいっぱい・・・やっぱり今回は止めておこうと決めて、前夜【休暇村指宿】から登山道具をすべて自宅に発送してしまった。

 決めてしまうと・・・諦めと言うか・・・さばさばするはずだったが、まだまだこのまま開聞岳を諦めて、素直に帰れる精神状態では無かった。

 休暇村指宿の食事システムは変わっていて・・・メインディッシュはテーブルに載っているが、小鉢類やデザートはバイキングで食べ放題。良いシステムだと納得。たとえば写真の例で説明すると、左上の陶板焼きと真ん中のお刺身は着くものの、その他の小皿・小鉢は私が取って来たもの。このほかにも天ぷらが着いた。

 
  この日は朝から雨が予定されていたが、指宿を出発する段階ではまだ雨は落ちていなかった。30分ほど要して開聞岳山麓のふれあい公園に到着すると、雨がぽつぽつ落ち始めていた。装備は何もないし雨に打たれても着替えもない始末。当然登山などできる状態では無く、ましてや体に不安があって止めたはずだったが・・・まだまだ未練は捨てきれていなかった。

  丁度テレビの収録があって地元局のスタッフで駐車場付近は賑わっていた。声をかけた方は既に準備を整えていて、今にも出発しそうな雰囲気である。『函館から来たので絶対登る。冬山をやっているのでこんな程度の気象状態は問題ない』と自信満々の回答。もちろん私も天候を心配しているわけではなく、万が一の【発作】が心配だった。その点、誰かが一緒に登っていれば不安は削減される。

 テレビスタップは輪になって相談していたが、中止と決定したようだ。割り込んで話しているうちに、私は真剣にどうするか検討を始めていた。止める・・・と決めていたはず。それでも何かあったら・・・妻が怒るだろう・・・などと別の視点で不安も増す。

  持っているのは雨具の上と水だけ・・・と言う私を心配して、クルーは食料などを持たせてくれた。お陰で状況は少し改善した。

  妻に『明日は晴れるので、近くに泊まって開聞岳に登ってから帰りたい』と電話入れると、体調を判断して調子が悪かったら止める事を念押しされてオーケーをもらった。

 ふれあい公園にも宿泊できるようになっているらしく、作業していたオジサンが『泊まれる準備をするので決めたら言ってくれ』と言ってくれた。しかし私はまだまだ『この程度の天候なら今日登りたい』という気持ちは小さくなっていなかった。しかも今日埼玉に戻って、明日病院で診察を受けたい。

 函館の方が出ていくと気持ちは焦る・・・とうとう『私も行こう』と後を追ってスタートした。確実にどこかの時点で雨は降ってくる。どこまで雨が我慢してくれるのか、焦点はその一点だった。

  もう迷っているだけの時間の余裕は無かった。行くと決めたら頂上を目指すだけだ。二合目登山口のトイレを使って登山道に分け入る。これまでの久住や韓国の荒涼たる雰囲気とは大きく違い、標高が違うので当然だが樹木が多い。ポツポツ落ちている程度の雨は、全く問題にならなかった。

  雨具を着けての急ぎ足は、流石のゴアテックスでも汗でぐっしょり。それでも樹木が風を遮ってくれるので寒くは感じない。

 汗をかくのは予想の範囲で、念のために速乾性の長袖は、事前に脱いで濡れないようにウエストポーチに入れておいた。寒くなった時の最後の切り札であった。しかし下山まではこのカードを切ることが無くて済んだ。

  五合目から雨が落ちだして、六合目からはザアザア音を付けて本降りになった。ここで少し迷った。止めた方が良いのか・・・それともムリができる状況なのか。ものすごいスピードで頭脳が状況解析をしていて、二度三度行きつ戻りつ迷っている間に結論が出た。

 『ここまで濡れたら戻っても着替えがある訳でもなく、状況は改善しない。しかも半分以上進んで死地に踏み込んでしまっている』何より大きな要素は・・・樹林の中の登山道は風で体温を奪われる事が無くて、その点で自信を持って結論を導く事ができた。八合目で雨はほとんど小降りになり、山頂直下の岩場では全く落ちてくる事は無かった。スリップだけに神経を集中して登って行く。

 山頂には誰もおらず・・・寂しい・・・ガスが巻いて眺望無い。もちろん承知の上で挑んだ山頂である。今回登頂した九州百名山五座中唯一の悪天候の山頂だ。宮之浦岳に登頂するとき、もう一度開聞岳に登ると固く誓う。

 五分もいないで下山にかかった。下りは特にスリップに注意する。8合目付近で函館からの方と挨拶を交わし、更に下ってえびの高原から一緒だった方と健闘を称えあった。それでも・・・登らない、装備がない・・・と言っていた私が下ってきたのでびっくりしていた。

1時間ちょっとで二合目登山口が見えてくると・・・何より怪我をすることなく下山出来たことに安心する。もうどんなに濡れても半袖のTシャツを脱いで、取って置きの長袖のシャツを着ることもできる。そして寒ければ車のエアコンを利用する事ができる。

 とうとう下山するまで再び雨に打たれる事が無く、本当にラッキーで不幸中の幸い。こんな無謀な行動をしてはいけないと反省。

 作業していたオジサンに『登ってきたので・・・今日は泊まらなくて良くなった』と断ると、『えっ、もう行って来たの?』とビックリしていた。

 熊本に4時までに帰りたい・・・と話すと、あれこれルートを教えてくれた。結局指宿ハイウエイを利用して戻ったが・・・。
 
 ふれあい公園には宿泊できる施設があるようで、興味のある方は確認してみてください。

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