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旅あれこれ 東北7【玉川も春は山菜】

玉川も春は山菜

2008 春

 お陰さまで今年も玉川で過ごすことが出来る。何とか仕事は都合をつけたものの、平日の3日間を休暇として申請しなければならない。昨今の風潮は責任の放棄と受け取られかねないし、事実事故が発生した場合など直ぐに駆けつけられる距離ではない。【他人にどう思われようとかまわない】と割り切る姿勢が無ければ、精神的にこの1週間は非常に長い期間となる。

 組織人としては迷惑をかけていると重々承知しているものの、『家族を大切にして』と言う周囲の優しさにすがりたいのも本音である。そんな優しさが大切にされるような組織は、存在し続けることが出来ないほど最近の日本人には思い遣りが失われてしまっている。効率化・コスト削減・・・・自分の評価のためには他人のことなど慮っていられない・・・というギスギスした対応。自分がその立場に追い込まれたらと考えることを許さない環境。確かに他人の事情など斟酌しないほうがどんなに気楽か・。

 でも・・・そんな日本で・・・本当にいいの? 責任の放棄ではないと自分自身に言い聞かせて玉川に向かった。

 早朝、盛岡のイオンがオープンするのを待って一週間の食材を買い込んだ。田沢湖には11時ごろである。山菜を採りながら玉川に向かうとフキ・フキノトウそして少しばかりのタラの芽が収穫出来た。

 途中、根曲がり竹の藪を這いずり回って探したが、残念なことに少し早い。道々、カタクリ・キクザキイチゲ・ミズバショウが玉川の早春の訪れを告げていた。途中ゆっくりと楽しんだお陰でこの日は岩盤浴が出来ずに終了した。この日の夕食は早速フキとシーチキンの炊き合わせ、タラの芽のおひたしが食卓を飾った。

フキノトウを採る妻
カタクリの群落
キクザキイチゲの群落

 今回は後半の休みに娘が合流する。妻を娘に任せて自分の時間が持てると私は期待していた。高橋克彦氏著の大作【天を衝く】を読みきるつもりで読みふけった。南部藩の内紛から秀吉の天下に異を唱えて戦を挑んだ【九戸政実】の物語。九戸党の結束にはまたまた3回ほど泣かされた。私の生き様に似ている・・・と言うのとは少し違うか・・・私がそのように生きたいと思っている生き方かもしれない。私の人生で出会う良い作品の一つに数えられる作品である。武者(男)の本懐は何か・・・をじっくり考えさせてくれる。

 今年は連休でも意外に岩盤浴の混雑が内輪である。5月3日ですら例年の半分以下と感じる。例年なら岩盤で焼肉パーティまでする人々がいて、喧騒の中に岩盤浴が行われていた。好みの場所を確保するにもまさに競争だったのだが・・・。駐車場は相変わらず混んでいるので、減っているのは宿泊者なのだろうか。それともやはり食中毒などのトラブル続きが客の減少に繋がっているのか、あるいは常連・ベテランはこの時季を敬遠しているのだろうか。そうだとすれば確かにルールを無視・理解していない人が多いと感じた事が決して気のせいではない。

     妻と娘が汗をかいている間にも歴史小説のページは大分捗った。

強い日差しを避けての岩盤浴
名残峠に向かう
途中から俯瞰する
山道は雪解け水

 5月1日にニンニク卵黄2キロを作った。これで来年までの我が家の健康は保証されたも同然である。作っていると相変わらず人が集まってくる。今回も大阪からの方が付きっ切りで作り方をメモしていた。また同じ病院で手術をし、妻と同じ主治医を持つ方と一緒になった。この方は農家の方で大量に野菜を持ってきており、最終日まで野菜を使わせていただいた。旦那さんが私同様山菜採りが大好きで、間で何度もコシアブラやタラの芽の天ぷらをいただいた。このご夫婦も作り方を教えてほしいと言うのでレシピにしてあげ、帰りには住所を交換して別れた。

 例年3日は岩盤が混雑するため休息日に当てている。角館の桜を見たりしていたが今年は既に葉桜になっている。相談した結果、焼山に登ることになった。登っていくと途中から雪解け水が階段を流れ、妻のスニーカーはグショグショニなってしまった。さらに尾根に出ると残雪が登山道を覆い、やはり確りした靴が必要である。登山は諦めるしかない。そこで急遽・・・やることと言ったら【竹の子採り】だ。私にとっては山菜のチャンピオンで、竹を見たらもう疼いて仕方が無い。当然娘にもその血が流れていたようで、コツを教えたら私以上に夢中になってしまった。

 翌日も『採りに行こう』とせっつかれ、岩盤浴を中止にして採りに出かけた。サッと茹でてマヨネーズで食べた娘は『うま~~い!』と大満足。どうも竹の子採りにはまってしまった様である。本格シーズンに是非訪れてみたいが5月末に玉川はチョット無理かもしれない。

尾根は残雪
まだまだ早い根曲がり竹
娘の収穫
コブシが一斉に咲く

 5月5日、玉川からの撤収である。しかし妻と娘は残雪の下から芽を出したばかりの、フキノトウを採りたいという。八幡平の5月初旬はちょうどフキノトウの筍であり、毎年採って帰るのが慣例になっている。フキノトウ味噌を作るのだ。1年分のフキノトウ味噌の原料をここで確保している。そんなに作ってどうするの・・・フキノトウ味噌をパンに塗って、チーズを散らし、ピーマンのスライスでもトッピングして、トースターで焼くと・・・・そうです、美味しいピザの出来上がりです。春の香りのピザを試してみて下さい。

八幡平ビジターセンター付近
南部片富士 岩手山
八幡平の恵み
フキノトウ味噌でピザ風に
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