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釣行記ー9 山形 朝日・西大鳥川

山形 朝日・西大鳥川

やっぱり朝日に来ています

何かの理由で今年渓谷に行けなかった者同士が、シーズン終了間際に勇躍して出かけることになった。土・日を利用するしかないスケジュールで釣果を得ようとすると真室川か朝日。

同行の素人(たつじん)氏は真室川に何度も行っているので朝日に決めた。念のため鉄人氏に「朝日にいってくるねー」と連絡すると、タイミングよく遅い夏休みを取ろうと思っていた時期だという。

 「行けたら行きますよ。28日の夜はどの辺にいますか?」「多分、タキタロウ館の駐車場にいるよ!」

27日の夜、食料を満載したボンゴフレンディーは、素人氏の運転でどしゃ降りの雨をついて出発した。念のため鉄人夫妻の分の食料も持った。

ただしあまりレパートリーのない私の食材はほとんどがレトルト。それでも“たまには食事当番をしよう”という意気込みは十分過ぎるほどある。

村上から朝日スーパー林道に入ろうとすると工事中で通行止めの看板。暗くて確認は出来なかったが安全策を選択して鶴岡を廻ることにした。これで2時間は損をした。(帰りに確認すると通行止めは小国に抜けるルートだった)

相変わらず強い雨が降り続いていた。

落合から荒沢ダムを抜け大鳥集落には4時についた。あたりはまだ暗く林道を走るには不安があったので入口で仮眠をとり完全に明るくなってから、西大鳥川沿いに目的の沢に向かった。

桝形川を過ぎてしまうと県境までには、わずかに右岸に2本の沢があるだけだ。林道からではよほど地理に明るくないと見つけることはできない。昨夏、源泉氏と釣った沢に入ることにした。

亀子沢の魚止め滝を釣る素人氏
へつりも上達素人氏
続いて姉御も行く

地元の釣師が相当入っているようで、さらにはシーズンも押し迫り遡上した魚は釣りきられたようだ。新潟側はどしゃ降りだったのにこちらはほとんど降らなかったようだし・・・最悪。結局魚止めまで上って良型は1匹もない。

早々に切り上げ亀子沢に移動した。ここでやっと素人師(氏→師)に25・6センチが一本来たが、魚止めまで上っても良型はやはりこの1尾だけだった。朝日でこんな筈はない。

1日目は移動の疲れもありこれで終わりにした。約束のキャンプ場に向かう途中、西大鳥ダムの吊り橋を渡って桝形川に寄ってみた。明日の下見だ。

夕べ一睡もしていないふたりにとっては瞼に鉛が付いているような状態で、起きている事が苦痛であった。3時にはタキタロウ館の駐車場で一眠り。

1時間もすると 来ました! 来ました! 米沢牛が・・・それも特上の・・・。

夕べ高湯温泉に泊まった二人は、夕食のバーベキュー用に米沢牛を携えてやってきました。

さらに嬉しいことには夜中に源泉氏も到着するという。今回の朝日も楽しくなること請け合いだ。

キャンプ場の申し込みを済ませテントを設営すると、いよいよ食事当番に早変わり。今日はナベと米沢牛。食が進む。ビールが進む。それでも源泉氏のためにシブシブ数切れの肉片を残す。

到着するのを起きて待つという鉄人と敦ちゃんを焚き火に残し、素人と私は早々にホテルフレンディーのベッドに横たわり大いびきをかいていた。

翌朝、外の声に促され目を覚ますと、焚き火にあたる源泉氏。朝から快調のようで舌が滑らかだ。夕べ12時に着いたというのに・・・きっと米沢牛でスタミナをつけたからだろう。やはり長野の現場から・・・?

2日目は八久和の猿倉沢へ。しかし出発が少し遅れてしまったせいで、すでに先行者がおり入渓をあきらめた。昨夏はここで大釣りだったのだが。

初めての沢を探しながら大きく移動して摩耶沢に。しかし小型が数尾という貧果。

またまた大きく移動して荒沢ダムにそそぎ込む檜原沢へ。バックウオーターから大淵・大岩が随所に配置された私好みの渓相で、即座に決定。上流に向かう林道のいたるところに釣り師の車、そして一ノ俣沢に入ったが先行者に荒らされた状態では当然釣果を得ることはできなかった。

結局2日目もさしたる釣果は無かった。猿倉沢に入れないのが痛かった。

大鳥集落まで戻り夕食の材料を仕入れる為雑貨屋に寄ると、店頭に山取のキノコが並んでいる。サラダに最高というキノコや舞茸を求め一旦キャンプサイトに戻った。

しかし雑貨屋のバーさん、調子がよすぎ・・だ。バーさんの見事な販売テクニックに翻弄され、勢いで買ってしまったサラダにいいというキノコは、さほど美味しいモノではなかった。ナベにも入れたが、むしろマズイ・・モノだった。

「出汁がでるよ」という触れ込みの割に出汁どころか、食感・味も・・・ハメられたナー。

それでも何種類もの天然キノコがいとも簡単に入手できる朝日はやっぱりすごい。

このバーさんが一見舞茸風のキノコを“すぎたけ”として、やけに勧めてくれる。地元の人がそばで見ていてクスクス笑っていたので、不安になって買うのをやめた。聞けばあれはやっぱり舞茸で、すでに腐り始めて形が崩れたモノらしい。

それをバーさんに話すと平然とした顔で「できスギてしまったものを、“すぎたけ”と言うんだ」と言う。何が悪いんだと言わんばかりだ。腐ったキノコを売ろうとしたことがバレてしまっても、まったく悪びれた様子もない。バーさんまでが観光ズレしているんだなー。やっぱり朝日はスケールがでかい。

食事前に麓におりて“片栗温泉 ぼんぼの湯”へ向かった。ここの泉質はまあまあの塩化物泉で以外にいい風呂でした。

ちなみに“ぼんぼ”とは赤ちゃんのことで、多分赤ちゃんの肌のようにツルツルになるということだと思う。

戻ってからの夕食は例のキノコづくしとなった。夜は楽しい、火が楽しい、ビールが楽しい、朝日の夜はなんだか解らないのに楽しい。我が家特製のサラダをみんな美味しいと言って食べてくれた。食事当番はやはり「おいしい!」と言ってもらえるのが何よりの楽しみだ。

三日目はキャンプサイトを撤収しいつも通りスーパー林道に沿って走る西大鳥川の枝沢へ。

サイトの撤収はそれぞれが自分の判断で動き、役割、作業を分担してくれるので、ほんの10分もあれば終わるようになった。

1日目に素人と入った沢を5人で遡行したが釣果はほとんどなく、朝日での釣行を終えることにし、同時に今シーズンの終了となった。

仲良く渓谷を行く
記念写真で今年を締める

村上に向かう3台の車が県境の峠にさしかかったとき、先頭のジムニーが急に路端によせて停車した。峠から見える今日の朝日や下田(しただ)の山並みは、あたかも紺色の山水画のようであり、それに気づいた鉄人が私に写真を撮らせようとしてくれたのだ。

シルエットの山々、霞たなびき・・まさしく幽玄の世界・・やっぱり朝日に来てよかった。このロケーション・・・ここに来なければ・・・見ることはできない。

村上の瀬波温泉では“龍泉”で湯に浸かり、露天風呂では滝のように湯が落ちていて、当然のようにこの滝壺にいるはずの尺上の話でもりあがった。

岩船漁港の鮮魚センターの食堂で海鮮丼に舌鼓をうつ。別に・・・黒部に一人で出かけた人の・・・おごりではなかった。

実はすでに閉店していたのに、源泉氏はどう交渉したのか店を開けさせてしまったのだ。着替えて帰り掛けていたコック長は呼び戻されてまた着替えさせられた訳だ。

どうりでウニが載っていなかった。昨年の朝日でも通行止めの林道を交渉して通ってしまった。

恐れ入ったテクニックだ。

釣果が全くないシーズンだった。今シーズン3回の釣行であわせて10匹程度だと思う。しかも最高で20センチだったかな。

山でも渓谷でも同行者の足を引っ張ったシーズンがやっと・・・終わった。

釣行者   博士・鉄人・夫人・素人・師匠
釣行日   01.9.28~30
ルート   往路は落合から朝日スーパー林道へ
帰路はスーパー林道を村上へ

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